ストリートロッカー・サムヤッファ健在 !!!

 人間の運なんて不思議なモノで 一週間前にNYに帰ってきた時には 8月に富士急でマイケルを見れるかも知れないという気持ちでいっぱいで 心を日本に置きっぱなし状態の様、そわそわしていたものだった。
 NYに残るもう一人のHANOI GUY、サミーの動向を噂に聞くたびに、組んでいるメンバーの中に知ってる名前を聞くので、NYに帰ったら行くライブ全部にサミーを 見ることになるのではないか?と、半分冗談に思っていた位だった。
 元ハノイのメンバーのなかでサミーほど、いまだにストリートロッカーし続けているメンバーはいないであろう。NYに引っ越してきてからのマイケルを、クラブや、ライブハウスで見ることはほとんどなかった。友達もつくらず、家に閉じこもるマイケルのかわりに、外に出て交遊関係を広めるのが、サミーの仕事?で、あった。ビジネスは時として、人との出会いがチャンスを産むし(名刺交換するビジネスマンの様)またレーダーのように危険を察知する事もある。その点で、なんどバンドの広報担当をサミーにゆだねてくれれば!と、思ったことか..... 「ラズルが、ドッグスダムールや、ラスチャイルドのライブ見に来ていたよ〜。」「カムデンロックのフリーマーケットでハノイロックスを見たよ」なんて話を聞いて当時子供だった私は、どれだけドキドキしたことか!大好きなミュージシャン達が、私と同じストリートを歩いている。飲みに入ったバーで隣に座ってるかも知れない。元ラモーンズ達が、小さなクラブでイベントを、元ハートブレーカーズ/ウォータールーが、土曜の晩にライブを。元祖オカマパンクロッカー?ジェインカウンティ(現在妹分?)ToiletBoysのMissGuyが、毎週DJを、それがNYCの魅力でもあり、伝説なのである。いつまでもKidzのサイドにたって、Playし続けるNYストリートロッカーにすっかりサミーはなってしまったらしい。
 

 前置きはともかくとして、Jesseの名前を聞いたのはほんのちょっと前であった。それも一連のマイケルゲスト出演騒動と、自分の引っ越しで、よくいく掲示板で名前を見ていたのだけれど、はっきりいって頭に入っていませんでした。ほぼ、意外なところで彼に会う前日、ようやく、MTVのVJをしていて、元ドッグス/バブルをバックにCDを出したと。(Thanks! MarieさんのHPに説明があります&サエさん)そして、舞さんから頼んでおいた、転送してもらったマイケルのオフィシャルHPのメーリングリストの中に、現在のマイケルの活動を憂いた投稿の中に、「サミーはジェシーと組んで、ツアーに出る。妬んでしまうが見に行ってしまうだろう。」と、いう文章だった。「Jesse Camp ふ〜む。」と、思っていたら、電話がなりこれまたNY的なことに「6時から、友達の家で子供のバースデーパーティがあるからこないか?」と、誘いがあり、1年留守をしていたので、知り合いに再会する良い機会と手早く用意をして家を出たのでありました。

