虎と兎


He makes me ×××

「らしくもなく」

なんの為に生きてるかなんて、結構簡単に見失いがち。
恋人の為?友人の為?自分自身の為?いいけどそれでも。
我が身に傷を受けて、それで納得できる?
どんなに苦しくても、起きたくない朝も。
この身体の細胞が作り変わるくらいの熱狂と熱望があるから。
どんなに弱音を吐いたって、しがみついてやる。

「空耳」

あなたまでの距離の遠さに打ちのめされていたのは昨日迄のこと。
この腕に抱く、その瞬間まで。
寂しさを思って泣く暇はない。

 熱狂と言い切って全て気持ちを表わせはしないけれど。
あなたを想って叫ぶ夜が、妙に心地よく。
この退屈な毎日に絶望などしきれないあなたへの未練が。
俺を生かす。

「Real」

あの人の為にだめになる自分はそう嫌いじゃなくて。
肌に触れたい。痕を、残したい。
それだけを思って彼の前に立つ。
振り向かせることが叶わぬなら。
泣かせて。刻みつける。今日の思い出から逃げ出せないように。
震えるような快感が。あの人と俺をつなぐ唯一のもの。

「反射光」

名前も呼べないほど、心はあなたへと引きずられていく。
いつからこんなことになってしまったのか。
後悔ではなく、不思議に思う。
あなた無しで暮してゆくことなど簡単なのに。
声を聞かず、顔を見ず。そうしていれば、それで済む。
少々の退屈とささいな幸せとの平穏な日常をぶち壊して、平気な顔をして深みへと誘う。
その先を、知りたいと思う欲望と。あなたの多くを望む貪欲。
無抵抗に従順なんて望んではいない。
高嶺の花でいてくれていい。
奪い尽くしたところで手には入らない。
他人の貪る残骸は要らない。
生身のあなたを傷つける、その為だけに。今も。
出来ない無理を重ね、偽りを繰り返す。

冗談じゃ無い。振り回されて、使い捨て。
一時の思い出なんかで満足しない。
あなたを得るなんてことは重要でもなく。

ただ。本当のことは、言わず。

あなたの拒絶を、身に受けながら。
不自由な毎日に埋もれつつ。
密やかに熱を燃やし。
あなたを想う。

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