Kenny`s ウェ・マガジン From Toronto,Ontario
2005年5月  
By ケニー吉岡(ブルースハープ・プレイヤー)


今月は日記風になるべく毎日何か綴っていこうと思ったのだがすでに4月7日になってしまった。火曜日までさかのぼってそこから始ることにする。

4月5日(火)、James Joyceにてギグ。マイク・オグラディはジャマイカにて休暇中。よって今日はかわりにデレク・ダウナムと出演。アコースティックでロック・チューンをビシビシきめる。そう言えば先日ジュノ(カナダのグラミー、最近は歌謡大賞的?)でロン・セックススミスがソングライター・オブ・ジ・イヤーをとり、デレクは友人なようで「初受賞だかんねー、よかったッス。」と嬉しそうに語っていた。ちなみに御大ニール・ヤングがゲスト・パフォーマーの予定だったのだが病気で出演できず。かわりにK.D.ラングという歌手が出てきて"Helpless"を歌ったらしい。

4月6日(水)、ジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズのジェイがパークデイルのクラブMitzy`s Sister にてアコースティック・オープン・ステージのホストをやっているので俺もかり出され出る。何でも今月はテーマがあり今日は飛行機、自動車等事故死したアーティストのカヴァー特集なのであった。はじめにジェイとハープのボクとベースのボビー・スペンサーでジョン・デンバーのカントリー・ナンバーとスキナードの"Tuesday`s Gone"をやる。水曜日のわりにはすごい客の熱気で盛り上がる。トロントでも一番人気のオープン・ステージなのだ。その後交流のあるミュージシャンのミッシェル・ラムボール、エミリー・ウィードン、ジェイク&ブルー・ミッドナイツのジェイクをはじめいろいろな人がいろいろな事故死したスターのカヴァー(パッツィー・クライン、スタン・ロジャース、マーク・ボランなど)を演奏する。ボクもジェイのギターを借りて2曲オールマン・ブラザーズ"Melissa"とオーティス・レディング"Fa,Fa,Fa,Fa,Fa"を歌う。実際は"Melissa"にバイク事故で死んだデュエイン・オールマンは関わっていないんだっけ?

4月9日(土)、今日の夜はギグがなかったのでトロントのブルース・クラブにシュガー・レイ・ノーシア&ザ・ブルートーンズを観に行く。10時半からオープニング・バンドなしで2セット演奏した。シュガー・レイといえばもとルームフル・オブ・ブルースで活動していたブルース・ハーピスト/シンガーで、何年か前に発表したCD「スーパー・ハープ」(ジェイムス・コットン、ビリー・ブランチ、チャーリー・マッセルホワイトとの共演アルバム)に参加し名をあげた人。キャッチーなフレーズをアンプリファイドで鳴らしているところなどリトル・ウォルターの影響が強く"Off The Wall"もプレイしていた。耳に残るメロディックな感じのハープでとてもよい。スリム・ハーポの"Rainin` In My Heart"も。生ハープでも数曲やるがこちらの方が個人的には好きだ。またギタリストはポール・サイズという白人でこの人が素晴らしい。ストラトでテキサス風味プラス、シカゴ・スタイルありという感じ。トーンが極太で完全にKOされる。ピッキングの達人という感じ。何しろギターのつまみもほとんどいじらないでペダルももちろん使わずソロ、フィル、バックアップのリズムのボリューム加減を思うままにコントロールしていたからね。彼もルームフル・オブ・ブルース出身なのだろうか。シュガー・レイ・ノーシア以上にファンになってしまいました。嵐のような1セット目は一時間半くらいかな。その後2セット目は何故か客が50人くらいに減ってしまい、バンドのメンバーも少しやる気がそがれた感じでちょっとダレるがその気持はわかる。客層は年配の人が多く、夜遅くまではつらいのだろう。トロントのクラブ・シーンもここ何年かでかわってきたようで、若い人のLive Music離れが進んでいるみたい。とくにこう言った知名度はあまりないけど実力派のブルース・バンドなんてあまり興味ないんだろうね。無性に悲しい気分で帰り道自転車を走らせるのでした。

4/10(日)、第5回Equinox Spring Folkfestに出演。これはビル・ヘファナンのニカラグアの貧しい子供たちを支援する団体「カサ・カナディアンセ」が主催するチャリティ・コンサートで15組以上のアーティストが午後の2時半から夜の11時までぶっ続けで演奏を行った。うちボクは夕方コーウィー/マクマナス(ケルティック・バンド)、ビル・ヘファナン・バンド(フォーク/プロテスト・オリジナル)、ジュリアン・ファウス(ブルース・ピアニスト)と3つかけもちで出演した。カヴァー・チャージ+オークションで総額1,700ドル、ニカラグアで学校を1つ建てるのに5,000ドルかかるというから3/1ほど集めることができたというわけだ。

4/11(月)、昨日のチャリティ・イヴェントに関してビル・ヘファナンと僕とでFM局CIUTの番組「アコースティック・ワークショップ」に呼ばれ生演奏、インタヴューも受ける。夕方7時からの一時間でほとんどが僕らのために時間をとってくれた。話すのはビルがほとんどでボクはハーモニカを吹くだけなのだが。ビルのオリジナルを5曲ほどプレイする。

4/13(水)、昨日のギグでビールとアイリッシュ・ウィスキーをチャンポンした結果、二日酔い+風邪の悪化で目を覚ます。ここ一週間くらい風邪をひいていて飲まなきゃいいのにと思うのだが、、、。午後トロントの日本語テレビ番組「ワイワイ・ワイド」の再放送を見る。先日芸人ノブ・モーリーのショーの模様が出てきてボクも数回チラっと写っていた。ギターを手に歌っているところと、トロント在住日本人アーティスト・トモレノン君とコメディの一部に出ているところと、ノブ・モーリー君が歌って踊っているところのバックでギターをひいているところ。ハープは吹いていませんでした。先月ジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズとのライヴでノブ・モーリーくんに、白人のなかにボクだけ日本人が入っているのをみて「お父さんの転勤で来た転校生みたいですね」と言われた。

4/14(木)、 Hole in the wallにてソロ・ギグ。風邪がぬけ切っていないために苦戦を強いられる。が、ビル・ヘファナン・バンドのデイヴ・マクマナスが来てベースを弾いてくれたのでギター・ソロも多くとったりして何とかやる。ほか、ビートルズのカヴァーなどを披露してくれたトモレノンくん、一曲歌ったノブエちゃんとベースのミホちゃん、それにスペシャル・ゲスト、マイク・オグラディも加わり盛り上がる。みなさんどうもありがとう。

切りがないのでペースを落とします。

4/30(土)、ジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズとオンタリオ州ロンドンへロードに。ロンドン・ミュージック・クラブというホールでクリス・ハート・バンドとジョイント・コンサートを行う。ロンドンはキーボードのジェイムスの実家がありそこに泊めてもらう。が翌朝6時までパーティ。翌日午後に起きて夕方トロントにもどり7時半から日本レストランでギタリストのケンミとギグがあり慌ただしい週末を迎えた。

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