![]() 1969年10月、上野〜秋田間にキハ81系気動車により運転を開始した。東京〜秋田間の奥羽本線ルートの混雑を救済する役割をもつとともに、交通に恵まれなかった庄内地方(鶴岡、酒田など)と東京を直結する初めての特急として、好評を博した。1972年には485系電車に置き換わり、運転区間も青森まで延長された。 1982年11月には上越新幹線が開業して、「いなほ」は新潟〜青森間を走る接続特急となり、現在に至る。大きなスピードアップなど改善もなく推移するなか、庄内空港や秋田新幹線の開業といった他のルートの充実により、「いなほ」は乗客を奪われて本数は減少する傾向にある。 新潟〜秋田間の線路は、日本海岸沿いを走るところが多い。羽越本線は、線路の近代化が十分に進んでおらず、単線と複線が交互に入り混じっている。潮風にさらされた灰色の家々が並ぶ漁村の裏を、曲がりくねった単線でゆっくり抜けるようなところも多いが、そのぶんトンネルなどに景色を遮られることが少なく、車窓の海岸線を楽しむことができる。 BACK |