ソルト・レイクのオリンピック


日本ではオリンピックの中継がとても人気があるのは知っていますが、開催国であるアメリカではそれほど人気がありません。私の周りでもオリンピックの放送を観ている人はごくわずかです。アメリカでのTV放送は、4大ネットワークの一つであるNBCが担当していますが、そのNBCですら夜の8時からしかオリンピックの放送がありません。しかもそのほとんどがアメリカの選手と有力選手を中心にしたハイライトです。

なぜアメリカでオリンピックの人気がないかと言えば、それはアメリカではプロスポーツが盛んなためだと思います。今年のスーパーボウルの試合はTVの視聴率が40%を越えましたが、オリンピックの開会式の中継は25%くらいだったそうです。それでもオリンピックの開会式の中継としては過去最高の視聴率だったらしいです。先週の日曜日なんて、昼間はNASCARのレースを5時間生中継して、そのあとNBAのバスケットボールの試合を生中継した後にオリンピックの放送が始まりました。そんなわけで、TVのモニターが一杯おいてあるスポーツ・バーに行っても、オリンピックよりもバスケットボールの試合を映しているモニターの方が圧倒的に多かったりしました。

開会式と言えば、今回の開会式では例の破れたアメリカ国旗を使用するというのを事前に聞いていたので、私は開会式を見るつもりは全然ありませんでした。昨年9月のテロ事件以来、アメリカでは事あるごとに、あの破れた国旗が登場しますが、別にアメリカ人ではない私にとっては、押しつけがましい愛国心の表明がなんとなく偽善的な気がします。

スピードスケートの清水選手は、世界記録保持者で金メダル候補だったので、TVでインタビューや練習の模様が放送されてもいいはずでしたが、私が見ていた限りでは全然ありませんでした。日本人はどうしても「英語が苦手で大人しい」というレッテルを貼られているので、オリンピックでメダルを獲得する可能性が高い清水選手のような人は、英語で自分の意見を述べる練習も必要だと思います。別にオリンピックの時だけ海外に出ているわけではないと思うので、英語で自分の意見を述べるチャンスは一杯あると思うのですが。私だったら、アナウンサーが止めてというまで、喋り続けますが。:D(その前にオリンピックに出場することが出来ませんが・・・)

それにしても、オリンピックというのは本当に開催する値打ちがあるんでしょうか? 今回のオリンピックではアメリカの観客の露骨なアメリカびいきが批判されていますが、もともとメダルの授与式で国旗を掲揚したり、国家を流したりというのは愛国心を煽るものだと思います。また、オリンピックの開催が4年に1度というのも、必要以上に悲壮感を高めてしまう気がします。オリンピックが4年に1度しか開催されないというのは、オリンピックの規模が大き過ぎるからで、全然異なる種類の競技をいっしょに集めて開催することは無駄な気がします。スポーツを通して、世界平和を訴えると言っても、実際には経済的に豊かな国が各種目の上位に残るわけで、資本主義や大国主義を宣伝する場にしかならないような気がします。

今回のオリンピックでは、私にとって嬉しいことが一つあります。それはクロアチアのアルペンの選手が大活躍したことです。彼女一人で金メダル3個と銀メダル1個を取ってしまって、今回のオリンピックでは、クロアチアが日本よりもメダルを獲得する結果になりそうです。彼女は明るくて英語も上手なので、一気にスーパースターになってしまいました。アメリカのTVでも彼女が笑いながら滑っている姿をスローで放映しながら絶賛していました。去年のウインブルドンの男子シングルスもクロアチアの選手が優勝しましたし、クロアチアのファンの私としてはとても嬉しかったりしました。:)


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