このページはこの HP を運営していて感じたこと、Red Sox のことなどその時書きたいなと思ったことを不定期に書いて行く Column です。matsudy が気が向けば書くということなのであまり期待しない下さい。 "Upcoming Sox Dynasty" というTitle はただそうなればいいなと思ってつけました。



Lefty(2/28/99 Update)

 左対左、昔からよく耳にした言葉だ。左打者はそれほど LHP と会うことがないために LHP を打つことは非常に難しいらしい。頭ではわかっていたけれど LHP の大切さを本当に感じたのは 1997 年の Expansion Draft の時であった。Boston からは RHP Jeff Suppan が指名された。そして LHP Ron Mahay が Protect されていたという。Starter 候補の Prospect Suppan と打者から投手に転向して間もない Mahay。Suppan の他に RHP Prospects はごろごろしていたが Boston 傘下にはすぐに使えそうな LHP がいなかったことが Mahay Protect の真相らしい。
 GM の間では Organization に LHP は多ければ多いほどいいといわれている。現在 Major では 80% の投手が RHP だという。5 人にたったの1人しか LHP はいないらしい。使えるかどうかわからなくてもとりあえず抱えておいて、どうしようもなくなるとあきらめる方針らしい。それほどどこの Team も 使える LHP を求めている。それだけに LHP の市場は高騰しているようだ。 Arizona に行った LHP G. Swindell は 3 年 $ 5.7 M, Boston と契約した LHP Guthrie は 2 年 $ 3.2 M 、Setupper としては高すぎると思うが、なくてはならない存在だけにしょうがないのだろう。
 Starter を考えてみるとたとえば 今年の Sox Rotation には一人も Lefty はいないことがわかる。最近 Toronto は LHP が欲しくて Clemens を LHP Wells, LHP Lloyd, IN Bush と交換した。若手 RHP の Rotation の中に一人でも LHP がいるとずいぶん印象が変わってくるはずだ。 6-10 の LHP Randay Johnson などが Rotation にいれば助かるが、そこまでいかなくても一人ぐらいは LHP が欲しいところだ。そう考えてみると LHP Schourek と契約せずに RHP Rapp をとってきたのには理解しがたい。

 少し前にみたドラマで瀬戸朝香が左で石を川に投げているシーンをみて、「彼女は Lefty だ(絵的に左投げの方がよかったから左で投げただけかもしれない)。」と妙に感動したことを覚えている。気がつけば友達に、家族に左利きがいるかどうかきいたりしてていた。結果、それほど左利きはいないらしい。5 人に 1 人といいうのは Baseball の世界だけで LHP が Draft され 重宝されているのがよくわかる。もちろんこちらアメリカでは左利きの数は多いように感じるが..。
 そういえば、うちの家系には Lefty がいた。僕のおじいさんがそうだ。そして弟はLefty だ。高校野球をしていた弟は 3 年の時の地区予選で 1 回戦負けしたがなぜか急遽先発した。そのときは何も思わなかったが、今はその意味がよく分かる。

 もし僕が結婚して生まれた子どもが左利きの男の子だったらニックネームは Lefty にしようと思っている。

Batting Glove(2/21/99 Update)

 つい最近 Batting Glove を買った。欲しい欲しいと思っていてもなかなかいいのがなくて待っていたのだ。丁度 Baseball Season に合わせたように Wal-Mart の店頭に並んだ。いつもは右手だけ左手だけなのに今度は両手セットを売っていた。紺か赤もしくは紺と赤が欲しかったが全部黒と白だけしかなくてしかたなくそれを買う。Franklin の Adult Small で 16ドルだった。
 手にはめてみるとものすごくいい感触だ。僕の持っているバットに吸い付くような感じで振っても全然手が滑らない。僕の黒い金属バットと黒と白の色が合っていて手首から先が MLB Player みたいな感じがする。
 毎日夜は素振りをすることにした。30 回ぐらいしか振らないけどいい運動になる。週に一回は近くの Batting Center で特打ち(10球/50セント)をすることにした。

 素振りして気付いたが、数回振ると Batting Glove がずれてくる。直さないとなんか嫌な感じがする。Nomar の気持ちが少しわかったような気がした。でも振っていないときでも 1 回 1 回ずれを直す必要はないんじゃないかと思った。やっぱり彼は神経質だ。


