「スーパーはくと」 HOT7000系  京都〜鳥取・倉吉




 1994年12月、上郡〜智頭間を結ぶ第3セクターの智頭鉄道が開業した。これまで、カーブの多い福知山・山陰本線経由で約4時間を要していた大阪〜鳥取間は、最短2時間34分で結ばれ、大幅にスピードアップがなされた。新製された智頭鉄道のHOT7000系気動車は、振子式で最高130km/h運転を行う高性能車両である。

 登場時は、181系気動車による臨時特急「はくと」も含め、計4往復の運転であったが、飛躍的なスピードアップが好評を博し、現在すべてHOT7000系となり、7往復に増発されている。

 山陰本線、播但線といった鳥取への旧来の鉄道は、カーブが多く古い設備、遅いスピードによりさびれていたが、智頭鉄道経由のルートは活況を呈している。智頭鉄道は、国鉄の累積赤字と赤字ローカル線問題により、国鉄時代末期に長期間工事が停止されていたが、JR発足後再開し、開業にこぎつけたものである。人口過疎地域を抜ける路線ではあるが、高規格の線路による特急列車の高速運転が成功をもたらし、現代においても新しい都市間幹線鉄道が成立しうることを示したよい事例といえる。


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