 はじめてお邪魔、しかも公園でなんどか顔を見ただけというお家にずかずかと上がり込み(最初は行くか行くまいか悩んだんですよ〜。はずみでいってしまったのも運命!)ほとんど、日本人のお母さんグループとチビッコ達、その家の御主人の仕事関係の日本人の若い男の子達、あと、白人のカップルと子供が数組という、構成。顔見知りを見つけてなごんできて、そろそろ出来上がったバーベキューをパクついていると、ガチャガチャ妙に懐かしい?音がして、はっ?と、振り返ると、長身の1984年のロンドンからやってきましたってノリのカワイイ?男の子がひょこひょこと入ってきたのです。手首からひじまでじゃらじゃら細い針金の腕輪(当時のハノイロックスのトレードマークともいうべき。私もしていたの音が、私をフラッシュバックさせた原因だったのです。余りにNYで見ないタイプなのでまだ時差ぼけ治ってないのかしらん?と、思っていたら、彼もバーベキューをパク付き始めたり、ぼそぼそ周りの男の子達となごみ始めたのを横目に見て、そういえばハノイの頃、マイケルが良くあちこちのパーティに出没していたのだけど、きっとお金がないからパーティーにいって御飯を食べてるに違いない!と、思ってたら、ある写真に足元の袋から、どうみてもタッパがはみだしている?のが、あって、まさかこれに詰めて持って帰っているのでは?と、あらぬ心配をしてしまった...なんて事を思い出して、この子も食べに来たのかしらね?と、ほくそえんでいたのです。その時、家の主人がゲストに彼を紹介してる声が、耳に入ったのです。「Jesse, Jesse Camp!」 (Oh,my God!)しばらく、様子を見て「Jesse?Sammyがあなたのバンドにはいったんですって?」と、声をかけると、「そうなんだよ〜」と、目をキラキラさせて一通り私の質問に答えてくれた。ライブの予定はないのかと聞くと、「アリスクーパーのサポートするけど、NYはバッファローでしか予定がはいっていないんだよ〜。ん?月曜日にある!ウエストエンドのDan Hillで11:30、遅れるのが常だけど、見に来てよ!」と、言ってくれたのです。あぁ〜喋り方まで、始めてあった頃のマイケルの様!(NYに住んでから喋り方が変わったのが未だに気に入らないので)ぽ〜っとしてたら、知らなかったのは私ばかりで、他のお母さん方「よくヴィレッジで歩いているの見かけるけど、女の子に囲まれてるよ〜。」「MTV で喋っている時よりオフの方がまともに話すじゃん!」「19歳なんだよね〜」ははは....とにかくよかった!サミーに会える!これもそれもラズルが私の願いを叶えてくれたのね。私のハノイ運も尽きてはなかった!と、おもいつつ家に帰ったのでした。

 例えサミーが目的でも、声をかけてくれたのはJesseなので、とりあえず彼について失礼のないようちょっと予習。ティーンのアイドル!?一番?と、思ったのがライトブラウンの髪にブロンドのメッシュ、ドレッド風くしゃくしゃ頭になったせいもあって、写真とは別人の様。