25-Man Roster(2/20/99 Update)

 Major の試合には 25-Man Roster 登録してある選手しか出場できない。これは当たり前のことだが、162 試合を戦うためにはこの 25-Man Roster をしっかり使っていくことが大事になる。Williams 監督になって初めてこの 25 人の大切さ、そして 25-Man Roster に残ることの難しさに気がついた。そして Spring Camp における生き残りをかけた競争がわかるようになってきた。Camp が始まる今 BoSox 25-Man Rostor について考えてみる。

 まずはRotation から。1st から 5th までで 5 人は必要だ。
1)RHP Pedro Martinez
2)RHP Tim Wakefield
3)RHP Bret Saberhagen
4)RHP Mark Portugal
5)RHP Pat Rapp

 Closer が 1 人。
6)RHP Tom Gordon

 C は vs RHP, vs LHP として1 人づつ。
7)Scott Hatterberg
8)Jason Varitek

 1B が 2 人。
9)Mike Stanley(DH も兼任)
10)Reggie Jefferson(DH も兼任)

 2B が 1 人。
11)Jeff Frye

 3B が 1 人。
12)John Valentin

 SS が 1 人。
13)Nomar Garciaparra

 LF が 1 人。
14)Troy O'Leary

 CF が 2 人。
15)Darren Lewis(vs RHP, vs LHP の時は RF)
16)Damon Buford(vs LHP)

 RF が 1 人。
17)Trot Nixon(vs RHP)

 DH が 1 人。
18)Jose Offerman(1B も兼任)

 Utility INF が 1 人。
19)Donnie Sadler

 左の代打が 1 人。
20)Midre Cummings

 Long Reliever が 1 人 。
21)RHP John Wasdin

 RHP Setupper が 2人。
22)RHP Derek Lowe
23)RHP Jim Corsi

 LHP Setupper が 1 人 。
24)LHP Mark Guthrie

 これでもう 24 人で後 1 人しかない。連戦になってくると Setupper に疲労がたまるのでもう一人 Setupper が欲しい。
25) LHP Joel Adamson

 これが僕の現時点で予想する 1999 Opening Day Roster だ。 P 11 人の 25-Man Roster。悪くない普通の割合だ。
 25 man Roster に無駄な選手はひとりもいないことになる。Williams 監督の Platoon を使う作戦がいかに 25-Man Roster 全員使っているかわかると思う。それだけみんないつも Fresh な状態で戦えることになる。Lineup が vs RHP, vs LHP に関わらず決まっているなら 1 人や 2 人の無駄な選手(出場機会がほとんどない選手)が出てくる。しかし BoSox ではそれはないといえる。
 また BoSox にはものすごく頼りになる選手がいる。Wakefield だ。延長は試合が決まるまで続くわけだから Setupper への負担は大きくなる。そして10 連戦が続いた時など時に Setupper にかかる負担は大きくなる。特にStarter が早めに KO されたときなど悲惨になる。そんなとき Scramble Reliever として使える Wakefield のありがたみがよくわかると思う。Roster が 26 人になったようなものだ。また Starter ができるだけ長く投げてくれると Bullpen を休ませることができるので非常に役立つ。どれだけ打たれてもBullpen が疲れているときには完投してくれる Inning Eater と呼ばれる Wakefield の価値がある。160 球以上投げて完投する Starter がいることがいかに Team を楽にするかは考えればわかると思う。
 すこし話は脱線したが 25-Man Roster に残る可能性のある選手をあげておく。
 Utility INF として
Lou Marloni

 Setupper として
LHP Ron Mahay, RHP Rich Garces, LHP Brian Berkley, RHP Kip Gross, RHP Bob Wolcott

 5th Starterとして
RHP Jin Ho Cho, RHP Brian Rose
 左の代打として
Bob Hamlin

 彼らが Opening Day 25-Man Roster をねらえる位置にいると思う。それ以外は多分無理ではないかと思う。しかし意外な選手が 25-man Roster に残るかもしれない。それはすべてこの Camp にかかっている。3B Cole Liniak, 3B Wilton Veras, OF Micheal Coleman が残れるとしたらそれはすばらしいことであろう。また Spring Training Invitee の選手が残れる確率はほとんどないと思う。
 40 人の Roster と Invitee 18 人の計 58 人が生き残りをかけた熾烈な Camp がこれから始まる。 僕が望むことはただケガなく Camp を終了して開幕に望んで欲しいということだ。

