ビニール袋



シワだらけになったビニール袋に
九分方空気が入っているのを
両手でやさしく包みこんだ
そんな風がほうをなでている


橙色の海
橙色の空
橙色の街の灯


そこにいて、「きれい」と思っただろう?
何の感動も伴わずに
「気持ちいい」と思っただろう?
何の感動も伴わずに


涙があふれ 体がしびれ
何の感動も伴わず そして悲しくもない
そんな日々をすごしただろう。





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