「スーパーとかち」 キハ283系 札幌〜帯広 「とかち」 キハ183系 札幌〜帯広 「まりも」 キハ183系 札幌〜釧路 ![]() ![]() 「おおぞら」は、1961年10月に函館〜旭川間にキハ80系により登場した、北海道でもっとも歴史ある特急。翌1962年から、釧路へ乗り入れる。1980年、キハ183系への置き換えがはじまる。1981年には、道央と十勝地方をショートカットする石勝線が開通。札幌から釧路まで、もっとも速い列車で6時間7分から4時間59分へと、1時間以上もの短縮を実現する。1990年、札幌〜帯広間の列車を「とかち」と名称変更したうえ増発し、ほぼ1時間ごとで運転する便利なダイヤとなる。翌91年には、「とかち」全列車に2階建てグリーン車を連結したうえ車内設備も改良し、「スーパーとかち」に名称を改める。1993年には、夜行客車急行「まりも」を、キハ183系使用の特急「おおぞら」に格上げした。 1997年には、「おおぞら」の一部に振子式気動車キハ283系を投入して「スーパーおおぞら」に改め、線路の改良も実施して、最高速度130km/h運転により札幌〜釧路間を4時間25分から3時間40分にまで短縮した。キハ283系は好評で、現在は釧路行きの全列車が「スーパーおおぞら」となり、帯広行きはキハ283系列車が「スーパーとかち」、キハ183系が「とかち」を名乗る。「スーパーおおぞら」は標準で6両編成だが、夏などの多客期には9両、10両の長い編成もよく見られる。道東の老舗特急は、新車導入と高速化で見事に復活を遂げ、かつての国鉄時代の特急を思わせる堂々たる編成は風格がある。 2001年7月より、夜行「おおぞら」は旧称の「まりも」へと改名。寝台車を2両連結し、夏など多客期には根室まで乗り入れている。 札幌から南千歳まで千歳線を快走したのち、未開の森林・山間地帯を数多くのトンネルで貫く近代的な石勝線へ。信号所のポイントに覆いかぶさる大きなスノーシェッドが特徴的だ。ほとんど人の住まないなかを行くため、駅の間隔は20〜30キロと日本離れしている。トマムは、無人の山間に忽然と高層ホテルやスキー場が出現するリゾート地。山地を抜けると、十勝平野を見晴らしながら山腹の牧草地を大きなカーブを描いて新得へと下っていく様は、日本有数の好展望とされる(「狩勝越え」)。帯広、池田と平地を快走したのち、十勝川、浦幌川沿いに谷間を抜け、太平洋岸に出て荒涼とした無人の海岸線を走る。やがて工業地帯の煙突を眺め、原野にぱらぱらと建物が散らばり始めて、釧路の街に到着である。 「スーパーおおぞら」は、利用状況も好調であり、さらなる集客のために帯広どまりをなくして、札幌〜釧路間で1時間ごとの運転を実現してはどうか。需要の段差に対応するため、帯広で増・解結を行う。また、カーブの少ない十勝平野や釧路平野の一部区間では、時速160km/h運転を行い、スピードアップで鉄道の地位をさらに強化することも考えられる。 BACK |