東北地方の特急列車


 現在の東北の特急網は、仙台、新潟、盛岡、福島などの主要都市を東京と短時間で直結する東北・上越新幹線が「幹」で、それ以外の在来線特急は脇役の「枝」と見ることができる。新幹線と在来線の接続駅では、10分前後で新幹線と在来線特急を乗り継げるようなダイヤが組まれ、新幹線が通わない地域へも、スピードアップの効果が波及している。

 1982年に東北新幹線が開業して、東北への鉄道アクセスはぐっとよくなった。たとえば、東京から東北最大の都市仙台まで、かつては在来線の特急で3時間58分を要しており、車体が小さくて増発も難しいため、とりわけお盆や正月の帰省時期などの混雑はひどかった。いま、東京〜仙台間は最短で在来線時代の半分以下の1時間36分、混雑時期には新幹線列車が大増発されて、朝の6時から2分間隔で続々と東京を出発し、車体の大きい2階建て車両も登場した。E4系 ”Max”の16両編成の座席数は、かつての在来線特急12両編成の約2倍に達し、その名の示すとおり、世界の列車でも「最大」の1634人を誇る。東北新幹線は2002年12月には盛岡〜八戸間が延長開業し、さらに八戸〜新青森間については、フル規格の整備新幹線として、2013年に完成する予定となっている。

 東京と短時間で、乗り継ぎなく直結できる新幹線のメリットは大きく、地域の発展や乗客の増加が期待できる。そのため、新幹線が建設されていない路線でも、在来線の線路の幅(1067mm)を新幹線と同様(1435mm)に広げて新幹線列車を乗り入れさせる「ミニ新幹線」の建設が行われ、1992年7月に山形新幹線、1997年3月には秋田新幹線が開業している。


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