Camponotus-diary.91-92

Camponotus-diary.91-92
1991年２月～６月
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ヤマヨツボシオオアリというアリを研究することになった。
きっかけはうちの教授のT先生に「社会生物学を研究したいです」
と言ったら、「それなら、アリが良いよ」ということで。
東京農工大学の助手のＳさんを頼りに研究を開始することにした。
まず、２月上旬にＳさんとともにサンプリングをすることにした。
場所は神奈川県の真鶴。東京から車で約３時間。
下田の近くで、温泉あり、景観も素晴らしいところだった。
車の手配の関係で農工大ではなく、東京都立大学で
待ち合わせることになったが、南大沢？なんてどこにあるのか
さっぱりわからない。いちおう、教えられたとおりに
電車を乗り継いでいったら、予想以上に時間がかかって、
３０分遅刻してしまった。Ｓさんに怒られた。うーん幸先悪い。
サンプリングは非常に上手くいった。ヤマヨツボシオオアリを
12コロニー、それに近い種のナワヨツボシオオアリを
５コロニー採取した。それらは東大の大型冷蔵室で
冬眠保存してもらうことになった。しかし、この演習林は
素晴らしい！温泉も、眺めも、アリもいい感じだ！
４月になって、アリたちを取りに東京にわざわざ水戸から
何度か出向いたのだが、その度にスケジュールが合わなかったり、
Ｓさんが東大の研究室の鍵を忘れたりで（おいおい）、
なかなか手元に戻ってこなかった。おかげで、その間に
サンプリングしたアリが実はヤマヨツボシオオアリではなく、
全く別の種のムネボソアリであるということが判明した！
それもなんと、６月に入ってから。延々２ヶ月、コロニー数
１１コロニーもサンプリングしているよ。頼むよ、俺、そしてＳさん。
しきり直しで、６月中旬からサンプリング再開というか、なんというか。
サンプリング場所は茨城大学裏の二次林、那珂湊、阿字ヶ浦。

1991年７月
１ヶ月余りをかけて、ヤマヨツボシオオアリのサンプルを19コロニー採取。
さらに、千葉県清澄山で近縁のナワヨツボシオオアリを３コロニー採取。
採取につきあってくださった細田さん、ありがとうございました！
さて、どうやって血縁識別能力を査定しようか、といろいろ考えたんですが
結局、Sさんご推薦の敵対性行動を用いて査定することに決定。
参考文献はCarlin & Hoelldobler (1980)を採用。
敵対行動は４段階に分けた。致死的な攻撃を加えるから無視するまで。
本当は対戦場を作って１対１で反応を見ようと思ったんですが、
これがなかなか作るのが難しい。結局、敵方の巣の中にワーカーを１個体入れて
その反応を観察するという方法にしました。