「スーパービュー踊り子」  東京〜伊豆急下田  251系
「踊り子」  東京〜伊豆急下田・修善寺  185系




 1981年10月、急行「伊豆」の特急格上げにより、1969年から運転されていたそれまでの特急「あまぎ」が再編成され、特急「踊り子」と命名された。車両は、185系電車が追加投入されて用いられた。全国共通の地味なデザインが当たり前だった当時の国鉄としては、白地に斜めの緑色ストライプが入った185系電車の塗装は、斬新なものであった。当初は183系と185系が用いられていたが、のちに185系に統一される。1989年には、定期列車で池袋始発便が登場した。

 1990年4月には、新しく投入された251系電車により「スーパービュー踊り子」が運転開始。この車両は観光地に向かう特急にふさわしく、大きな窓の展望室と眺めのよいハイデッカー・ダブルデッカーの導入、個室グリーン車の設置、遊び場を備えた子ども室の連結など、かなり思い切った設計をとった車両で、水色の車体、先頭の展望車に大きな窓が並ぶ外観も、一目見てリゾート気分が強く感じられる。その後のJR東日本の新型特急車両は、建設費節減などのため、全体に造りが簡素になってきており、251系はバブルの時代だからこそできた冒険と見ることもできる。

 現在、「スーパービュー踊り子」「踊り子」をあわせてほぼ1時間ごとに運転されているが、伊豆方面への観光輸送を主な目的とする列車なので運転時間帯が偏っていて、東京発最終が16時と早く、東京着始発が11時50分と遅いダイヤが特徴的だ。

 小田原〜熱海間の東海道線は、みかん畑の丘から太平洋を見晴らし、遠くには湘南・三浦から伊豆まで海岸線を一望する。熱海を出ると、海岸に海が一望できる。道に沿っていく線路沿いには、有名な温泉街「はとや」の看板などあり賑やかだが、伊東を過ぎれば車窓は落ち着いた感じになり、緑濃い山間をぐいぐい上り、長い鉄橋などから海を見晴らす。緑濃い山間を上り下りし、遠くに海を見晴らしたりできる線形は、見ごたえがある。さらに、線路は断崖から波しぶきが飛んできそうな海のすぐそばを走るところもあり、車窓からは豪快な海岸の様子が一望されるのである。



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