次から次へと問題が起こってくるのだ。息つく間もなく。
この瞬間にもそこかしこでほら、全くとりとめのない、いつまでも続く混沌。
表面は進歩であり、発達であり、前進であっても、実際は全くの混沌でしかないのだ。
それに皆気づいていないわけではあるまい。
ただ、いまさらどうにもならないことなのだ。
先がどうなっているのか、誰も知らない流れに乗って、
いまさらそこから出るわけにもゆかず、皆流れに身をゆだねているのだろうか。
これは洪水かもしれない。
全てを覆い尽し、呑み込み、猥雑に濁り、ついには悠々と流れゆく洪水。
けれども、どんなに大きく、強く、堂々たる流れであっても、それが洪水なら、いつかは果てる。
そして、その忌まわしい触手も、やがて一粒の水滴となって大地に吸い込まれ、
薙ぎ倒された草花を潤わせるだろう。
そして、どんなに小さなせせらぎでも、
はるかな山脈から湧き出て大海へと注ぐ、そのほんの一部でも、
それが川であるなら、
姿を変えることはあっても、その流れはとめどなく続くだろう。
1994