バンコク,ラヨーン(タイ)旅行記

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シカゴに住んでいた姉が,仕事のために2年の予定でバンコクに赴任する事になった.そこで,日本からフランクフルトへ飛ぶときにバンコクに寄り道することにした.こうして我々は,生まれて初めて,アジアの国を訪れることになった.

タイの首都バンコクは,フランクフルトから10時間ちょっと,大阪からは5時間ちょっとかかる.意外に遠い国である.空港へ着いた我々を,当然入国審査が待ち受けていたのだが,バンコクでのそれは,とてもとても時間がかかった.大阪やフランクフルトでの入国審査は,待たされても20分程度だが,ここでは1時間近くかかった.その間,我々の前にいたアジア人が,長時間の審査の上入国を拒否されると言う光景にも出会った.確かに胡散臭そうな団体であったが,本当に行き当たりばったりでやってきたのだろうか?結局この団体は,少し離れた別の列に並んで再度入国に挑戦しようとしていたが,そんなので,入れるのかと疑問に思った.残念ながら,その結果は分からずじまいであった.

さて,タイに入国して,空港から車でバンコク市内の姉の家へ向かった.ちゃんと高速道路が整備されていて,スムーズにダウンタウンへ向かうことができた.が,ダウンタウンで高速道路を降りると,状況は一変した.雑居ビルが建て込んでいて,路上には屋台がずらっと並んで,そこに人々が群がっているのが見えた.托鉢して歩く僧侶もたくさん見えた.ついでに,路上をゆっくり歩く象も見えた.う〜ん,アジアやね,と思った.細い路地をぐりぐり曲がりながら突き進んで,姉の住むマンションに到着した.

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タイの町の喧噪1
タイの町の喧噪2

姉の住むエリアは,外国人が多く居住しているエリアで,日本人も,もちろんたくさん住んでいた.周りには,居酒屋やカラオケや等がいっぱいあって(もちろん看板は日本語!),我々は日本にいるかのような錯覚を起こした.このエリアには,とても立派なマンションが集中して建っていた.たいがいのマンションのゲートでは,複数の人間が警備に当たっていて,マンションの敷地内には,リゾートのような雰囲気が漂っていた.姉のマンションでは,ゲートの警備以外に,レセプションでも,複数の人間が常時待機していて,車のドアの開け閉めと,荷物運びをしていた.姉のマンションに着いた我々は,この出迎えに,少しとまどいを覚えた.

姉の家は,マンションの15階にあって,そこからの景色はとてもすばらしかった.リビングルームの一面ガラス張りの開口があって,夜には,すばらしい夜景を見ることができた.近代的な高層ビルが輝いていた.が,昼間には,ビルの谷間にトタン屋根のスラムがたくさん見えて,少々複雑な感じがした.

