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「開花ラーメン」

大阪・阿波座  中華料理


阿波座…地下鉄1番出口、あみだ池筋を北へ5分。

確かに店構えは街角の典型的なラーメン屋であり、我々がそこを目指す際にも『開花ラーメン』の大きな文字が記された黄色い庇を目標とするには違いない。しかし我々は敢えてここをラーメン屋と呼ぶことは控えておこうと思う。このリポート・シリーズを行うにあたっての我々の趣旨は、チープで安易な「B級グルメ」に堕すことではなく、ドゥルーズがそのカフカ論において定義したような意味での「マイナー」mineurとしての食文化、必ずしもマジョリティによって認知され広まることをせず、または避け、しかしながら堅牢なその特定の社会・歴史の中で継起的事象として受け継がれてきた食文化の一端を、我々の視座に止揚Aufhebenする試みに、他ならなかったはずである。

というわけでたどり着いた『開花ラーメン』のメニューには、その表(?)に、ラーメン・丼物のメニュー、裏(?)に、中華一品料理の類が記されており、単価でいくとラーメン550-900円、丼物600-750円、一品料理600-1,500円と、きわめて手軽な価格帯が設定されていることをまず紹介しておくべきだろう。
ここの一品料理は何でも美味しいという紹介者(占いのアルバイトをしていたという、幾許のミステリアスな雰囲気を持った綺麗な女性である)の言葉を信頼して、取り敢えず我々は八宝菜を注文してみることにする。味付けのプレーンな八宝菜においては、その店の味が最もよく判るだろうと考えてのことである。

率直に言って、料理そのものの味に《感動》するということは、当然ながら滅多に起こることではない。しかしこの店の八宝菜に関しては、私はそれを感じてしまった。感動した。
野菜類の絶妙の炒まり具合。白菜の各一片に含みこまれた、外側のまろやかさと、内側に残されたしゃきしゃき感。これほど素晴らしいタイミングで調理を行われた野菜類を私は知らない。その他人参、生椎茸、帆立貝等、各自主張はしないが豊かな食材。中華の味付けに醤油が効き過ぎているものは私自身好みではないのだが、ここの味付けは醤油も用いつつもそれがさらりと効いており、全くその嫌味がない。スープそのものの美味しさは説明不可能であるが、言うまでもない。それに実に適度のとろみが付く。

店内の表示、あるいはメニューの表示に次のようにある。
「化学調味料無添加、赤穂産天然塩使用、小豆島産天然醤油使用。本場中国山東省蓬莱縣のさっぱり味」。
最も驚いたのは、「化学調味料無添加」の部分である。そもそもが中華料理は中国語で言うところの「味精」(旨そうな名前である)、要するにグルタミン酸ソーダを、ごく気楽に使う料理だったはずである。それゆえに、それによる警告症状的アレルギー反応としての鼻づまり、一過性の紅潮、冷汗、心悸亢進、律動性頭痛等が「中国料理症候群」と呼ばれもしたはずである。それが本当に使われていないとしたら、これはかなり珍しいことなのではないか?。それでいてこの旨味をどうやって出しているのか?。大きな謎である。

店長の王有福氏以下スタッフも中国系であるらしく、厨房内は中国語でやりとりがなされる。そのためか、壁にある能書きの類が若干アヤシイのもまた一興。
炒蝦仁 1,500 エビの最高級品を使って王先生の調理法と加えて神様も文句を言わないと思います。ゼヒおすすめしたいです。
炸鶏翅 1,300 とりの最高とは手羽元であが(ママ)、手羽元はよく運動しているところです。中国風のリース(ママ)をつけて一口食べると、思わず追加注文したくな〜る?
このアヤシサ加減が次回行ったときの注文の楽しみになろうというもの。

素晴らしい店です。

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最終更新日04/09/10