日本が大変!


仕事中に同僚がいきなり私のオフィスに飛び込んで来て、「サミー、日本が大変な事になってる!」と叫びました。「何が起こったの?」と聞くと、「原子力発電所で放射能が漏れて、何千人もの人が被害にあっているらしい」と彼は答えました。それは大事件かもしれないと、インターネットにアクセスし、日本のニュースを調べてみたら、3人の従業員が入院したという記事が見つかりました。「これのこと? 確かに日本では最悪の事故だと言ってるけど、死者は出てしないし、そんなに大きな事故ではないようだけど・・・」と言うと、その同僚は「そんな馬鹿な・・・」とか言いながら去っていきました。その後も他の同僚がやって来て、日本で発生した大事件を報告してくれました。

なんで彼らがあんなに大騒ぎしたのかは、自分のアパートに帰ってTVのニュースを見て判りました。今回の事件に関しては日本よりもアメリカの方が重大視しているようです。CNNではトップニュースとして扱われ、今回の事項は1200万人が住む日本最大の都市(つまり東京のこと)の近くで発生したと報道していましたし、クリントン大統領も今回の事故に対しては協力を惜しまないという声明を発表していました。

日本は唯一の被爆国として昔から反核運動を行って来ましたが、確率からいったら日本に核兵器が落とされるよりも、原子力発電所で事故が起こる可能性の方が高いと思います。昔から原発のトップの連中は「絶対に事故は起こらない」と口癖のように言っていましたが、この世の中に絶対なんてものはありえません。あれだけ天才科学者を集めたNASAでさえ、スペースシャトルの打ち上げに100%成功している訳ではありませんし、優秀なプログラマーを大勢集めたマイクロソフトの製品にだってバグは一杯含まれています。「絶対に事故は起こらない」と言い張る態度が、自然とスキを作ってしまうのだと思います。今回の事故は「通常では考えられない事故」と言う人もいるかも知れません。しかし、「通常では考えられない事故」を想定していなかったとしたら、十分な危機管理なんて出来るはずがありません。大事故は往々にして偶然の積み重ねで発生するものだからです。


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