剥製



完璧に美しい少年を見つけ出す
一滴残らずその血を飲み干す
そして剥製を造る
瞳にはひすいを埋め込み
体中のどこにもまったく傷がない
プラチナブロンドの髪
これ以上の芸術品は世界中のどこにもありはしない
誰にも触らせまい


それを見て朝食を摂り
午前中いっぱい見る
それを見て昼食を摂り
午後中ずっと見る
それを見て酒を飲み
見ているうちに眠くなり、その御下で、見ながら、眠る
それは神だ
神を愛する、愛して愛して無限大に愛する
そのうち僕の耳は聴こえなくなり
白髪もいつか抜け始め
やがて僕は死ぬ
その御下で目を開いたまま
僕は幸福であった
灰も残らぬまで完全に僕とそれがもえつきた時
僕は真に安心することができた
これ以上ないくらい幸福になった






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