レンタルビデオ店の変なおじさん


雪が降って外に出られなくなった場合に備えて、映画のビデオを借りにレンタルビデオ店に行きました。(雪のせいで停電になったら何の役にも立ちませんが・・・)

そのお店のヨーロッパ映画のラインナップをチェックしておこうと思い、外国映画のコーナーでビデオのパッケージを見ていたら、そばにいたおじさんの客が「外国映画のファン?」と私に聞きました。外国人の私が外国映画のコーナーにいるのに「外国映画のファン?」と聞くなんて、何となく間の抜けた質問だなと思いつつ、「はい」と答えました。「でも外国映画って字幕だから観づらいよね」というので、「慣れればそれほどでも」と答えました。(本当は普通のアメリカ映画の英語を耳で聞き取るよりは、英語の字幕を読む方が楽なのですが・・・。:p)

  「それじゃ、ここにある外国映画のうち、どれが一番お勧め?」というので、私は迷わずそばにあった「Mississippi Mermeid(ミシシッピー・マーメイド)」(直訳すると「ミシシッピーの人魚」)というフランス映画のビデオ・パッケージを取りあげました。「ミシシッピー・マーメイド」というのは変わったタイトルですが、これが何を隠そう私が大好きな「暗くなるまでこの恋を」という映画なのです。(この映画の素晴らしさについては後日書きます) ところが驚いたことに、映画のパッケージを見せても、このおじさんは主演の俳優を知らなかったのです。この時点で私はこのおじさんを「もぐりの外国映画ファン」だと断定しました。(少しキレかかったサミー) というのも、「ミシシッピー・マーメイド」の主演は、ジャン=ポール・ベルモンドとカトリーヌ・ドヌーブという、この2人なくしてはフランス映画の歴史は語れないという大スターだからです。

私のお薦めの映画にピンと来なかったおじさんは、「Have a nice evening」とか言いながら、他のジャンルのコーナーに去って行きました。これでゆっくり外国映画のラインナップをチェック出来ると思ったら、このおじさんは何を考えたのか、ビデオのパッケージを一つ持って再び現れました。「これが私のお薦め」と言いながら私の目の前に出したのは、「The Mission(ザ・ミッション)」(邦題は判りません。もしかして「ザ・ミッション」?^^)というロバート・デ・ニーロの映画でした。私はその映画を今までに観たことが無くて、しかもあまり好きになりそうな映画ではなかったのですが、「良さそうな映画ですね」と答えました。ところが、そのおじさんは私がその映画に関心が無いのを察知したのか、再びその場を去りました。

もうそのおじさんとは会うことは無いだろうと思ったら、おじさんは性懲りも無しに他のビデオのパッケージを一つ持って再び現れました。その映画が驚いた事に「ナイン・ハーフ」でした。しかもアンジー・エバハートが出ている新しい方ではなくで、古い「ナイン・ハーフ」でした。「この映画なんてどう?」とおじさんが聞くので、「アハ?」と答えました。私はミッキー・ロークのファンではないので、「ナイン・ハーフ」は好きな映画ではありません。(もっとも、ミッキー・ロークの好きな男がこの世にいるのでしょうか?^^) この古い方の「ナイン・ハーフ」はキム・ベイシンガーが出演していますが、キム・ベイシンガーの映画を観るんだったら最近の映画の方が圧倒的にいいので、何で私が「ナイン・ハーフ」を観なきゃいけないんだというのが率直な感想でした。この映画も私が気にいらなかったのを察知したのか、おじさんはその場を立ち去り、その後はもう戻って来ませんでした。


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