サンパウロ市・リベリダージ(ブラジル)



サンパウロの中で特に日系人が集中して住んでいる地区がリベルダージという中心部(セントロ)に隣接した地域です。中心通りガルボンブエノ通りには日本人経営の商店が立ち並らび日本語の看板も多く見られます。街灯は提灯の形になっており、東洋の雰囲気を出すように心がけているようです。


ブラジルには約百万人ともそれを超えるとも言われている日本人・日系人が住んでいるいと言われており、日系人がブラジル人大きな構成要素となっているのですのですが、そのかなり多くの部分がサンパウロ市ならびにその周辺に住んでいます。街を歩いていると確かに日系人をよく目にします。従いまして、街の人からよく道など聞かれるし誰からも外国人とは見られていない、特に注目もされません。日本人である自分が外国人として全く意識されていないのです。

その中でも特に日本人が集中しているのが「リベリダージ」、リベリダーデと表記される事もありますが、発音からすると「リベリダージ」の方が近いように思います。サンパウロに来る以前、日本でもこの場所の写真を見た事があり、街のはずれの方にあるように勝手に想像していたのですが、来てみますと街のど真ん中に位置しています。南米の都市は大聖堂を中心として広がっているのですが、この街のシンボルをリベリダージの公園から見る事が出来、地下鉄で1駅なのです。東京に例えれば「浅草」に当たるのでしょうか?東京は日本人が作り上げた伝統の都市、サンパウロは移民が作り上げた都市という性格が出ているように思います。

この地域はそれほど狭いということは無く、地下鉄で一駅分は広がっています。リベリダージ駅を振り出しに散歩して丁度街の終わりに「サン・ジョアキン駅」があります。有名なガルボン・ブエノ通り以外にも数多くの日本人、韓国人、中国人の商店、レストランがあります。近年はこれらの韓国・中国からの住民が増えて来ており、名称を「日本人街」から「東洋人街」に代えたようですが、まだまだ街の主役は我が日系人です。

(写真)リベリダージの象徴、大阪橋の鳥居

ガルボン・ブエノ通りの中央に大きな鳥居があります。このリベリダージの象徴とも言える大鳥居は大阪橋にあります。大阪橋はブラジルに来る以前には下に川が流れているとばかり想像しておりましたが、意外に大きな橋で橋の中央には大阪橋のプレートがあります。実際に来てみますとこの下には近代的な高速道路が走っています。橋からの見晴らしはすばらしく北部の一帯がよく見えます。

(写真)大阪橋のプレート

この鳥居と共に東洋人街の象徴がばんぼりのような街灯です。ガルボン・ブエノ通りを始め、この一帯にはこの街灯が並んでいます。夜になりますと、一層「異国情緒」(ブラジルから見ての)を感じます。

(写真)大阪橋からリベリダージ公園方向を臨む

ガルボン・ブエノ通りを歩いていますと日本語ならびに中国語の看板を沢山見かけます。漢字ならびにひらがなで書かれた看板を見ていますと何故かほっとします。

(写真)ガルボン・ブエノ通り

看板を見ていますと「商会」「商店」などと言う名称が付いている店が多くあります。お土産品、食料品などを販売している店が多くあります。この数年、日本食品に関しては品数は飛躍的に増えて来ており、以前は地元で作られた製品が多かったのですが、現在では日本から持って来ている商品が多くなっています。日本食料品店に入りますと日本のコンビニかスーパーと見間違う品揃えです。店に入りますと日本ではお馴染みの「いらっしゃいませ」というテープが流れます。

(写真)リベリダージ公園からガルボン・ブエノ通りをみる

この地区は和食のレストランが多い事でも知られています。あるブラジルは2度目という駐在員の方に「サンパウロは変わりましたか?」と尋ねましたら、「和食のレストランが非常に増えたのには驚いた」と話されていました。確かに以前はこの地区でしか和食は食べられないという感じでしたが、今は街中で和食レストランを見かけるようになりました。それも大型店が多いように思います。移住者が始めた店が大半ですが、「サントリー」「乱月」のように日本からの資本で開店したお店もあります。

(写真)和食のレストランが軒を連ねる

リベリダージ駅があるリベリダージ公園では毎週日曜日には東洋市場が開催されます。簡単に言いますと日本のお祭りのような屋台が並びます。焼き蕎麦、今川焼き他、日本で売られているような楽しい食べ物のお店が並びます。また毎日ここでは朝早く、ラジオ体操が行われています。以前この公園に面したホテルに宿泊したのですが、毎朝モーニング・コールの代わりにこのラジオ体操の音楽で目を覚ましていました。「ラジオ体操第一〜」という大きな声と音楽が響きます。
普段でもこの公園にはお土産物の他、色々な出店で賑わっていますが、多くの一世にとっては仲間と過せる場所として利用されています。多くの一世達が楽しそうに集まっています。

(写真)リベリダージ公園には多くの一世が集まる

そして、宿泊。日系のホテルも数多くあります。高級なものでは4星の日系パレセ、バロン・ルーなどから庶民の味方の格安ホテルまで色々とあります。その中でも有名なのは「ホテル・池田」、昔から変わらぬ安旅行の味方です。作者も学生時代には利用させていただいた事があります。食堂があり、意外ですがブラジル料理のフェジョアーダが美味しいという評判がありました。

(写真)日系ホテル・ホテル池田

そして書店も多くあります、竹内、太陽堂等と並んで有名なのは「カーザ小野」でしょう。ここも以前と余り変わらない店構えです。雑誌などが日本から持ち込まれて売られています。サンパウロに住んでいた時には書店で売れ残った漫画を安く買い読んでいました。

(写真)カーザ・小野

この東洋人街で必ず行くのが「金澤製菓」です。こちらでは長年、和菓子を製造しています。練り菓子、大福など販売しています。また店の奥には座れるスペースが用意されており、お茶をいただきながらお菓子をいただく事が出来ます。出来立ての大福がある時などは「至福の時」を過す事が出来ます。この日も散歩で疲れたので、ここで一服です。番茶を飲みながら練り菓子を1ついだだきました。お茶の料金は無料で、お払いしたのは1レアル(約50円)です。皆さんもリベリダージに行く機会がありましたら是非訪問してみて下さい。ガルボンブエノ通りの奥の方、カーザ小野の向いにあります。

(写真)金澤製菓店内

このご主人は何時も笑顔で迎えてくれます。この日も「お菓子が美味しい」と話し掛けますと「以前、皇族の方が当店にお見えになり、お菓子が美味しいとおかわりをされた」と嬉しそうに話されていました。

(写真)金澤製菓のご主人

この他、色々な店がこのリベリダージにあります。日本語で書かれている看板が多く、この「マクドナルド」という日本語の看板も日本国外では非常に珍しいのではないでしょうか?

(写真)リベリダージに在る「マクドナルド」

このリベリダージ、一時期は治安が悪く、ガルボン・ブエノ通りを歩くにも怖かったのですが、商店街が治安維持に力を入れて以来、街は活性化されました。リベリダージの公園の中には交番があり、常時複数の警官が巡回しています。

(写真)リベリダージ公園の交番

日本語で用が足りる街、リベリダージは我々日本人にとっては快適な場所と言えると思います。南米を旅される若者達もここからスタートする事が多いように聞いています。南米を訪問した際には「地球の反対側にある日本」に立ち寄って下さい。



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田中 宛メール送信願います(パラグアイ共和国 アスンシオン市)