ぎくっ「言ってなさい。今日、遅刻したこと、後悔しても知らないわよ。」
ゴーーーーーーン
鐘が鳴り壱時間目の終わりを告げた。シンジとアスカは、トモヨに連れられ、職員室にきていた。
「さあ二人とも、入りなさい。」
トモヨは、職員室は、神聖な場所としてむやみにはいるのを禁じられているため、ドアの前で躊躇していたシンジ達を促した。
「「し、失礼します。」」
声を震わせながら、言った。
「何緊張してんのよ。らしくないじゃない。」
「そんなこと言ったって、初めてはいるんですからしょうがないじゃないですか。」
と、シンジはトモヨに抗議する。
「もう、バカねシンジ君。職員室なんて、人生の下り坂も半分くらいきてる人しかいないんだから。アッ、もちろん私は別だけどね。」
「そんなこと、ここで言っていいのかしらねぇ。」
そう、アスカの言うとうり、職員室内の教員の8割は、トモヨへと冷たい視線を投げかけている。しかし、トモヨは、いっこうに気にかけていないようで、自分の机に向かった。
そして、これ以上散らかしようがないほど散らかったっ机をあさり、その中から、2枚の紙を取り出した。
「プレゼントよーん。」
なにやら、うれしそうにトモヨはその紙を二人に手渡した。
「なによこれ。」
「そこに書いてあるでしょ。アスカ、字読めないの?」
「んなわけないでしょ!この『音流布中学最大のイベント、THE BATTLE ROYAL』参加申込書(二人一組でねっ)っていうのは何なのか聞いてるんでしょ!!」
「毎年やってるじゃない、忘れちゃったの?」
「聞いたことないわよ、それ。ネェ、シンジ、あんたも知らないでしょ。」
「う、うん。ホントに去年もやったんですか、トモヨ先生?」
だんだんと自信がなくなってきたのか、トモヨは首を傾げて言った。
「うーん、確かやったと思うけど・・・、ちょっち待っててね、今調べるから。」
そして、トモヨはゴミ、もとい書類の山の中を探すこと5分、ようやく目当てのものを見つけた。書類に目を通すと、
「ゴッメーン。去年は、参加希望者がいなくて、中止になったんだったー。あなた達が知らないわけよー。」
トモヨは言った。
「はぁーー。全く、それでよく教師が務まるわね」
アスカがため息をつくのも無理はない。また、その隣でも同じように、ため息をついているものがいた。
しかし、アスカは気持ちを切り替え、尋ねた。
「で、あたし達は何をすればいいわけ?」
「だ・か・ら、二人に参加してもらうのよー。」
「「えー!!」」
「なんであたし達が出なきゃいけないの!参加者が少なくなる理由があるんでしょ!教えなさいよ、トモヨ!!」
興奮してきたアスカは、ここが職員室と言うことも忘れ、大声で、脅した。さすがのトモヨも、アスカの迫力に押され、質問に答えた。そのほおには、冷や汗が流れていた。
「(さすがアスカ、するどいわね・・・。)そ、それがね、毎年大けがする人がちょ−っちでるのよね。それで、年々、出場者が減って、まあそれでも、今回は、3組いるんだけどー、せめてもう一組いないと、トーナメント組みようがないから、あなた達に頼んでるの。(このことは伏せとこうと思ったのに・・・。今年も開催中止、ってなことになったら、今度こそ首ね。2人にはちょっちわるいけど・・・。)」
以外と『鬼』な、トモヨであった。あぁ、かわいそうなふたり・・・。
「『ちょーっち』ってどれくらいなのよ。」
「確か前回は・・・っと。」
また、書類を探すこと3分、そして、トモヨは説明を再開した。
「えっとー、参加者8名中、5名が入院2ヶ月コースね。そのうち、2人は集中治療室にも入ったわ。残りの人も、2人は2週間の入院、もう一人も、数カ所の骨折だったらしいの。まぁ実際、完全に治るにはもっとかかったでしょうけどね。ねっ、これじゃ誰も出たくなくなるわよ。」
傷口を広げたトモヨであった。
「なによそれー!!ようは、出場者はみんな大けがってことでしょ!あたし、いやよ、そんなの出たくないっ!」
もっともである。
「あ、あの、その、僕も出たくないなー、なんてね。だめですか、トモヨさん?」
今まで、おとなしくしていたシンジだが、さすがに危険を感じたのか横から口を挟んだ。あくまでも、控えめにだったが。
「だめ!!!」
トモヨは言い切った。そして、言い返せる度胸を、シンジは持っているはずがなかった。
「なんでよ、どうしてトモヨがそんなこと決めるのよ。おかしいじゃない。」
「あれーアスカ、知らなかったのー、これはね、遅刻しすぎた罰よ、罰。いくら仲がよくて、毎朝いちゃいちゃしたくても、登校時刻は守らないとねー。」
冷ややかな笑みを浮かべ、トモヨは続けた。
「ほら、見なさいよ、これ。」
と言って、トモヨは、出席簿を2人に見せた。さすがに、とどめのこの武器だけは、トモヨもしっかり管理していたらしい。そこには、今までの欠席日数、遅刻回数及び、早退回数が書いてあった。欠席、早退は数回だが、遅刻回数はすさまじい。仲良く2人とも(原因はすべて、『あれ』なのであるから、当然だが。)『153』と記入されていた。授業日数が216日であるから、この記録はすごい。うーん、ギネスに載るかもしれない(笑)。
そして、極めつけにこれでもかとばかりの一言、
「このままじゃ、2人とも来年も2年生ね。残念だわー、ホント。来年には、2人の卒業式が見れると思ってたのに・・・。まっあなたたちなら、1こ下の子達とも、うまくやれるでしょ。この話を断るって言うことで良いなら、2人とも帰って良いわよ。(ニヤリ)」
うっなんてひどい。お、『鬼』だこいつ。トモヨがこんな人だったなんて、もう、ぐれてやるー・・・。
はっ、いかん、いかん。あぶなく、非行少年になってしまうところだった(笑)。そうだっ、話を戻さなくては!
トモヨから、会心の一撃を食らった2人は、すっかり改心してしまった。
「わ、わかったわ。出るわよ、出ればいいんでしょ。そうすれば、留年しなくて良いんでしょ。(絶対、仕返ししてやるんだから。)」
怒りを必死でこらえ、まず、アスカがおれた。そして、
「あんたも出るでしょ、シンジ。」
シンジを促した。しかし、シンジはけがをするのが留年よりもいやだった。
「え、留年はしたくないけど・・・。」
「出るわよね!!」
「は、はい。」
が、アスカはもっと怖かった(笑)。
「ホントー、2人とも出てくれるのー?ありがとっ、2人とも優しいわね。じゃあ、用紙は私が書いておくから。ごめんね、時間とらせちゃって。帰って良いわよ。」
「「失礼しました。」」
言い方は穏やかだったが、その顔には、怒りが込められていた。

変な大会に出場することになった2人。いったいどんな大会になるのであろうか。(どうしよう、忍者って言う設定が、まるっきり生かされてない。この大会で何とかしないと。誰かー良い案ないですか?)
これでどうだって言うアイデアあれば是非聞かせて下さい。宛先はー、こちらっ!!akipon@quartz.ocn.ne.jp

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