Baseball America(2/14/99 Update)

 Baseball America は Biweekly の Minor League 情報誌だ。Minor League を扱っているといっても Major の話もたくさん載っている。1995 年 5 月にアメリカにきたときには Baseball America っていう雑誌があるということだけは知っていた。それは いろいろな雑誌に Baseball America で League の #1 Prospect の○○だという表現をよく目にしていたからだ。しかし、実物は見たことがなかった。今現在すんでいる場所は4万人(うち2万人が学生)の町で田舎の典型的な州立大のある町だ。この町の一番大きな本屋に行ってもBaseball America は売っていなかった。どんな雑誌だろうと非常に興味を持っていた。
 そしてついに大学の図書館で Baseball America を見つけた。Baseball Weekly と同じ大きさだが、新聞とは違い真ん中を止め金で止めてあり雑誌の形をしていた。手にとって内容を読んでみるが、全く内容がわからない。Baseball Weekly, The Sporting News ならわかるのに、Baseball America はわからないのだ。なんという「オタクな雑誌だ。」とそのとき思ってそれから読むことはしなくなった。そのかわりに"DIEHARD"(月刊の Red Sox Fan Magazine)を定期購読し始めた。当然これは理解できた。この雑誌には Minor League Report があり、Nomar、Sadler、Rose などの話が載っていたが、真剣に読むことなくあまり興味を示さなかった。それは 95, 96 年はあまり若手が育っておらず、それほどレギュラーを Minor から上がって勝ち取ったという選手はなく FA や Trade でとってきた選手ともうすでに Boston で頑張ってきた選手が活躍していたためだった。
 それが 1997 年で変わってしまった。1996 年の 9 月に Nomar が昇格、そのときは彼に対して特別な感情を持つことはなかった。丁度 Naehring がケガしていたのでValを 3B に移して Nomar を SS でいくこと関しても問題はなかった。しかし 1997 年の Spring に事件は起きた。Williams 監督が SS を Nomar でいき、Val が 2B に移されることを決定した。Val は一時 Camp を離れた。とりあえず決定は決定だったのでのまま Season に突入しそこから Nomar の快進撃が始まった。ROY(Rookie of the Year) をとって1997 年は終了した。そのとき初めて Prospects 全体に関する考え方が変わった。どうしてあれだけすごい選手を見過ごして来たのか、またここまでやれる選手の情報を事前に調べておけなかったのかと思い出した。Boston ばかり見ていて Boston 傘下の Minor の選手についてはほとんど知らないことに気がついた。同時にBoston の Prospects だけでなく他の Team の Prospects についてしらなければ GM の行う Trade を評価することなんてできないなと思いはじめた。やっぱり Baseball America か?そう思った時には定期購読の手紙を送っていた。
 AL, NL各地区ごとの Top10 Prospects, Draft Preview, Major の Scouting Report、Minor 経営, Scout の話などありとあらゆる Baseball に関することが出ていた。Issue によってはもちろんあたりはずれはあった。しかし、Baseball Weekly とは比べものにならないぐらいに内容が濃かった。一年購読した今ではBaseball America なしでは生きられないようになっているような気がする(もちろん Baseball Weekly は毎週買って読んでいる。最近 $1.25 に値上がりしちょっとむっとしているが)。
 読者アンケートにはどのように Baseball に関わっているかという項目があり、1)Fan、2)Parent of a player、3)Current Player(Pro)、4)Current Player(College)、5)Current Player(H.S./youth)、6)Coach(Pro)、7)Coach(College/H.S.)、8)Pro/College/H.S. Mgmt、9)Agent、10)Scout がでていた。これで Baseball America の読者層がわかると思う。そして Baseball America を読み初めてわかったことは TV のCommentator がよく Baseball America で特集した内容をネタにしていることだ。よくそんなことをしっているなあと思ったことも実は Baseball America 由来だったりする。1 年 26 Issues で $48.95, はっきり言ってこれは安いと思う。