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マンションのゲートの警備
タイの街の眺め

さて,到着2日目は,バンコク・ダウンタウンでショッピングを楽しむことにした.早朝,出勤していく姉とともに家を出て,会社で姉が降りた後,車と運転手を拝借して,市内を動き回った.店がオープンするにはまだ時間が早すぎたので,取りあえず,スターバックスコーヒーに行って,時間をつぶしした.アメリカにあるスターバックスとは違って,タイのスターバックスには,応接セットなどもあって,非常にゆったりした,いい雰囲気であった.とはいっても,コーヒー自体を注文するカウンターは,アメリカと全く同じであった.ちなみに,メニューには日本語も併記されていた.ここでしばしガイドブックを見て,その後,タイ・シルクの店(Jim Tompson)へ行った.ここでの目当ては,スカーフとネクタイであった.それほど品揃えが豊富だとは思わなかったが,それでもいくつかお気に入りのものを見つけることができた.この店のスカーフ,ネクタイには,象柄のものがたくさん用意されていたが,それは,タイ人が,象を神聖な動物として大事にしているからであった.もちろん,われわれも象柄のスカーフとネクタイをチョイスした.この後は,ガイドブックで薦められていた飲茶を食べに,ヒルトンホテルに行った.ランチは食べ放題で一人360バーツであった.現地での物価を考えるとかなり高いのだが,ヒルトンホテル価格というので納得していた.さて,実際に店にはいると,まだ開店したてで,他に誰も客はいなかった.席に案内されて,飲茶を頼んだ.すると,お店の人から,たどたどしい英語の説明で判断するよりも,実際に目で見て気に入ったものを選んで食べて欲しいと告げられて,蒸し籠が,並ぶわ並ぶわで,あっという間に机の上が,一杯になった.我々も,どんどん食べるのだが,次々に新しい皿がでてきて,途中で,とても全種類を制覇するのは不可能だと思い知らされた.その後は,本当においしそうなものものだけを選んで食べた.もちろん,どれもとてもおいしかったので,迷いに迷った結果の選択であった.飲茶の定番ともいえる,エビ蒸し餃子や,かにシュウマイ,肉饅頭などはどれもとてもおいしかった.他にも,手の込んだものもたくさんあったが,自分で注文したものでないので,それが何なのかが分からなかった.満腹になって,勘定を頼んでしばし待っていると,勘定書ではなく,デザートが運ばれてきた.既におなか一杯だったのだが,おいしそうな見た目に負けて,思わず,カスタードクリームのタルトと蒸しパンを食べてしまった.おかげで,本当に動けないくらいになってしまった.そして,満腹状態で,一旦,姉の家に戻った.しばらく休憩した後,腹ごなしを兼ねて,テニスで汗を流した.元々の予定では,この後,もう一度町中へ出撃する予定であったが,少々疲れていたのと,ビッグディナーを受け付けそうになかったという理由で,家の中にとどまることにした.

ところで,この2日間バンコクに滞在して,交通システムが立ち後れていると痛感した.なにせ,バス,自動車,タクシーで渋滞している道路を,多数のバイク(タクシー!!)が,すり抜けて行くような状態なのに,信号機が満足に設置されていないのだから.その理由も,信号機をつけると交通整理にあたる警官の職が奪われるからだという.それに,大通りはいつも渋滞しているから,どうしても細かい路地を走るようになる.これがまたグニャグニャしているから,本当に運転しにくそうだった.もちろん,朝夕は激しい渋滞が起こるので,移動の時間を計算するのが不可能なようだった.ここで運転するのはよそうと思った.

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トゥクトゥク(バンコクの市民の足)
路地の入り口で客待ちするバイクタクシー

さて,翌日は,二人でラヨーンというリゾート地に,バンコクからバスに乗って行くことになっていた.バンコク東バスターミナルまで,姉の運転手につれていって貰い,切符を買って貰い,バスの前まで連れていって貰い,バスに乗り込んだ.バス停に着いてから,バスに乗るまで,およそ3分ほどだったと思うが,これが,自分たちだけだったら,本当に正しいバスに乗れたのかどうか不安になるくらい,ごちゃごちゃしたところだった.さて,我々の乗ったバスは,エアコン付きの長距離バスで,目的地のラヨーンまでおよそ3時間かかる事になっていた.このバスに乗るために払ったお金は,一人133バーツ(400円足らず)で,めちゃくちゃ安いと思った.それにも関わらず,バスの中では,冷たい飲み物(しかし氷が入っているので我々はパス.バスの中でお腹をこわして惨めな思いはしたくない.),簡単なお菓子(この日は蒸しパン),到着前におしぼりのサービスがあった.これで,どうやって儲けているのか不思議に思った.バスは,渋滞のバンコク市内を抜けると,かなりの高速で走ることができた.しかし,その間,運転手は,ハンドルや足下の油圧用リザーバータンクのあたりをしきりに,気にしていて,走りながら何かを調整しているようだった.途中,ハンドルを軸に固定している留め具がはずれたのだが,このときは,横で見ていて唖然となった.ほんとにちゃんと着くのかとても不安になった.この不安と戦うこと2時間半,途中,とても寂れた村々と,畑を抜けて,バスは,バンペイという町に到着した.

