空いているテーブルに座ろうと、他のテーブルの間を縫って歩いていると、床一面に紙ナプキンが散乱しているのがいやでも目に付きました。正直言って、なんて汚い店なんだろうと思いましたが、席に付いてしばらくするとその理由が判りました。なんとこのお店では、お客達がテーブルの上に載っている紙ナプキンを丸めて投げ合っていました。それも同じテーブルに座った知り合い同士ではなく、他のテーブルに座っている見知らぬ客同士で紙ナプキンを投げ合っているのです。それはまさにお店全体で雪合戦をやっているような感じで、私達が座っているテーブルにも四方八方から紙ナプキンのボールが飛んできました。食事をしている人のお皿やお酒の入ったコップにもボールが飛んでくるので、油断できません。なかにはコップに入って濡れたボールを投げ返す人もいました。
映画やTVでもこんな光景は見たことがなかったので、最初は戸惑いましたが、みんなが本当に楽しそうに紙ナプキンのボールを投げ合っているので、私も調子に乗ってボールを投げまくってしまいました。アメリカでは大人達が子供のようにはしゃぎ回る事がよくありますが、このボールの投げ合いもその一つで、私はこのお店がとても気に入りました。