Jimy Williams' Baseball(2/9/99 Update)

 Boston 伝統の打ち勝つ Baseball は Williams 監督の好きな Baseball ではない。それでは彼はどんな Baseball をするのだろうか?今回は彼の Baseball の特徴(選手起用等)について述べてみる。

 1)Rotation はできるだけ 5 人でまわす。
 Pedro が中4日で投げれても 5 th Starter をとばすことはしない。これは 1997 Season に Gordon が 1st Starter だった頃から変わっていない。できるだけ Starter を休ませる方向にある。1998 Season, Pedro は一度も中 3 日で投げていない。ALDS 4 戦に中 3 日で先発させなかったのはSeason 中から一貫していた監督の方針であった。特に Montreal の Alou 監督から Pedro の起用方法について助言があったため(夏場中 4 日できっちりまわすと疲れがでる。)、中 4 日で 1 ヶ月投げさせるようなことはこれからもしないと思われる。前任 Kevin Kennedy 時代には考えられ無いことだ。とりあえずこのやり方でうまくいっているので問題はない。

 2)Wakefield は必ず Pedro の後で使う。
 Season を通して Pedro-Wake の順番は変えなかった。95-98 mph Fastball の次の日に 68 mph Knuckler を相手にぶつけることで Knuckler を効果的に使うためだった。多分 1999 Season も同じようにするはずだ。Pedro-Wake の間に休みが入るときはWake を中 3 日で先発させることはある。
 Sabes は春先 5 th でまわして回避できるときは回避するだろう。まだ肩が心配だからだ。3 月の Preseason Game が始まればすぐに Williams 監督の Rotation の順番はわかるはずだ。開幕に向けてきっちり Rotation をくんでくるからだ。初めて Pedro が Preseason Game で投げてからその後次に Pedro が投げるときまでの 5 人が 1999 年の Rotation となるはず。Starter 予備軍は 3rd, 4th, 5th が投げた後すぐに続いて登板させ、これもきっちり中4日をまもり、Starter に問題があったときにはすぐに Rotation 入りできるようにするはずだ。これが Williams 監督の 1998 年のやり方だった。

 3)守れない選手は使わない。
 1998 年は Lewis を獲得したりしてDefensive な補強の仕方をして AL 2 位の 92 勝をあげた。Defensive な方向性は Williams 監督の意向だといわれている。Leyritz が Varitek に vs LHP の C の座をとられ、Nomar が Valentin に代わり SS を勝ち取ったのも守備が原因だ。Mo を本当は DH にしてStanley を 1B にしたかったのだが、Mo の大反対によりしょうがなく彼を 1B として守らせれていた(ちょっとこの場合は特別だった)。2 月中旬の Camp でわかることだが、FA でとってきた Offerman の守備はあまり評判が良くないので Super-solid 2B Jeff Frye が完調なら Offerman が 2B を勝ち取ることはないはず。Sadler の方が可能性があるといえる。

 4)新しく来た選手や昇格した選手はとりあえず使ってみる。
 特に投手はどれくらい使えるかを知るためにすぐに試合に出してみる。

 5)Platoon を使う。
 vs LHP, vs RHP では C, CF, RF, DH を変えてくる。vs LHP では C Varitek, CF Buford, RF Lewis, DH Stanley, vs RHP では C Hatterberg, CF Lewis, RF Bragg, DH Jefferson だった。今年は Bragg の代わりに Nixon が入るはずだ。以前は先発が降りて LHP から RHP になった時にはそれに併せてすぐ交代させていたが、1998 Season 5月頃から点差があいているときにはそのまま最後まで交代させない方針に変わった。選手からの要望なのか監督がそうしようと考えたのかは不明。

 6)PR をよく使う。
 8 回、9 回でチャンスの時には PR をよく使ってきた。延長に入った時を考えると Mo とかに PR を送るのはちょっと考えるところだが、「まず追いつくことが先決」の方針でどんどん使ってきた。LHP Avery まで何回も PR で使われた。Buford, Sadler が Bench にいる可能性が大なので 1999 season もよくみられるだろう。

