「こまち」  東京〜秋田  E3系




 秋田新幹線は、盛岡〜秋田間の田沢湖線を改軌のうえ、1997年3月に開業した。秋田出身の美人「小野小町」からとった「こまち」という愛称が新しくつけられた。東京〜秋田間の所要時間は、在来線時代より48分短縮し、最短で3時間49分となった。車両は、最高速度275km/h運転としたE3系が新製投入され、盛岡で東北新幹線と分割併合を行う。新幹線の直通効果で乗客が増えたため、1998年12月には5両から6両に増結された。

 在来線区間の最高速度は130km/hで、おおむね1時間ごとの運転である。東京〜秋田間は航空機との競争が激しく、「こまち」は停車駅を減らして優先的にスピードアップを行い、TVでの航空との比較広告も一時話題になった。

 「こまち」の前身は、盛岡〜秋田間に運転されていた特急「たざわ」である。それまでの田沢湖線は、非電化路線でローカル急行「たざわ」(仙台・盛岡〜秋田)が細々と走っていたが、東北新幹線の開業により、田沢湖線は、それまでの奥羽本線経由の「つばさ」よりも東京・秋田間を短時間で結ぶメインルートとなった。1982年11月より電化開業し、急行を格上げして、485系電車特急「たざわ」が頻繁に走る幹線として生まれ変わった。

 その後も増発が重ねられ、運転区間も青森まで延長された。1988年3月には、電車特急としては珍しい3両のミニ編成へ短縮した代わりに、ほぼ1時間ごとに頻繁に走るダイヤとなり、利便性が増した。

 1996年3月、秋田新幹線工事により、「たざわ」は盛岡〜秋田間では運転が中止され、北上線経由の北上〜秋田間のキハ110系特急「秋田リレー号」が、新幹線開業まで1年間ピンチヒッターを務めた。秋田新幹線開業後、秋田〜青森間の特急は「かもしか」と改称され、「たざわ」は全廃されて秋田新幹線にその使命を引き継いだ。


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