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1978年10月、それまでの紀伊半島一周特急「くろしお」(天王寺〜新宮)の系統を分割し、名古屋〜紀伊勝浦間にキハ82系気動車により運転を始めた。キハ82系としてはもっとも最後まで定期列車として運転したが、1992年3月、新型のキハ85系に置き換えられ、スピードアップがなされた。しかし沿線人口の少ないローカル特急であり、快適なキハ85系をもってしても乗客は伸び悩んでおり、現在グリーン車も外されて3両の短い編成に短縮されている。 名古屋からしばらくは都市近郊の平地の風景が続く。複線と単線が混在し、列車本数はかなり多いので行き違い停車も少なくない。近鉄と併走する区間もいくつかあり、運がよければちょうど同じ程度のスピードで走る近鉄特急とのデッドヒートも楽しめる。途中の長良川橋梁は、海のように満々と水をたたえた河口近くの大河川を、長い長い鉄橋で横断し、車窓のハイライトといえる。多気を過ぎると、茶畑と針葉樹林が目立つ緑濃い山の中へ向かう。紀伊の海岸へ至る途中、梅ヶ谷付近の荷坂峠越えは難所であるが、山から海を見晴らす眺望が楽しめ、その後、入り組んだリアス式の海岸線沿いを走る。紀勢本線の最南端部は昭和30年代に開通した新しい線路であり、高架とトンネルを繰り返して進む。 BACK |