 7)三振が多い一発屋は使われない。
 せっかく Billy Ashley をとってきて昇格させたのにほとんど使うことが無かった。Atlanta 時代にみた LA での彼の印象がわるかったためだろう。Hitting Coach の Jim Rice のおかげでもあるが、Ave. が比較的高い選手が Boston にはたくさんいる。.300 を切っていると打っていない印象がある。

 8)お気に入りの選手はよく使われる。
 もちろん定位置をとっている人は使われるのだがそれ以外の選手でも監督が気に入ればどんどん使ってくる。1998 Season はケガで全く働けなかったが、お気に入りの Jeff Frye はよく使われた。1997 年は 2B, 3B, CF, DH で先発出場した。信頼を得るまでが大変だが、信頼があればどんどん使ってくれる。Setup の Lowe, Corsi, Swindell など毎日のように使われた。それに対して Eck, Wasdin はそれほど重要な場面では使われなかった。1997 の S. Mack など完全に干されていた(CF にしては肩が弱すぎたのが致命的だった。それに加えて親指のケガ。)。

 9)25-man Rostor をみんなしっかり使ってくる。
 使われない選手はほとんどいない。そのため PH で出てきても、カンが鈍っていることはない。Team 全体で戦っているという一体感が出てきて非常にいい。Atlanta 時代の監督B.Cox の影響らしい(B. Cox の采配をしっているわけではないので僕はコメントでできない。) 。

 10)選手の味方。
 人望は厚い。Avery に1997 Season 終盤に来年の Option 契約を行使できるたに必要な数となる最後の先発をさせた。これにより Avery は 1998 Season $3.9 M のOption 契約を行使することになったが、GM は望んでいなかった。監督の裁量で決めたらしい。選手には相当歓迎された。そのためにそれまでは Boston に Trade はいやという条件を含める選手が出たりもしていたが、最近では Boston でやりたいと発言する選手も増えた。

 11)GM と意志の疎通がうまくいっているわけではない。
 Leyritz の SD への Trade, Cho のAA からのいきなりの昇格など Williams 監督が知らないところで GM が勝手に決めているところがみられる。せっかくとってきた Ashley もほとんど使われなかったり、GM の思惑どおり選手を起用しないことがある。あまり仲が良くないという噂を最近聞く。

 これを理解していれば 1999 Season はより深く BoSox Baseball を理解できると思う。これからどうなるかわからないことは C Varitek, RF Nixon が急成長したときにどうするのか、それでも Platoon で使っていくのかどうかである。Jefferson, Stanley, Offermanをどう使ってくるのかにも興味がある。Offerman, Sadler, Frye の 2B 争いも熾烈になるはずだ。
 多分今年の BoSox は Speed, Defense, Pitching に焦点を合わせた戦い方をしてくるはずだ。次の塁を常に狙ってコツコツ当てていき、きっちり守り勝つ Baseball をしてくると思う。Mo が抜けた穴をどれくらい埋めれるかに期待したい。



Heathcliff Slocumb(2/7/99 Update)

 僕は Red Sox が好きだ。だから Sox Player は好きだ。少々成績が悪くても応援してしまう。たとえ球団を去ってからもどうなったかが気になっているし、できるだけ成功してもらいたいといつも思っている。しかし、さすがにRed Sox 相手にいい活躍をされたときはちょっと複雑な気持ちになることはある。しかし基本的には Red Sox Organization に一日でもいた選手には少しでも長く、少しでも活躍して欲しいと思っている。
  matsudy さんて Slocumb がめちゃくちゃ嫌いなんですね。こう言われたときにどきっとした。確かに HP でぼろかす書いているし、そう思われてもしかたがない。実際 Red Sox に興味を持ち始めてもう11年目に突入する今までにはあまり好きではない Sox Player はいたが、嫌いになった人はいなかった。あの人、Heathcliff Slocumb が現れるまでは。

