うどんを打ってみました

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日本を離れて生活していると,日本では何処にいても簡単に手に入るものが,手に入らなくなる.たとえば,うどんがそうである.どうしても食べたいと思ったら,そう,自分で作るしかないのである.ということで,今回は,我が家でうどんを打ったときの様子をここで報告することにする.

まずはじめにしなければいけないのは,作り方の入手である.こういうときに,インターネットは強い見方である.gooなどの検索エンジンを使って,”うどん”,”作り方”などで検索をかけ,ど初心者でも作れるようなレシピの載っているページを探す.おっと,簡単に目的のページに辿り着いた.いやぁ,便利便利.そうそう,あまり簡単だからと言って,しつこく調べるのは,あまりお薦めしない.それこそ数え切れないほどのページがヒットする上,それぞれレシピも,細かいところで異なっていて,混乱するだけだからである.検索は程々で止めておくのがいいだろう.

さて,レシピに書いてある材料をそろえようとして,はたと考えてしまうことがあった.うどんのもとは,ご存じ小麦粉,それも中力粉である.ところが,ドイツのスーパーに行っても,小麦の袋には”中力粉”なんて書いていない.どれを買えばいいのか,皆目見当がつかない.でも,よく見るといろいろ番号が打ってあって,どうやらそれが薄力粉とか強力粉とかを表しているようであった.あまり自信はなかったが,我々は550を選んだ.そういや昔はいていたジーンズにこんな番号がついていたなぁ.

つづいて,食材ではないのだが,麺を伸ばす時に使う棒も買いに行った.レシピに,長さ60cm位のものがよいと書いていた.スーパーの隣にある日曜大工店を覗いてみたが,適当な長さのものが見つからなかった.かといって,棒なしでは,麺を伸ばせないので,とりあえず1mのものを買った.7マルクもしたので,少しびっくりした.

さて,いよいよ実際にうどん作りに取りかかる.まず,550番粉250gに塩水(水110ccに塩5gを溶かしたもの)を少しずつ混ぜ合わせていく.レシピには,そばと違ってこの過程にはそれほど注意を要しないと書いてあったので,気軽にまぜて,捏ねてみた.はじめはぼろぼろの固まりがいくつかできて,それが徐々にまとまって5分くらいで一塊りになった.そこからさらに5分くらい捏ねると,さらに堅さが増した.レシピには,堅くて捏ねるのが難しくなってくると書いていたが,ぜんぜん簡単に捏ねることができた.何か変だ.でも気にしないでどんどん捏ねた.いくら捏ねてもそれ以上堅くなりそうな気がしなかったので,捏ねるのを止めて次の行程へ移った.

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一塊りになった550番粉
足踏み
ビニール袋の中の生地

次の行程は,足踏みである.ビニール袋に入れて,その上からタオルをかけてゆっくり足で踏むと書いてある.そうそう,袋の種類は,コンビニ袋がお薦めらしい.たまたま手元にTSUTAYAの袋があったので,これを使うことにする.はじめは,くにゃっとした感触が少し気持ち悪かったが,それにはすぐに慣れた.足で踏んで伸ばせるまで伸ばした.丸く伸ばした縁の部分を念入りに踏むのがこつらしい.これを6回繰り返すと,それはそれは美しい生地ができあがった.この生地を熟成させるために,畳んでラップをかけて8時間ほど寝かせる.私も一緒に寝ることにした.

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生地の出来上がり
おやすみなさい
こんな感じで生地伸ばし

熟成が終わると,もう一度足で踏んで丸く伸ばし,いよいよお待ちかねの伸ばしである.机の上に打ち粉(コーンスターチ)をまいて,その上に丸く伸ばした生地を置き,棒を使って薄く薄く伸ばしていく.簡単に伸ばせるように思っていたが,意外に生地に弾力があって簡単には伸びない.結構重労働である.全体重をかけながら,生地が2mmぐらいになるまで伸ばす.このとき,生地の厚さが均一でないと,出来上がりが不格好になるそうだ.まあ何とかきれいに伸ばせたようだったので,打ち粉をして,生地を畳んだ.

つぎは,麺の形に切りそろえる行程である.3mmぐらいの太さに切りそろえていく.はじめのうちは,集中できていたので,太さも揃っていたのだが,終わりの方は少々不揃いになってしまった.それでも,出来上がりはまずまずか.

つぎは,茹でである.家にある一番大きな鍋(9リットル)を取り出し,そこにたっぷりとお湯を張り,麺を踊らすように茹でる.できるだけたっぷりのお湯の中で茹でるのがこつだそうだ.茹で上がりは,麺の断面の中心に残る不透明な部分の割合で判断する.断面のおよそ1/4に不透明な部分が残る状態で茹で上がりである.これを流水で洗い,表面のぬめりを洗い流して,手打ち麺の完成である.ふ〜.ぱっと見たところ素人が作ったとは思えない出来である.麺がきらきら光って見える.ぱちぱちぱち.

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生地から麺に変身中
茹で
手打ちうどんの完成

この麺を食する方法はいろいろ考えられたが,今回は,つゆにつけて食べることにした.その感想は,とにかくコシがあって美味しいというのにつきる.四国在住時に食べていた讃岐うどんを思い出す.”やればできる”を実感した.ウエッブを通して,味をお届けできないのは,本当に残念である.以上,手打ちうどん初体験記をお届けした.




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