マラソンのTV中継


アメリカではマラソンというのは「参加する」スポーツで、「観る」スポーツとしては人気が無いせいか、アメリカに来て以来TVでマラソンの中継を見たことがありませんでした。ところが、今日アメリカン・フットボールの試合を見ようとTVのチャンネルを切り替えていたら、マラソンみたいな番組をやっていたので、「何コレ?」と思ったら、オリンピックの女子マラソンの中継でした。:O

いくら日頃マラソンをTV中継しないアメリカでも、やっぱりオリンピックとなると中継するのかなと思いました。ところが、TVの画面を見て驚きました。画面には走っている選手達が映っているだけで、スタートしてからの経過時間や走行距離が表示されていませんでした。途中から見始めた私は、アナウンサーが「今17マイル地点を通過しました」と言うまで、レースがどのくらい進んでいるのか判りませんでした。おまけにマラソンの中継の間に他の競技の模様も放送していたので、マラソンの中継に切り替わった時にはいきなり先頭グループの人数が減っていたりして、レースがどのように進行したのかよく判りませんでした。

せっかく高橋選手が金メダルを取ったので、インタビューがあるのかなと思ったら、何人かの選手がゴールした後、いきなり女子サッカーの「アメリカ対ブラジル」の試合に切り替わりました。:O アメリカでは男子よりも女子のサッカーの方が人気があるので、この試合もその後2時間以上放送していました。男子のサッカーなんて、先日の「アメリカ対日本」の試合ですら最後のPK戦のそれも後半部分しか放送しなかったのですが・・・。

これに限らず、アメリカのオリンピックの中継はアメリカ国民の嗜好をそのまま反映しているように思います。まあ、別にアメリカに限らず、どこの国でもその国の国民に人気のある競技を中心にTVで放映するのでしょうが。(今回、柔道に関する放送は一度もTVで見ませんでした。) 基本的にアメリカのオリンピック中継はアメリカの選手が活躍する競技が中心ですが、中には例外もあって、たとえ外国の選手でもアメリカで人気がある選手は特別扱いしています。今日の夜のオリンピックの放送なんて、「この後ホルキナ選手(ロシアの体操選手)の金メダルの模様を放送しますのでお楽しみに」って何度もアナウンスしていました。ところが、なかなかホルキナ選手の試合の模様は中継されず、他の競技を延々と放送していました。アメリカでは冬のオリンピックではフィギュア・スケートがとても人気があるので、夏のオリンピックでは体操が人気があるのかも知れません。それにしてもホルキナ選手でずっと引っ張るアメリカのTV局もなかなかです。あのとても我がままで性格が悪そうなホルキナ選手がなぜアメリカで人気があるのか不明ですが、私もホルキナ選手のファンなので、TV局の作戦にまんまと引っかかり、他の競技をずっと見ることになってしまいました。まあ、「我がままで性格が悪い」というのはアメリカではごく一般的と言えないこともないですが・・・。:P 金メダルを取った後には、なんと彼女のロシア語のコメントをそのまま放送していました。しかも通訳や翻訳無しで。:O 女子マラソンの扱いとなんか大きく違うような気がします。ロシア語のコメントをそのまま放送するんだったら、たとえ日本の選手が英語を話せなくても、日本語のコメントをそのまま放送出来たと思います。アメリカとオーストラリアでは時差が14時間あるので、今回のオリンピックの放送は録画中継です。女子サッカーの中継に移る前に高橋選手のコメントを放送する時間なんて簡単に調整出来たと思うのですが。これも人種差別の一種なのでしょうか?

ちなみにマラソンのTV中継では、世界で一番マラソンに熱心な日本が初めて金メダルを取ったと紹介されていました。


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