静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」概要 |
1.外観 |
東からのながめ。3D写真に撮ってみました。WEB上ではちょっと無理があるかな? 立体的に見えますか? 写真手前部分が高さ30Mの「低層棟」(30Mも高さがあって低層棟だと!?…まあ、まあ、相対的な話であって…)、直方体部分(会議場棟)を含めた向こうが高さ60Mの「高層棟」です。当初は60Mよりももっと高いものが構想されていたそうですが、結果的にこの高さに抑えられたのは、このラインを超えると超高層扱いになって設計コストが上がるからでしょうね。 低層棟はSRC造、高層棟はS造で、構造設計はそれぞれを木村俊彦構造設計事務所と佐々木睦朗構造計画研究所が分担して行ったそうです。低層棟と高層棟はEXP-Jで分離されていますが、基礎構造は一体とのこと。 |
こちらが西側=高層棟の、東静岡駅からのながめです。主動線はこの駅からのアクセスになります。この巨大なファサードの前は広場になっていて、西欧のカテドラルとその前の広場という関係性を再現しています。広場に面して中央には高さ18Mにおよぶ大扉があり、それを開放して広場との一体利用を行う使い方も考えられています。 ここに見えている高層棟の大ホール部分では、アーチ型をしたトラスフレームに対して、「庇」部分をバットレス的に利用し、さらにその面内剛性も高めて水平力に抵抗しているそうです。 |
南側の大庇です。特に先端部分は、アルミハニカムをサンドイッチした構成で52mmという薄さに仕上げ、するどい印象をあたえます。 この建物には「磯崎さん的な部分」と「磯崎さん的でない部分」が同居していますが、この端部の処理などは「磯崎さん的でない部分」のひとつといえるでしょう。
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2.大ホール |
内部に入りまして、高層棟の大ホールです。会議場棟側を見かえした写真です。会議場棟とは防振支持された二重ガラスで音響的に分離されています。 マジンガーZよりも随分大きい空間に、
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あられちゃんもびっくり、です。 アニメの草創期から現在までの様々な作品を展示する「アニメーション・ワークス」というオープニング・イベントが行われていました。 |
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西側の見上げです。妻壁やトップライトから入った光が、構造体を覆うアルミメッシュを照らしています。このように、大ホールやホワイエでは積極的に鉄骨を露出しています。FR鋼やCFTを使用することで耐火被覆を避け、非常にスリムなプロポーションのトラスを見せています。この分岐するトラス構造は、サグラダ・ファミリアの内陣の構造から着想したそうです。確かに、写真を見ると、そっくりです。 | ||||||||||||||||
妻壁側にあるコーンの見上げです。巨大なコーンがふたつあり、上のそれは固定、下のそれはレールに沿って可動です。それぞれ重さが100tおよび50tあるそうで、地震時にはこれらを含めた総合応答も計算しているとのこと。…どうやって計算しているのかは想像がつきませんが…。 | ||||||||||||||||
3.会議場棟 |
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エントランスホールとは別に、3階に会議室用の共通ロビーが用意されています。この上部にある交流サロンが、メガストラクチャーからの吊り構造になっているので、このフロアに大空間が可能になっています。 10階の会議室通路です。 |
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4.中ホール、小ホール(静岡芸術劇場) |
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これ以下の写真が低層棟内になります。バイロイトの祝祭劇場を参照したという中ホールでは、「ゴーゴーファイブ」ショーが行われていました。 こちらは芸術劇場のホワイエ見上げです。芸術劇場はシェークスピアのグローブ座を参照したとのことです。芸術劇場は他と別の運営団体が母体で、見学時にはまだオープンしていませんでした。現在は柿落し公演となるシアター・オリンピックスが開催されているそうです。 |
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99/04/24に神戸にて行われた佐々木睦朗氏の講演会での話をベースに加筆しました。(99/04/27) |
99/04/30 From: Noriko Wakasugi ...Thank You!
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最終更新日04/09/10