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バスからの眺め1
バスからの眺め2

バンペイでバスを降りると,そこには,潮のにおいが漂っていた.100mも歩けば海なのだから,当然だと思った.だが,しばらくして,潮の臭いにしては少し臭いと思い出した.魚の腐ったようなにおいであった.後から分かったことなのだが,このバンペイと言うところは,ナンプラー(魚醤)の産地で有名らしく,我々が臭ったのは,まさに,魚を腐らせるときのにおいだったようだ.さて,このバスターミナルからは,トゥクトゥクというタクシーでホテルへ向かうことになった.軽自動車の荷台に改造を施したタクシーなのだが,ドアも窓もなくて,初めての僕たちには,刺激的な乗り物であった.タイらしさも十分に出ていて結構楽しめた.でも,料金は割高で,10分ほどの道のりを行くのに200バーツ払った.これと比べてたら,やはり,バンコクから乗ったバスは格安であった.

さて,ホテルは,海に突き出た岬のそのまた先っぽに,ポツンとたてられていた.海の向こうには,サメット島が浮かんでいて,なかなか景色の良いところであった.もちろん,ここには,ふつうの潮の香りが漂っていた.取りあえず,ホテルの敷地内をぶらぶらしたあと,部屋で食事時まで休憩した.食事を待つ間,”るるぶ”でタイ料理の勉強をした.ルームサービスのメニューには,タイ語と英語(参考にならないくらい簡単な訳になっていた),るるぶにはタイ語と日本語が書かれていて,さらにこちらには写真が添えられていた.おそらく,ルームサービスのメニューは,レストランでも食べられるはずなので,これらを見比べて,何を食べるのか相談した.たとえば,スープはディナーに欠かせないものであるとか,たとえメニューに前菜,メイン分類されていても,タイにはこのような考え方がないので,料理がやってくる順番は期待しない方が良いといったことを知った.また,代表的なタイ料理を覚えた.我々は,ココナッツ,八角,コリアンダーの香りを好まないので,これらが,入っていそうなメニューのチェックも怠らなかった.そして,準備を整えて,いざ,ホテルのレストランへ向かった.レストランは,電飾で飾られた椰子の木に囲まれたテラスにあって優雅な感じであった.,ピアノの生演奏もあった.ホテルのサイズの割には客はそれほど入っていなくて,我々の他は,フランスからの20名くらいの団体さんと4人ぐらいの団体が2,3見受けられる程度であった.まずは,ビールと料理を何品か頼んだ.代表的タイ料理であるトムヤムクンも頼んだ.トムヤムクンは,期待通り,とても辛かった.スープには,川のエビと海のエビの両方が使われていたようで,なかなかいける味でおいしかった.(ちなみに,川のエビはスープにすると,海のものより濃厚な味を出すらしい.)この他,豚肉の炒めもの唐辛子添え,エビの炒め物はとてもおいしく,きんきんに冷えたビールと良く合った.(ちなみに,ドイツ人はきんきんに冷えたビールを好まないので,普段は飲んでいるビールは,タイや日本ほど冷たくない)ただ,ミンチ肉の炒め物の生野菜添えは,ハーブかきつくてあまり口に合わなかったが.一通り食べた後,チャーハンと麺類を注文した.これまでの経験から,チャーハンと麺類にはあまりはずれがない上,麺類にはたくさんの種類があるので,是非食べたいと思っていた.この日注文した,スープに入った米の太麺もとてもおいしかった.

