6)「Lewisの今年のレッドソックスへの貢献度」

   By JUN

Darren Lewis の Autograph(by matsudy)



Darren Lewis
外野手、背番号20、31歳。California州、Berkeley出身。
1998 年に Oakland から Draft #18 で指名、90年にOakland Athleticsに昇格。翌年、San Francisco Giantsへ移籍し、4シーズンの間San Franciscoに在籍。そのうち94年にはGold Glove賞を受賞。95年のシーズン途中にCincinnati Redsへ移籍。その後、Chicago White Sox、Los Angeles Dodgersを経て、97年の12月23日にフリーエージェントとしてRed Soxと契約する。メジャーリーグ在籍9年。

今までのRed Soxの野球は、伝統的にBattingを重視してきました。守れる選手よりも打てる選手を使い、多少大味なゲームになってもBattingを重視するというのが傾向でした。そんな中、98年のRed Soxの野球を根本から変えたのは、たぶんこのひと、Darren Lewisじゃないでしょうか。シーズン開幕当初、Red Soxの野球は Williams 監督の要望で Defensive になりました。そしてシーズンを通して、Red SoxはDefenseで野球は勝てるということを実際に証明してアメリカンリーグ2位の成績を残しました。その中核を担っていたのがセンターフィールド、時にはライトを守るDarren Lewisでした。フリーエージェントでDodgersから移籍してきたLewisは、開幕当初はそれほど期待はされてなかったと思います。Williams 監督はLewisを守備要因とういう程度にしか考えてなかったはずです。ただ、開幕して間もなく、Lewisは予想以上に打撃が好調で、Nomar が DL 入りしたときに先頭打者不在で Lewis が抜てきされました。Nomar 復帰以降も Lewis は不動の先頭打者として活躍しました。バッターボックス内での独特な神経質なしぐさがトレードマークになり、選球眼の良さと絶妙の流し打ち、そして自慢の俊足を生かして前半は3割近い打率を残しました。もちろん守備では、元 Gold Gloveという勲章を掲げてあらゆるピンチの状況でも好守備でRed Soxを救ってくれました。どんなに難しい打球でも俊足を生かして最短距離で落下地点に到達して難無く捕球する彼の姿は、今年のシーズンでは数えられない程ありました。 「センターラインの守備の強化」、これが野球にとっていかに重要なものなのかということを、今年、Lewisは示してくれました。それだけではありません。今年のLewisは、Buford、Bragg、O'Learyを始め、その他のチーム内の若手外野選手にも大きな影響を与えました。彼の教えを受けてRed Soxの外野手は今年大きく成長しました。

今年の夏にファン投票で選ばれた「Unsung Hero」(影のヒーロー)賞には、第1位でLewisが選ばれました。もちろん今年のRed SoxのMVPは、NomarやMo、そしてPedroのいずれかから選ばれるのでしょうが、影の立役者はDarren LewisであるということはRed Soxファンのみんなが認めていることなのでしょう。

先日、LewisはRed Soxと3年契約を結びました。彼の存在が、今後のRed Soxの外野陣をますます良い方向に導いてくれることと思います。