Day19.Sep20
束の間のホテル暮らしを終えて、Big Surへ。今日はあいにく曇っていて寒く、途中Montereyなどにも立ち寄ったが、美しい海岸線をいまいち堪能することができず残念だった。晴れていればもっときれいだったに違いない。
そうして着いたBig Surはまさに深い森の中といったかんじのところだった。やはり自然に戻ってくるとほっとする。木の香りが何とも言えず良かった。私はテーブルで日記を書きながらくつろいでいると、次第にみんなも集まり出して、お互い日本やドイツの歴史・文化・ビジネスについてなどかなり深くまで語り合い、(変な表現かもしれないが)とても有意義なディスカッションをすることができた。(とにかく彼等はディスカッション好きなようだ。)やはり彼等の中の日本に対する誤解は相当大きく、私は日本に対して正しい理解を深めて欲しいと心の底から思い、今まで愛国心などそれほど感じたことのない私であったが妙に熱くなって一生懸命説明した。一方で、私もドイツについてほとんど知識がなく、彼等から多くのことを聞いて、お互いの理解をとても深めることができたように強く感じた。彼等が私の話を興味深く真剣に聞いてくれる様子を見て、私は、彼等が私という小さな日本人に出会ったことで、少しでも日本への理解と友好の念を新たにしてくれるのであれば嬉しいと心から思った。
その晩は私たちのキャンプ生活での自炊による最後の夕食になった。暗く静かな森の中で皆で食べた食事は本当においしかった。このお皿もフォークも毎日よく使ったなぁと思いながら、今までのみんなとの楽しい夕食を思い出した。
そしてHeikoが彼の得意のFire Showを披露してくれた。松明を両手に持って振り回したり、1mにも登る炎を口から吹いたり、とにかく大迫力だった!私はとにかく驚いて、Heikoが何かする度にキャーキャー騒いで目を丸くしていたので、Tobiasに「ユミコ、だいじょぶだってば!そんな怖がるなよ」と笑われた。それにしてもHeikoはただのリーダーではないとは思っていたが、かなりの超人だったとつくづく思った。本当にHeikoはわれらが誇るかっこいいリーダーだ。
それからは、みんなでお酒を手に火を囲みながら、しんみりと語って長い夜を過ごした。私はJulieと今までの旅のことや、お互いの生き方について語った。Julieは誰よりも一番私のことをよく理解してくれて、沢山の素晴らしい言葉を私にくれた。彼女は心優しく洞察力のある日本人的な側面を持ちながら、とてもひょうきんで活発で強く逞しいアメリカンの気質を持った、とても魅力的な女性だと思う。たった2歳しか離れていないけれど、私は彼女の揺らぐことのない強さと、周りの人たちを幸せにする優しさと明るさを兼ね備えた人間性にとても憧れるし、彼女のようになりたいと強く思ってならない。この旅の収穫の大きな一つは、Julieという素敵な友達に巡り会えたことだと私は心の底から感じている。