《《《《終了したイベントとその感想》》》》


■7月定例ウォッチング■
夏の京都・祇園祭宵々山のウラのウラ

    集合日時:2000年7月15日(土)午後4時(時間厳守)
    集合場所:阪急京都線「烏丸」駅西改札口

【趣旨】
京都の祇園祭。実は行ったことがナインや、という大阪人は結構多い、、のでは?
 今回、定例ウォッチングの日と重なりましたので、祇園祭見物を企画しました。とはいえ、まともに行ったのでは、人混みにつっこむだけ。ここは、ロコの会員T氏に混雑とは無縁でしかも、祇園祭の心髄に触れる穴場巡りを、案内してもらう予定です。


【案内人より】
明るい内に人気のある鉾・町会所・鉾町の「屏風祭」などをを見て歩き、日が暮れたら穴場へ向かいましょう。夜は缶ビールでも飲みながら鉾町をぶらぶら歩くのが宵々山の雰囲気を味わうのに良いと思います。浴衣での参加は大歓迎。


【参加者からの当日感想】

「都文研史上最もメジャーなイベント」祇園祭宵々山探訪にご参加の皆様、お疲れ
様でした。幸い迷子も出ず、終えました。鉾町を歩いて気の付いた点をいくつか。
 人混み避けて祭情緒が味わえる穴場ならここ、と思っていた太子山、油天神山、木
賊山あたりへ行ってみれば意外ににぎわっているではないか。さては穴場狙いの人が
増えたな。2年前までなら同じ祇園祭とは信じられないくらい閑古鳥が啼いていた町
内だったのに。
 一番不憫な山、鈴鹿山はやはり例によって骨組み状態で「放置」に近い状態でした
。毎年「ホンマに巡行に間に合うのんかいな」と心配するくらいです。
 ここ数年、鉾町界隈で最も大きな変化は高層マンションとコンビニが激増したこと
ですが、後者のおかげで「缶ビール片手にぶらぶら歩き」がやりやすい。しかし悪名
高い、酒屋の祭価格(例:缶ビール330cc400円)はまだまだ健在。祭り時でも不動の
コンビニとの競合はどうなのだろうか。「コンビニは街の小さな商店を圧迫する」な
んて商店側の論理の行き先がこれではねえ・・・。(もちろんこの辺のコンビニはた
いてい、元々は小さな商店が模様替えした、という実態があるのですが)
 京町家を見て回るにもこの夜はなかなか都合良いですね。結構内部を覗かせてもら
えるし。
 一時話題になった「平成女鉾」の噂は今年は聞きません。数年前、四条通に店を出
している某アパレルメーカーの若社長が「新しい時代だから新しい鉾を作ろう、祇園
祭は女人禁制だから女性だけの鉾にしよう、金は出す」と言い出したのが発端。「新
しい時代」というフレーズは結構説得力があるようで賛同者も若干あったものの、山
鉾連合会は断固拒否。もう噂にもならないのは、さすがにアパレル不況が長引き、気
勢も鈍ったか。一企業の思いつきを簡単に許して伝統ある祭自体を安っぽくするわけ
にはいかない、近年いくつかの鉾では「女人禁制」は緩和されているようですし。
 大文字送り火のことを「大文字焼き」と呼ばれると本気で怒る京都人は多いが、非
常に遺憾なことに全国ネットのTVニュースではこの語が定着している。同じように
宵山を「宵宮」と、それも結構歴史文化分野に詳しいはずの他地方人(例:永六輔)
が平気な顔をして言っている場合も散見される。都文研の皆さんは注意しましょうね
。[辻野隆雄・会員]

昨夜は祇園祭宵々山ツアー、なかなかのものでした。一人で出かけたらあんなに回
らず人混みに閉口して、早々に引き上げていたでしょう。
 上は鈴鹿山、下の方は木賊山、油天神山、太子山までよく歩きました。山と鉾との
違いは初めて教わりました。「山鉾」と一括表現しているし。鉾はまさに天に向かっ
て突き上げているし(当然神降臨のよりしろ)、山はいずれも松などを依代のように
乗せていて、根源は天然の山そのものの表現ではないかと思っていました。三輪山・
富士山・御嶽山そのものを信仰するような日本人のかみ信仰の流れのように・・・鉾
は大きな車輪を持ついわばだんじり、山は元は御神輿でかつぐもの。今は担ぎ手不足
で小さい車輪を装備してる。
 小さな山は地元が守っているようで子供達のチマキ売りの口上、かけ声がなかなか
いいものでした。ガッコのセンセとしては感慨あり。
 「屏風祭り」もたくさん見ましたが、町衆のおうちと言うよりは主流は当然のよう
にもはやお店のショウウインドウ。テキ屋さんのお店もありましたが臨時のお店が多
く、一大マーケットの出現です。
その他
1.町家に関心があるので大きな文化財の町家はともかく普通の町家の「通り庭」が
のぞけたのが良かった。町家の1階が京格子ではなく大阪の商店のような張り出しに
変化しているとこも多かった。
2.格知小、本能小、それに集合以前に見た成徳中はカメラを持って出かけるべし。
3.織田信雄邸の井戸があってその水を頂いた。菅原道真の誕生地も発見。
4.地図を見ていたら、山鉾町はきちんと町名になっている。木賊山町、蟷螂山町と
いう具合に・・・大したものです。悪王子町というのもあった。[伊藤和雄・会員]

優秀な水先案内人のおかげで、10人余りの集団が人込みで迷うこともなく、ゆっ
くりと祭情緒を味わえました。やはり、屋台が出て歩行者天国の広い通(四条・西洞
院など)よりも比較的静かな細い通(特に四条通南側)の山鉾が佳いですね。夕立に
ビール、そして久々の初期都文研スタイルであるところの屋外車座の打ち上げも満喫
した良宵でした。[鷲原知良・会員]

夏祭りは古都の情緒とよく似合い、なんとなく懐かしい気分になりながら楽しめま
した。思っていた以上にマンション等が増えてきていますね。あとどのくらい「屏風
飾り」を味わえるのでしょうか。仮にマンションの一室に通されても気抜けしてしま
いそうです。[笠原正代・会員]





 


 
編集・発行:大阪都市文化研究会事務局