ジャッキー・チェン
先週末に封切られたジャッキー・チェンの主演映画「Rush Hour」が、現在全米興行収入の1位になっています。大作映画の谷間を突いた公開とはいえ、やはり凄いと思います。
さらに驚いたのは、その興行収入です。ジャッキー・チェンの主演映画としては、前作の「Mr. Nice Guy」がトータルで約1200万ドルの興行収入だったにも関わらず、「Rush Hour」は何と最初の3日間で3300万ドルも稼ぎました。あの「Titanic」ですら、公開直後3日間では2864万ドルでした。ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン、サミュエル・ジャクソン主演の「Sphere」に至っては、トータルで3698万ドルですので、その大健闘振りがいかに凄いかが判ります。(この2本の映画の制作費が「Rush Hour」とは比較にならないことは言うまでもありません)
通常、初日から3日間の興行収入の3〜5倍が最終的な興行収入となる傾向にありますので、もしかしたら夢の10000万(100ミリオン)ドル映画になるかもしれません。(アメリカの映画史上、これまで165本の映画が100ミリオンドルを突破しました)
去年の最低記録は「Mortal Kombat: Annihilation」の2.14倍(納得出来ます)で、これを単純に3300万ドルに掛けると、最終興行収入は7161万ドルになり、それでも「Rush Hour」は去年の話題作の一つ「Dante's Peak」(6716万ドル)を越えることになります。(ちなみに「The Jackal」は5491万ドルでした)
ジャッキー・チェンやチョウ・ユンファの主演映画は、公開に合わせてTVで大量のCMを流すので、それなりの注目は集めますが、今回の「Rush Hour」はそれに加えて、各種インタビュー番組にも出演し、「ジャッキーは本当に凄いヤツだ」と映画関係者がさんざん宣伝しましたので、それが効いたのだと思います。公開直後の大入りは、映画の出来そのものではなく、映画の宣伝がいかにウケたが直接影響しますので。ただし、ジャッキー・チェンのアクションは本当に素晴らしいので、今回の映画を期に大勢の人がそのアクションを観れば、過去の映画も再評価されるかもしれません。(アメリカでは、「本物」は必ずウケるというのが私の持論でもあります)
日本映画は世界各地で色々な賞を受賞しているように、海外での芸術的評価は高いと思います。映画には常に芸術的側面と、娯楽としての側面が存在し、それが映画の世界を豊かにし、映画を観る楽しみを増しているといえます。また、心に残る映画が娯楽映画でない場合も多々あります。
しかしその一方で、自分の作った映画を大勢の人に観てもらうというのも多くの映画人の夢だと思います。その意味で、今年で44歳になったジャッキー・チェンが、あくまでもアクション映画で大成功を収めようとしている事は、非常に素晴らしいことだと思います。
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