■ 毒ガス
化学兵器とは、科学ではなく化学によって生み出された兵器です。筆頭が”毒ガス”です。
毒ガスは大砲の弾に仕込んで敵に撃ちこんだり、敵に向けて噴霧したりします。これはあくまで自軍が風上にいないと自分自身も被害をうけてしまいます。原始的と言えば原始的です。
ただ放射能やウィルスのように後を引かないので、戦場で使う事が出来ます。噴霧して敵を倒した後へ中和剤を持った兵士が突入すればいいのです。
そして、毒ガスは製造も核爆弾ほど大掛かりではなく、生物兵器と同様、弱国の核兵器と呼ばれます。そう、いち民間企業のオウム真理教でも作る事が出来たのですから・・・。
中東ではイエメン内戦でエジプトが使用したのが最初で、イラクもイランや国内の反政府勢力に対して使用しています。それはマスタードガス(イペリット)というWWTで開発され、毒ガスの一応の完成を見た記念すべきガスです。皮膚に触れただけで効果があります。
2007年、イラクではアル・カイダ系ゲリラが自爆攻撃時に爆薬と共に塩素ガスを使用しました。被害者はイラク人多数とアメリカ兵でした。これは明確な毒ガス攻撃です。過去、アメリカはなかなか毒ガス禁止条約に批准しませんでしたが、なんと100年近く経って毒ガス攻撃を受ける事になってしまったのでした。 塩素ガスは第一次世界大戦で一番最初に使用された、(催涙ガスなどとは別の)敵を殺すための毒ガスです。この毒ガスを大量に吸い込むと、息ができなくなって死亡します。当時、この毒ガスを作ったのはドイツ人のハーバー博士(ユダヤ人で戦後ノーベル賞受賞)でした。 ■ 無能力化ガス
無能力化とは読んで字のごとく、ガスを浴びる事で何も出来なくなる事です。これは毒ガスと暴徒鎮圧用に使うガスとを区別するためにある言葉です。
そう、催涙ガスは毒ガスではないのかと言う話は毒ガスが開発されてから現在までずーっと議論が続いています。なんせ、催涙ガスは大量に吸うと死んじゃうので、危険なのです。
イスラエルは暴動鎮圧にしょっちゅう使っています。
■ 毒 兵器(毒素兵器)
自然界にある毒を使用する兵器も開発されています。これは、化学兵器とは呼べないのですが、同じ事です。自然界にある毒は人間が作り出した化学物質よりはるかに強力なのです。もちろん国際条約で禁止です。
VXガスと言うサリンより強力な毒ガスでも実際はふぐ毒の三分の一なので、ふぐの肝を食べる人は勇気があると思う・・・。 |