Sara Paretsky "The Takamoku Joseki"
"The Takamoku Joseki"はサラ・パレッキーの短編集"Windy City Blues"の
一編です。
この本は、私の英語の先生から、英語のヒヤリング能力を向上させるのなら、
オーディオブック(俳優の朗読をカセットに録音したもの)を聞いてみなさい
ということで買ってきたものです。先生からは特に本の指定はなかったので、
どうせ聞くなら自分の好きな作家のものを聞こうと思い、この本を選びました。
(主人公はV.I.Warshawskiという女性の私立探偵で、推理小説の世界では絶大
な人気を誇っています。私も昔からファンです。)
"The Takamoku Joseki"は、主人公のV.I.と同じアパートに住むタカモクとい
う日本人夫婦を中心とした話しで、アメリカ人の持つ日本人像が素直に現れて
いてなかなか面白いです。またこの短編全体を通して日本人の英会話能力につ
いて色々と批判しています。例えば彼らがもう30年以上も日本に住んでいな
がら、いまだに"halting English"(たどたどしい英語)しか喋れないとか、
会話が非論理的であるとか日本人にありがちな弱点を指摘しています。
一方、カセットテープの方でも、タカモク夫妻のセリフの部分は、アメリカ人
がイメージしている日本人の英語の発音で吹き込まれています。日本人の私か
ら見れば明らかに日本人の発音(日本語の発音がベースになった発音)とは異
なる奇妙な発音です。しかし、以前TVのコメディ番組でやっていた、日本語
クイズ番組のパロディでも出演者が同じような発音で喋っていましたので、こ
の発音はアメリカ人の共通認識なのかも知れません。
一つこの短編中で「アレ?」と思ってしまったことがあります。それは二人の
子供の名前です。「彼らにはアキラという息子と、ヨシオという娘がいます」
という文章には驚きました。(日本人なら明らかに間違いだと判りますが)
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