衝撃のNASCAR観戦(最終回)



満員の大観衆


アトランタ・モーター・スピードウェイは、1周が1.54マイル(約2.5km)の楕円形のコースで、この日のレースは「NAPA500」というタイトルが示すとおり、このコースを325周(合計500マイル)することで優勝を競い合います。この日は10万人以上の観客が集まりました。

アメリカで行われる他のスポーツと同様、レースの前にはアメリカの国歌斉唱があります。この日はカントリー歌手が国歌を唄いました。国歌を聞くことによって、観客やレース関係者達は気持ちを引き締めることが出来ます。

NASCARのレースはF1などとは違い、車が動いている状態でレースが始まります。どういう事かというと、まずレースカーはピットを出て、ペースカーに先導されながら、2列縦隊の隊列を組みます。その後コースをゆっくりと数周回り、観客にレースカーをじっくり見て貰う機会を与えます。ペースカーがピットに戻り、グリーンフラッグが振られるとレースが始まります。43台ものレースカーが1団となって、一気に時速300キロ以上まで加速していく様子は、本当に迫力があります。


2列縦隊でコースを回るレースカー


私達が座った席は前から4列目なので、自分のすぐ目の前をレースカーがもの凄いスピードで飛び過ぎていきました。今までこんなに速く動く物が、一団となって目の前を通り過ぎるのを見たのは初めてでした。:O NASCARのレースカーは多少ぶつかっても平気なので、ドライバー達は本当に数センチのところまで相手の車に近付きます。朝のラッシュアワーで渋滞している車よりも接近した状態で、しかも時速300km以上の猛スピードでレースカーは走っていて、各レースカーにドライバーが乗っているなんてとても信じられませんでした。まるでUFOがレースをやっているような気がしました。:O

NASCARには人気ドライバーが20人以上いるので、各観客は自分の好きなドライバーを目で追っています。下の写真では、一番前に写っている女性が他の人とは違う方向を見ているのが判ると思います。:D もちろん私もジェフ・ゴードンとラスティ・ウォレスのレースカーを中心に観戦していました。


NASCARレースの観客


1周2.5kmしかないサーキットに43台ものレースカーを放り込んでレースをさせるんですから、コース上のあらゆる所でバトルが繰り広げられ、当然のように車の接触によるクラッシュが多発します。アメリカのカーレースでは、コース上でクラッシュが発生すると、すぐにイエローフラッグを出して「追い越し」禁止状態になります。その後ペースカーが出てきて、衝突した車を除去して、コースの安全性を確かめるまで、レースカーはゆっくりとしたペースで数周走ります。それは丁度レースを開始した時と同じ状態で、ペースカーがピットに戻り、グリーンフラッグが振られると、またあの迫力ある加速シーンが見られます。そんな時は観客もみな総立ちでエールを送ります。私がNASCARレースの中で一番好きなシーンでもあります。

ジェフ・ゴードン(カーナンバー24)は結局4位に終わりましたが、初めてのNASCAR観戦は十分満足出来ました。:D


優勝した車に駆け寄る人々



右から2位、3位、4位のレースカー



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