 Heathcliff Slocumb  彼は特別だった。今でも特別だ。たった一人の選手にこんな感情を持つことになろうとは思っても見なかった。彼は打たれる、四球出す。調子の悪いときは Out 一つ取れずにかき回すだけかき回して降板。押さえたときにも満塁にするなど勝ってほっとすることが当たり前。そしてインタビューでは「俺は Runner がいた方が燃えるんだ。」とうそぶく。打たれて降板しても、ブーイングを浴びせられてもいつも変わらずふてぶてしい態度だ。もちろん胸のボタンを上から2つはいつもはずしている。1991 年に見た Jack Clark を思い出させるような態度だった。 DH で 3 三振で観客から Booing を浴びせられても知らぬ顔で風船ガムを膨らませながら堂々と歩いて Bench に引っ込む姿がダブって見えた。どうやったらこんな態度をとれるのだろうか?僕には理解できなかった。
 1997 年の Season はSlocumb が春先調子がでずに幾度となく勝ちゲームを落とした。Clemens がいなくなったことで真の1st Starter がいなくなり、流れを止められずにずるずると下位に低迷した。B. Henry, Lacy などが Closer の仕事を任されかけたが結局うまくいかずに、消去法で Slocumb に再び回ってきた。調子がいいときには何事もなかったように3人で終わらせることができるがこういうことは本当に希だった。彼が出てくるとそれまでとは違った雰囲気になった。空気が違うのだ。TVで見ていてそれがわかる。Heathcliff "Fasten Your Seatbelt" Slocumb。新聞にここまでかかれていた。彼が出るまでの試合と彼が出てきてからの試合では明らかに温度が違う。いきなり沸騰寸前まで加熱する。お化け屋敷に入った瞬間やジェットコースターに乗る前の気分(実際 matsudy はジェットコースター好きなのでわくわくするのだが)になる。恐いことが起こるのではないかという期待をしてしまう。うまく押さえたときは「何だ大したこと無かったな。」、かろうじて押さえたときは、「ちょっと恐かったな。」、全然ダメだったときは「やっぱりめちゃくちゃ恐かった」となる。
 ちょうど 1997 年から HP を初めて試合ごとにコメントを書き始めて今までより真剣に Red Sox を追いはじめたのと Slocumb の不調が重なったとこと、彼のインタビューのコメントが僕の彼に対する感情を悪化させた。特に彼が問題なのは連勝中の時にすごい負け方をしてしまうことだ。Team の勢いが完全に止まってしまう。完全に流れが変わってしまう。時に春先にやられるとものすごく効く。スタートダッシュをかけたい時に彼に勢いを完全に殺されてしまうのだ。彼の調子が良くなる夏場も思い出したように彼は崩壊することがある。そのため Closer という役割がいかに大切なものかということを 1997 年1年間でよく考えさせられた。彼が Trade されて、Tom Gordon が Closer として投げはじめていかに Slocumb 時代が心臓に悪かったかがよくわかった。そして Closer の Setup, Bullpen, Starter に与える影響そしてTeam全体に与える影響が少し見えてきた。少しそれについて書いてみることにする。当たり前かもしれないことだが、これは Slocumb を通じて身にしみて感じ理解したことである。
 Closer に必要なものは 90 mph を越える Fastball と切れのいい Breaking Ball(通常この 2 種類あれば問題ない)、そして毎日でも投げれる Rubber Arm、強心臓、打たれたショックを次の日に持ち越さない精神力だろう。これらがないと Closer はつとまらないと思う。なかなか Closer になれる人はいない。Closer をできる人間は限られているのだ。ただ球が速いだけではだめだし、ただ Breaking Ball がいいだけでもダメだ。Fastball でも Breaking Ball でも欲しいときに三振を取れることが必要になってくる。そして、できれば調子はいつも一定で安定している方がいい。Closer も人間であるから打たれる時もある。しかし、そういうときもあるよと Fan や Player に思わせるぐらい普段はしっかり押さえて欲しい。
 いい Closer がいればどうなるのだろうか。Closer が安定すれば Setup に余計な負担はかからなくなるし、Starter は 6, 7 回までいけば勝てるという安心感が生まれる。自分で完投や完封をしなくては勝てないなどと言う余計な Pressure はなくなるので Starter が楽に投げられるようになる。Batter の方はできるだけ点を取ってかないと後半で何が起こるかわからないという気持ちがなく自分の Batting ができるようになる。勝ち試合をきっちり勝っていくとことで Team の雰囲気もよくなってくる。これが連勝につながり、自信に繋がって勝てるTeam ができてくる。
 それでは Slocumb はどうなのだろうか?90-94 mph の Fastball と切れのいい Splitter を持っている。毎日投げるのは問題ない。もちろん強心臓。次の日にショックを持ち越すような Player ではないように見える。充分 Major で Closer になれる資質は持っている。そして実際 Closer として働いてきた。しかし、彼には問題がある。非常に不安定なのだ。Closer が安定していないとよほど強い Team で無い限り勝てなくなる。去年の Seattle がそれを証明してくれた。Boston が弱かったから1997 年に勝てなかったのではなく Closer がひどかったから勝てなかったのだ。僕の考えは間違っていなかったのだ。

