■ 10/23(土)定例ウォッチング&研究会 (定例W)大阪の境を歩くシリーズ第11回「大阪市港区−赤レンガと入堀の トワイライト−」(研究会) 柏原誠氏「市町村合併と住所・地名の変更」/木村すずはさんトーク「『茶の 湯』文化のおもてうら」/三原一夫氏「大阪の夏祭り」などのビデオ at大阪市立弁天町市民学習センター第3研修室旧住友倉庫
グリーンヒルズより
八幡屋入堀 ●報告・感想 ◇天保山公園で行き当たった「獣魂碑」。碑面からの推察通り旧陸軍の食糧と して屠殺された家畜の慰霊碑とのことです。ネットで検索すると、 すぐに出てきました。「港区私たちと戦争展」より http://www5b.biglobe.n e.jp/~ootuki-k 都文研の例会を含め何度も来ている場所ですが、今回の新発見でした。 旧住友倉庫は初めて中に入りました。展示は倉庫内だけなので双列の赤煉瓦 倉庫の風景が妨げられていないのが好いと思いました。 八幡屋の入堀(舟の繋留所)では、海抜0メートル地帯を守る防潮堤に登頂 。昨今では安全管理のためとして柵で妨げる所が多いのですが、ここはまだ直 に川を見ることができます。 八幡屋公園の体育館の屋根に土を被せて草木を植えた山だか丘だかは、あま り好きになれません。構造上の問題があるのか頂上の開放感がいま一つです。 芝生広場でのアート展示も含め、「空き」があれば何かで埋めなければ落ち着 かないのは、現代人が時間空間を管理すべきと意識しうるゆえの宿業なのでし ょうか。 つい愚痴めいてしまいましたが、この地域の開発、再開発、未再開発の諸相 が見えた興味深いコース設定で、案内者の柏原さんに感謝します。 (鷲原知良・会員) ◇ひさしぶりにウォッチングに参加させていただきました。印象深いのは朝潮 橋駅前の丘です。グリーンヒルズは、植わっている植物が以前のウォッチング で登った昭和山と似ています。どちらも人工物だというのが実感としてわかり ます。螺旋状のなだらかな坂道を登っていって頂上にたどりつくようになって いるのですが、けものみち風の近道が多くありました。「いつまでもちんたら ちんたら歩いてられへんわ。」とショートカットするわけですね。「クローン 豚」というぶきみな作品にはおどろきましたが、ほかにも、黒石碑(映画20 01年宇宙の旅に出てくる謎の物体)に人 体が半分埋まっているというように見えるさらにおどろおどろしたものもあり ました。もっとも、子供さんたちの見方は案外明るいものかもしれません。 (澤居大三郎・会員) ◇研究会のみの参加でしたが面白かったです。柏原氏の市町村合併と地名の発 表では、特に守口と門真の話で、たしかに「なんじゃそりゃ」だろうという経 緯などを伺いました。町・村のレベルと違って市レベルでは専ら経済的な利害 が紛糾の要因と思っていたところ、そうでもない様子です。 茶道は派生領域の多いジャンルで、そのうち齧りたいと思いながら書物では とっつきにくく、たしなみのある人から直に話が聞けたのはじつにありがたい ことでした。まったくド素人のレベルで、事務局の報告にもあったとおり、各 流派の分立も、家(家元)制度のなかで男系断絶のリスクをヘッジするためで 、特に茶道としての世界観やら方法論上の差異はないというあたり驚きでした 。また、明治以前と以降とでは茶道に対する一般的なイメージはかなり変わっ ているということにも気づかされました。端的には担い手の交替によるもので す。茶・茶道にはまだまだ疑問があり、まあ、秋の歩く会も堺となっているの で、ここらへん心したいと思います。 最後に三原氏から昨年と今年のだんじりを主にした各地の祭りの映像が上映 されました。あれだけ一度に見る機会はなかなかないでしょう。 (川内義行・会員) ◇お天気はよかったものの、港のそばは風が強く、上着を持って行かなかった 私は寒さに耐えながらのウォッチングになってしまいました。途中に寄ったお 好み焼屋さんは、おばちゃんの豪快な焼きっぷり、焼きあがりの速さ、ボリュ ームともに、とても大阪らしいお店でした。 晩には初めて発表なるものもさせてもらいました。千家流茶道について、三 千家の派生と継承について話したつもりなのですが、緊張していたので途中か らなんかごっちゃになってしまいました。皆さんが色々質問・意見を出してく れたお陰で、なんとか話を終えられました。 感想を読むと、三千家が協力し て維持してきた家元体制について書いておられる方が多いですね。 ちょっと気になったので強調しておきますが、表千家・裏千家・武者小路千家 はともに千家流で、他流派ではありません。茶道には千家流以外にも色々流派 があります。私の話はあくまで同じ流派内の話だったで、その点ご注意。 補足としては、(男子が絶えた場合は他千家から養子をもらいますが)逆に 男子が二人以上いた場合は、次男以下は苗字を変えます。「千」という苗字の 男性は家元ひとりしかいないことになります。 一子相伝とか家元制度とか作らないといけないくらい、職業を代々維持する のは大変なんですね。私がかつてお話を伺った千家十職の方も、「茶道具を作 る職人が減って競争が少なくなったから、こうして取材を受けて仕事の話も詳 しくできる。商売敵が多い時代なら手の内をバラすようなことはできなかった 」と言ってはりました。 (木村すずは・会員) 【参加者】(敬称略)荻田(母娘)、柏原、木村す、佐々木、澤居、森口、嘉 、鷲原 (研究会のみ)川内、三原 計11名