![]() 「東海」は、もともとは1955年に東京〜名古屋間の機関車牽引の準急列車として東海道線に走り出したのが最初である。以後、1957年にはモハ80系電車に置き換わる。このころの長距離列車は機関車牽引が当たり前で、電車による東京〜名古屋間の運転というのは当時としては新しい試みであった。翌1958年には新性能電車のモハ90系(後の153系)となり、この年に登場した東京〜大阪間の電車特急「こだま」とともに、東海道本線さらに日本の電車の新時代の到来を告げるものであった。 1966年、準急「東海」は急行に格上げされる。長距離客は新幹線に移行し、運転区間は東京〜静岡間へと短縮されていった。その後車両は165系電車に替わるものの、1960年代とあまり変わらない姿を残し、化石のような姿で急行「東海」は東海道本線を往来していた。 1996年3月、373系特急電車が投入され、「東海」は特急に格上げされた。スピードアップと設備の改善がなされたが、373系はグリーン車のない6両編成で、鉄道ファンの感覚からすれば、165系の急行「東海」のグリーン車2両連結11両編成よりも名門優等列車の風格に劣るようにも思われる。 全区間にわたって新幹線に並行する昼間の特急は珍しい。川崎、横浜や湘南地区、沼津、富士など、新幹線は直接停まらないものの乗り降りの多い駅が連なっているため、そう大きな需要が見込める列車ではないが、存続している。 BACK |