《おまけストーリー》
  き・わ・め・つ・け

        Written by MAGE

 今日も今日とて、奉公に出された我らが澪であった。
「……よっくまあ、こんな衣装思いつくモンだわ」
 控室で、姿見の前に立って、開いた口がふさがらなくなっている。
 そこへ、やはり奉公に出された舞里根が駆けつけた。
「ごめんなさぁい。遅くなっちゃ……」
「だ、だめ! 来ちゃダメよ、舞里根ちゃん!」
 だが、すでに舞里根は、澪の後ろ姿を見てしまった。
「み、澪さん! そ、それ……」
「ちょ、ちょっと! そんな目をかっ開いて見ないの!」
 いくら同性で、しかも年下といっても、限度がある。
「……どぉして、パンツはかないの?」
「そーゆー衣装なのよ! まったく、まげの野郎は悪魔だわ! ケダモノよ!」
「……かわいいかも」
 舞里根の無垢な発言に、澪は姿見に頭突きした。
「あ、あのねぇ!」
「い、いや、確かにえっちなんだけど」
「えっちぃ?! それドコじゃないわ! 変態よ変態!」
「……かもしれないけどぉ……、なんか似合ってるよ、澪さん」
 澪は、まず舞里根を五秒ほど見つめて、それから首をギシギシいわせて、姿見に向けた。
「……似合ってる?!」
「うん……。ほら、まりねってば、全然チャイナ似合わないでしょ? でも澪さんって、チャイナ映えするんだよね」
「……似合ってる?」
「そ、それに、考えてみれば、パンツはいたほうが、かえってえっちだと思うな」
「……似合ってる?」
「だって、そのほうが、澪さんのきれいな体のラインがスッときて、魅力的じゃないか……なぁ」
「…………」
「あの……、澪さん?」
 澪の目は、姿見から動かなかった。
「……もう一着あるよ?」
「ああああ?」
「そんなに言うなら、舞里根ちゃんも着る?」
 舞里根の顔は、一瞬で青くなった。
「だ、だからその、舞里根はチャイナ似合わないモン。出るトコ出てないし」
「出るトコ……」
 澪の出るトコも、控えめである。
「むむぅ〜」


 撮影は、ものすごく順調に進んだ。
 男を引きつける目線も、艶やかなウエスト・ラインも、カメラマンが言うより先にポーズを取る。
 その妖しさは、現場の男共を、全員前かがみにさせるほどだった。
「ほーっほっほ! すべての男は私の前に膝まづくのよっ!」
 高笑いする澪を見て、舞里根は思った。
(まずいよ澪さん、仁王立ちは……)


おしまい

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【コメント】

 もともとはがんくつさんのリクエストなんですが、シースルーを提案したのも、ノーパンにしたのも、全て私です(^^;)。
 なぜかはわかりませんが、澪同様、私もなにかフッきれた思いです。

    Source: geocities.com/tokyo/garden/5713

               ( geocities.com/tokyo/garden)                   ( geocities.com/tokyo)