「北斗」 キハ183系 札幌〜函館 ![]() 1965年10月、函館〜旭川間に1往復登場。以後、室蘭本線(海線)経由の函館〜札幌間を中心に増発を重ねる。1986年11月には、距離が短いもののカーブ・勾配が多くて所要時間の遅い函館本線(山線)経由の特急「北海」を統合して、函館〜札幌間の特急・急行は原則的にすべて室蘭本線経由となった。1981年から1986年までの間に、キハ80系からキハ183系への置き換えが完了する。 1994年3月、新型振子気動車キハ281系が投入され、「スーパー北斗」と改称。函館〜札幌間で2時間59分、表定速度106km/hと全国でも最高水準となる。2000年の3月から6月まで、有珠山噴火のため室蘭本線が不通となり、「スーパー北斗」「北斗」は函館本線経由で迂回運転されたことを付記しておく。現在、札幌〜函館間で、ほぼ1時間ごとに運転されている。 「北斗」は、高架で防雪屋根におおわれた札幌ターミナルを出発すると、線路条件のいい千歳線、室蘭本線を快走。なにしろ途中には日本でもっとも長い直線区間(沼ノ端〜白老、28.7km)があるくらいだから、高速運転にはたいへん恵まれた線路だ。沼ノ端の手前では、室蘭本線とスケールの大きい立体交差。立派な設備は、かつて夕張など道内各所の炭田から室蘭や苫小牧の港へ向かって、石炭貨物列車が頻繁に往来していた名残だ。立体の高所から見晴らすウトナイ湿原は、うっそうと木々がどこまでも茂り、札幌や苫小牧のすぐ近くとは思えない景観だ。東室蘭を過ぎると、列車は淋しい海岸線沿いを走る場面が多い。森を過ぎると、駒ケ岳の裾野を越える最急25‰勾配の難所である。新型特急にはそう苦労のない勾配だが、列車はカーブを繰り返し、車窓の駒ケ岳が右に左に移動する。平坦な海岸沿いを迂回する砂原回りの線もあり、いまも貨物列車などはそちらを経由している。大沼を車窓から望み、函館平野へと下り、カーブした長いホームにいかにも「行き止まり」の風情がある函館駅に、敬意を払うようにゆっくり徐行して到着する。 BACK |