 その週のVillageVoice(フリーの新聞、ぴあの様な内容)に、DanHillのブッキング事体のっていなかったので、はっきりした住所がわからず、電話帳で調べてメッセージを聞いたが、月曜日の予定は録音されてなかった。いってみて、閉っていたらどうしよう?DanHillはSohoの西はじ倉庫街で閑散とした場所なのだ。ガレージと、いうか倉庫を改造したような場所で、内装をときどき変えつつ、私がNYに来た頃からほそぼそと続いている穴場のようなBar/Club である。もしかしたら、シークレット/リハーサルGigかもしれない...そんな事が頭をよぎっていた。おまけにその晩は 雨までしとしと降ってきてしまった。案の定、店の前にはライブがあればたむろっているはずのKidsはいなかった。タクシーを降りて、中に入るとチャージをとるはずのレセプショニストもいない。あいかわらずの厚いカーテンを開いて中に入ると、「Fuck MTV!!!」と、歌っているバンドがプレイをしていた。客はほとんど居ない。バーのカウンターにサミーが元ラブパイレーツ(一時期手伝っていた。'92ライムライトではマイケルがゲスト出演をした。)のガスと座っていた。「サミー!」声をかけると「やあ〜、いつ帰ってきたんだい?」と、隣の席をどうぞとあけてくれた。うれしい、周りにいる連中もほとんど知った顔ばかりだ。なんかやっと第二の故郷NYに帰ってきたと言う気がした。(T_T) 一通り、ここに来たいきさつ、マイケルがBYBのゲストとして8月に来日するかもしれないこと。世間話??? ところで今日私を招待してくれたジェシィ君は?捕まえてお礼をいわなくっちゃ、と、おもいつつ、トイレ(女性用よん)を開けたらたって鏡の前でチェックしていました。あわてて出ていったけど、男性用には鏡がなかったのかしら?出てきてカウンターに座っている彼に、どうもありがとうと、声をかけたら握手を求められたのであった。この間のパーティーでは、まじで手が油っぽいからと、断ったので今回はしっかり握手(^_^;)なんか、落ち着かなそうな様子だったので撮影しても構わないか?と、とりあえず許可をもらった。
 ライブが始まった時点で、お客は10人程度。身内しかいない、スタッフもマイケルと同じまるで'93のグランドでのライブ(お客がいない日)から、約一名取り替えたって感じ。私も居るし(爆)冗談は抜きにしてこれで、この面子で成功してしまったら、誰のおかげでマイケルが日の目を見る事が出来なかったのか 責任がハッキリしてしまうって感じ。私はさっさと、ちょうど良い高さのアンプを見つけて撮影の準備。立って見ていたのはティーンの女の子がひとり、多分ジェシィのファンでお店の人からでも聞いて駆け付けて来たのだろう。彼はティーンのアイドルなのだ。驚いた事にお客もいないライブなのに、ジェシィはノリノリでステージを始めたのだ。バックの面々はさすがにこれからの長いロードに向けて、サウンドやタイミングの確認をしているようだったが...まさに、ハノイロックス当時のマイケルモンローそのままであった!知っている顔を見つけるとステージでも構わずハーイ♪と平気で手を降ってしまう、おとぼけモンちゃんの様?なお茶目さ。と、ハノイ以降、ラブソングを歌わなくなってしまったので 残念ながらもう見る事が出来なくなってしまったのだが。 アンディがガールフレンドの為に造った曲が、ステージでマイケルが歌うとみんなの為の曲になってしまうという類いまれなパフォーマーぶり、あれで必殺!首吊り?なんてやられてたら、失神してたかもしれません。(^_^;)たしかに評判通りのウマ下手でしたが、それなり味があってよかったです。サミー本当は昔のマイケルが恋しいんじゃないのかな?(それは私か?)
 日本からのオファーもすでにあるようで、7月中旬からはアリスクーパーのサポートとして、全米ツアー。バンドはファンと一緒に成長して歳をとっていくのが、理想と思っているんで、こんな子が売れたら21世紀も捨てたもんじゃないかもよって、期待してしまいます!ロックンローラー・ジェシィキャンプ!注目を忘れずに!
 
 その晩聞いた通り、水曜の晩はLowerEastSideで、Mad Jvanaを拝見!異常な不動産の高騰により、今までヴィレッジにあった。バーやクラブが閉店に追い込まれ、今まで危険地帯とされていた、LowerEastSideに新しいスポットが出来つつあるときいていたが、教えてもらったBaby JupitarはStanton st.&Orchard st.に会った。夜だというのになかなかのにぎわい、各クラブごとに違ったタイプのお客さんたちが吸い込まれていく。入り口で3ドルチャージされ中に入ると、最初はレストランで、10時半だというのになかなかの混雑ぶり。もうひとつの入り口があり、そこがライブスポット、食べているお客さんが音につられて乱入してきたり?これぞバンドの本当の実力が分かってしまうような場所でした。
 ロックンロールを期待してしまうとひぃ〜って感じですが、総合的にいってなかなかのもの。メンバーは女性ボーカル(サミーのGFなのだ。)ギター、ベース、キーボード、ドラム。クオリティ高いんですよ〜! サミーのベース自体かなり特殊で、リズム隊と言うよりかは、コーラスのアルトとかバスといった、メロディをプレイしているわけですが、かなりそれが際立っていて 彼の真の実力が分かるような演奏でした。何をプレイしても実力があると違うんですよ〜。どうして、彼がひくてあまたなのか、良く分かった夜でした。

                               

                          レポートBYマサヨinNYC  1/JULY'99

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