 ここまで読んできたらやっぱり僕が Slocumb のことを大嫌いであると感じるかもしれない。でも本当は違う。憎さ余ってかわいさ 100 倍って感じだ。あの「ふてぶてしさ」は最高だ。Joker を引いたみたいに強い Team が沈んでいくところなどそうはみれるものではない。対岸の火事だからいいのかもしれない。Boston で再び投げることはないから Slocumb に感情的にならないのかもしれない。でも Slocumb, あなたがいたから僕の Red Sox に関する思いは深くなった。Closer が Team に与える影響も身にしみてわかった(多分 GM も)。 そしてBaseball Player たった一人にこんなにも感情的になることがあるのだということも教えてくれた。そして去年僕が生まれて初めてFan Letter (激励の手紙を Slocumb に書いた)を書くまでにしてくれた。とても感謝している。もし、今年 Baltimore を失速させる原動力になるならもっと感謝するだろう。でもそこそこの成績はあげて欲しい。なぜなら彼がいない Major は僕にとって楽しくないものだから。
 夢を見たことがある。Pedro が 8 回まで投げて1-0 で勝っていた。そして僕が 9回にCloserとして Fenway の Mound に上がったのだ。全く Strike が入らず瞬く間にWalk を連発して満塁、そこで Ken Griffey Jr. を迎えるという状況になった。頭の中は「ここで、打たれたりしたら Pedro の 8 回までの苦労はすべて無駄になってしまう。どうしよう。」という考えがぐるぐる回っていた。でもなげなきゃいけないというところで目が覚めた。はっきり言って気持ち悪かった。ほんのちょっとだけだけど Closer の気持ちがわかったような気がした。それと同時に打たれた後、ふてぶてしい態度で何事もなかったように歩いている Slocumb の姿を思い浮かべて思った。「Slocumb、あんたすげぇ」



Ted Williams と matsudy(1/27/99 Update)

