異形のタレント達1
実際、私がこの業界にかかわっていたのは、足掛け7〜8年位のことです。

当時有名だったのは浅草駒大夫サンだとか、で後は名前忘れちゃいましたけど、大島渚の愛のコリーダに主演していた女優サンなんかがショーでまわってた頃でしたね。
 駒大夫サンのおいらんショーはいかにもストリップっていう感じで面白かったけど、女優さんのやってたのは全然面白く在りませんでした。
 ギャラは駒大夫サンの5倍位と、当時としても異様に高額な荷物でなんでこんなウンコみたいなショー(というよりエロエロ学芸会とでもいうか?内容は彼女を含めて4〜5人編成の全然笑えないピンクコントみたいな内容ですっげぇしょうもなかったっす。
 それでも脚本はテレビや映画で活躍している有名なヒトってことになってた)に大金はらって客集めにゃぁならんの?っていうもんでした。
 まぁ、これが当時のストリップが直面していた避けがたい状況ってやつだったんです。
 関西からはじまった本番マナ板ショーはタチどころに日本中の劇場に広がりました。
 確かにそれのおかげで、徐々に他のセックス産業に奪われつつあったお客達が戻ッては来たんですがその分警察の取り締まりが厳しくなり、業界はまたにっちもさっちもいかなくなっていました。
 それもアって、警察に捕まらないで済む安全なショーでしかもそれで、客を呼べれば・・と業界が知恵を絞った結果のひとつがこのウンコみたいなエロエロ学芸会だったんです。
 多分、きたお客の大半はアノ日本初の本番女優(今となってはタタミイワシぐらいごろごろいますけど)ということになった女の生殖器がナマでみれるんじゃないかと思っていつもの2〜3倍位の入場料払ったんでしょうけど勿論そんなものは見せて貰えません。
 絡みのときだって、しっかりパンツ穿いてんですから・・。
 まぁ詐欺にでも合ったとおもって諦めてもらうしかない様なウンコショーでしたよね。
 でも、此れに限らず別に有名だからといってそれが面白いと言うことがあまりないのがこの業界の通例になっている様なところがあります。
 実際のところもともと訳ありでこの業界には入ったヒトが大半なわけですから、いかに面白いショーをやっていたとしてもまず、記録としてのこされることは在りません。
 駒大夫サンのようにマスコミに名前がだせるのはかなり特殊な例と考えたほうが良いでしょう。
(ダンナがストリップ界唯一の業界専属ライターで頑張ってる人でしたから)

私自身この業界にタレントや、演出、ショー構成として係っていたわけですが業界をさって20年近くが経過した今となってはじめて文章化できるような性質のものだからです。

流石にこの当時の仲間でまだ、ステージにたっている人間はいないだろうし、たとえ舞台で殺人事件を犯していようとも20年という月日はそれすら時効にしているはずです。

タレントはまず、日舞(日本舞踊)洋舞(それ以外のものでアングラでないもの)とアングラにおおまかにわけることができます。
 基本的にはショーとして踊りを見せるわけですが、技術的には天と地、月とスッポン、アカマムシドリンクとバイアグラ、すかいらーくと、うかい邸位の開きが当たり前に存在しています。
 タダ、この業界技術だけで成り立っているわけではないんで、その辺は踊りがヘタなら話術、話術がダメならハラ芸(ホントにそれやってる踊り子がいたんだって。)と、兎に角お客がなっとくして、喜んで貰えさえすれば劇場だって、たかが踊れないくらい大目にみてくれるものです。
 ですから、今回から書いていくシリーズはあくまでも、私の印象に焼き付いているものということで別にオススメであるとか歴史に名を刻んだとか、そう言った大げさなものではないんで余り深読みはしないで下さい。
 名前とかもちょっと出せないかもと判断したときには偽名を使いますし、踊り子によってはしょっちゅう名前をかえていたりするヒトもいますんで余り正確とはいえません。

(警察対策・・多分効果無いけど・・と劇場対策・・一度ドジをかました劇場にまた乗らなくちゃいけないときに名前をかえて他人のフリをしてシラをきる・・此れは結構通用します)
もし、もう少し正確な情報が欲しいという方はメールをだしてください。
改めて、個人的にお答えします。

ポパイ&オリーブ
(ジャンル-アングラ系洋舞シロクロショー)

シロクロショーでアダジオ(男女ペアで組んでやるアクロバティックなダンス。一時期大駱駝館の諸派がストリップ業界を資金稼ぎの場としたことがあって大体がこのアダジオで組まれたものでした。ただ、資金稼ぎとしてしかこの業界に係ろうとしなかった彼らのアダジオは余り面白いものでは在りませんでした)をやらせれば右にでるものはいませんでした。
 大柄の2人がくりだす、その辺の日本人ダンサーとは一味違ったスピード感のあるステージはそのショー構成の巧みさも相まって他のシロクロショーとは完全に一線を画していました。

確か、ポパイのほうが元、アスベスト館(土方巽主催の舞踏集団)出身だッたと聞いたことがあるように思います。
最初ある大物ストリッパーに熱をあげてしまったポパイが彼女を追いかけて劇場に出入りするようになり、タレントになればいつも彼女と一緒にいることが出来ると安易に考えてしまったんですね。

それで、彼女の所属する事務所でテストを受けることになったわけです。
テストの内容は取り敢えず15分間開演中の舞台に立ってなにかをやってみせるということでした。
多分、事務所の関係者はコントか何かを期待したんだと思います。
 でも、ポパイは一味違った♂でした。
 彼は持参のテープにあわせて裸になりオナニーショーに及んだそうです。
スターリン、みちろうにさきがけること25年というあまりの先進性にさしもの劇場とかの大物ストリッパーも呆れ、暫くしてポパイは念願の彼女と一緒にショーをまわるようになっていました。

 でも、まぁいろいろあって、彼女と別れ今の彼女とポパイ&オリーブのコンビを作ったのです。日常でもとても仲の良いカップルでしたが、果たして今はどうしているんでしょうか?

花と竜

(ジャンル-アングラ系日舞残酷ショー)

残念ながら、私もハナシでしか知りません。
ただ名前を語るニセモノにはなんどかあったことがありますが・・・。
ホンモノは70年代のはじめからストリップに出演していたらしく、もし、未だ現役なら60歳は越える計算になります。
残酷ショーの流れをくんだ本番シロクロショーで、絡みも残酷ショーなのにそんなものがあるのは不自然だということで、布団やマットの類いは一切使わなかったそうです。
そのため竜のヒジやひざはステージの床で擦り切れボロボロであったとも・・。竜は身長160cm位の小柄で痩せた髪の長い人というくらいで詳しいことは何も解っていません。
兎に角ショーが始まるやいなや、挿入しそのまま、目まぐるしく体位をかえ、立位在り、座位ありのそれはアクロバティックなものだったようです。
そして理由はわかりませんが、登場と退場は必ずバク転なんだそうです。
もし、御存知の方がいらっしゃれば情報をください。
よろしくお願いします。

 

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