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ラヨーンリゾート
ラヨーンリゾートのプール
ラヨーンリゾートの浜辺
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ラヨーンリゾートにて
珍しい看板

翌日は,特に何かをするではなく,ホテルでのんびりした.宿泊客もあまりいなくて,とてもゆっくりできた.夜は再び,レストランでタイ料理に挑戦した.この日は,カレースープと焼きそばみたいな味の麺類がとてもおいしかった.そして,もう1泊して,昼頃までのんびりした.参考までに書いておくと,このリゾートは,2人で1泊2200バーツ(6500円ちょっと)であった.チェックアウトして,ホテルの車でバス停まで送ってもらって,バスでバンコクへ戻った.

バンコクのバスターミナルから姉の家までは,タクシーに乗ることにしていた.そして,バンコクでタクシーに乗るのは,これが初めてであった.バンコクのタクシーには,料金を交渉で決めるタクシーと,メーターを装備したタクシー(屋根にメーターと書かれている)が混在している.実際いくらくらいかかるか分かっていなかったので,メータータクシーを希望していた.さて,いざ,バスがバスターミナルへ到着すると,すぐにタクシードライバーに囲まれて,タクシーに乗るのかどうか問いつめられた.乗ると言ったら,200バーツだけど,どこへ行く?空港か?などと言われた.住所を見せて,すぐ近所だといったら,150バーツにしてやるから付いてこいと言われた.でも,メータータクシーに乗るから良いといって,タクシードライバーから離れようとした.何人かはそれでその場からいなくなったが,それでも,1人はしつこく追いかけてきて,80バーツで行くから乗れとかといっていた.う〜ん,240円なら値切るほどのものでもないし,道ばたでメータータクシーを探すの面倒くさそうだったのだが,まずは,メータータクシーの値段を知りたかったので,これも断った.大通りに出ると,すぐに止まっていたメータータクシーを捕まえることができた.ラッキー!しかも,ドライバーが英語をしゃべった.これで一安心.と思いきや,このドライバー走り出しても,メーターを動かさなかった.こちらが,”これは,メータータクシーですよね?”って言ったら,忘れていたようなことを言って,メーターを動かし出した.本当に油断も隙もない・・・結局,姉の家までか買ったのは,38バーツであった.やはり,我々を囲んでいたドライバーは,ぼったくりドライバーであった.

この夜は,姉とともに,イタリアンレストランに食事に行った.イタリア人が経営していて,ちゃんとイタリアの味がした.バンコクでは,わりと簡単に良い魚介類が手にはいるそうで,この日の魚介類の温サラダもとてもおいしかった.

早いもので,その翌日がバンコクの最終日.深夜の便でフランクフルトへ飛ぶことになっていた.我々はまだ,市内の観光をしていないので,その日は,王宮や寺院を見ようと考えていた.

車で,王宮,寺院のそばまで出かけていったのだが,この日は国王の誕生日で,王宮の周りに人が集まっていて,しかも雨が降っていたので,王宮や寺院の外見だけを見学して観光を終えることにした.外見からでも,きらびやかな装飾は印象的だったが,やはり,中を見たかった.仕方なく,引き返していった.途中中華街を通ったが,ここは,ものすごい人出で,歩道を歩くのもままならないように見えた.相変わらず,屋台は,活気があるように見えた.このあと,シャグリラホテルに寄ってから,家に戻った.そして,夕方は,伊勢丹へ出かけていった.まあ,百貨店は,日本のものと差がないように見えた.ここで食事をして,家へ戻り,荷物をピックアップして,空港へ向かった.チェックインを済ませて,深夜には機上の人となった.

さて,余談になるが,ドイツへ帰ってからのことを少し書こう.われわれは,出発前に,以前住んでいたマインツの公共駐車場に車を止めて,旅行していた.ということで,フランクフルトについて最初に向かったのは,その駐車場であった.そして,その駐車場で対面した車は,写真のように完全に凍っていた.数日間,バンコクの30度の世界にいたので,なかなか印象的だった.やはり,ドイツの冬は寒い!

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凍りついた車

以上,タイ旅行記でした




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