 とうとう買ってしまった。久しぶりの大きな買い物だった。ものすごく満足している。片手に乗るぐらいの小さな白いもので、赤い縫い目が入っている。ふつうの Sports Shop なら $9 で買えるものだ。しかし今回買ったものは青のボールペンで何やら表面に書いてあった。それだけでものすごく付加価値がついている。ここまで書くともうおわかりだろうが、最近 Autographed Ball(日本語で言うサインボールを) 通販で買ったのだ。
 その選手とは Living Legend の Ted Williams だ。Red Sox の選手と言うより MLB を代表する選手で、生きている選手の中で NYY の Joe DiMaggio と Ted Williams は別格だと思う。だからこそ DiMaggio の容態を毎日TVを通して報告して、みんなが注目している(いた)のだ。また、Ted は引退した Red Sox の選手としては一番人気だろう(Babe は除く)。Red Sox を代表する選手はといえば一番にあがるのは彼 Ted Williams だと思う。
 なぜ Ted の Autographed Ball を買うことになったかについてちょっと説明したい。僕の友達の間で誕生日プレゼントとしてお金を出しあってなにかを買うようにしていて、ちょうど僕の誕生日が近づいてきていた。今年はどうしようと思った時に「なにか特別に欲しいものはないか?」と聞かれた。基本的に最近、物欲はそれほど無い。というか、欲しいものならプレゼントで買わずに自分で買っている。そこでちょっと今回は悩んでいた。
 なんとなく Baseball Weekly を見ていたときに広告が目に入った。Ted Williams Autographed Ball $125。これならちょっと高いが自分でお金を足すことで買えるのではないかという考えが頭に浮かんだ。Ted Williams Autographed Ball !。最後の.400 打者の Autographed Ball が僕の手に。一気にわくわくしだした。現役選手とは違って Ted の Autograph を直接もらうチャンスなどもうないだろう。Ted も 80 代。この先いくら生きていられるかもわからない。生きているときに買わないと死んでからでは値段が一気に上がってしまう。よし今「買い」だ。心の中で決まった。
 とりあえず Internet、Baseball Weekly の広告に乗っている店に問い合わせてみた。通販で下は $125 から上は $400 と店によって価格はバラバラだった。Beckett Collectibles で市場価格を調べてみると $200 だった。NYY の Joe Dimaggio と Ted の Autographed Ball は Fake が市場に出回っていて、購入時には注意しなければいけないという記事を今まであちらこちらで見たことがある。高ければ本物だという保証は全くない。$400 払って偽物ということも充分考えられる。逆に $125 で本物を買える可能性もある。どうせ 100% 本物という保証がないのなら一番安いのを買えばいいのではないかと一瞬思った。しかし、やっぱり本物が欲しい。偽物は偽物だ。どこの通販でも店の鑑定書(証明書)がついてくると書いてある。店の鑑定書(証明書)って信用できるのだろうか?店主が本物だと判断したらその店の鑑定書(証明書)を送ってくるだけかもしれない。 Fake が市場に多数出回っている状態ではただの紙切れと考えられなくもない。どうしたら一番いいのだろうか?そうしたときに Ted Williams の HP を見つけた。Autographed Ball も売っていた。ここなら間違いなく本物だ(ここでだまされたらしょうがないと思う)。値段は$300 だ。
 $300? 市場価格より $100 も高い。Ball一個に $300 も払うのか?それから一週間どうしようか悩むことになった。それだけ払う価値が実際あるのか?やっはり一番安い$125 でもいいのではないかという考えが再び頭に浮かんだ。しかし、最終的に決意することになったのは友人の一言だった。「そこから買うと本物かどうか疑う必要はないのでしょう。」やっぱり買うなら本物だ。高くても本物を買おう。そう心に決めたときには Bookmark から Ted Williams の HP へアクセスしていた。
 Net 上で注文する。なんと Security が完全ではなかった。大丈夫だとは思うが少し心配だった。しかし HP で直接申し込むと割引があるのだ。目先の 5% OFF($15) に目がくらみ、そのままいくことにした。計 $292.5($300-$15+$7.5shipping) だった。とにかく注文は終わった。なにか肩の荷が下りたような気がした。それからは毎日にきているかどうかをチェックする日が続いた。
 そしてついにそれはやってきた。大きな段ボール箱だった。たった一個の Ball に30cm x 30cm x 30cm の箱で?と少し驚いた。箱を開けてみると発砲スチロールの小さな固まりばかりで物体はまったく見えなかった。どこにあるのだろうと思いつつ掘っていくと指先になにかが当たった。これか?しっかりつかんで持ち上げてみる。ずしりと重い。厚紙でできた箱がでてきた。そっと中身を取り出してみる。それは少し厚めの四角いプラスチックの容器にはいった白い Ball だった。よく見ると Sweet Spot に Ted Williams と書いてある。幾度となく雑誌の写真でみたのと同じ筆跡だった。この時点で $300 近く払ったことなどとっくに忘れて自分の世界に入ってしまっている。最後の .400 打者の Autographed ball が僕の手の中にある。しかも本物。そう思うだけで幸せになってしまっていた。Ball には Serial Number シールがはってあり、その番号は証明書の番号と一致している。005149 番が僕の番号だ。結構買っている人がいるのだなあと感心しつつ、いろんな角度から眺める。たった Ball 一個でここまでうれしくなるのかと感動してしまった。
 1991 年に Boston に行ったとき Ted の.406 からちょうど 50 年後で、夕方の News の 最後に 50 年前の今日の Ted Williams というコーナーで、Ted の結果を毎日放送していた。毎日 2 for 3 だの 2 for 4 ばっかりで Ted のすごさを感じたことを思いだした。同時にあのきれいな Swing。この Ball を見る度に浮かんでくる。

 また一つ宝物が増えた。