その後の二人

このドラマ終了後、月曜ドラマランドの一スペシャルとして「キツイ奴ら−栄冠は君に輝く」がつくられています(これはビデオになってます)。しかし、このスペシャルは本編のストーリーと全く連続しておらず、私は登場人物だけ借りてきたパラレルワールドの話だと思っています。本編の方に思い入れのある私は、複雑な思いで見ていました。

篠ひろ子が芸者になっていたり、名古屋章が小林薫の高校時代の恩師だったり、しまいには小林薫と柳葉敏郎(殺し屋)が高校時代の球児同士だったりと、もう全く本編とは関係ない暴走っぷり。

しかし、今ではあのキャストが再び集まってお祭りをしたんだ、という風に思うことにしています。現に、当時は嫌っていたスペシャルも、今見ると許せます。なんといっても、これが最後の「キツイ奴ら」ですしね。

この後ドラマスペシャルで「あるニセ ハマクラ伝」で再び共演。これも久世光彦演出でした。
今考えると、このヤクザの小林薫は「ナニワ金融道」への布石ですね。

そして、その後に日曜劇場「メロディ」がありました。久しぶりの二人の共演+久世光彦ということで非常に期待していました(主演は小泉今日子)。
結局、ドラマ自体はキツイファンには残念な出来で、脚本が少し退屈なものだったのに加えて、小泉今日子の演技に押されて、二人の魅力が半分も出ていませんでした。
また、どうしてもキツイ奴らの記憶の抜けない私に納得いかなかったのは、玉置浩二が小林薫に向かって「お前!」と呼ぶことでした。

「かんじぃ、てめえ吾郎さんに向かってお前とはなんだ! 何時からそんなに偉くなった?!」

どっちかって言えば番組放送前にやった、ドラマ宣伝番組の方が面白かった。撮影風景の中にはじゃれあう二人が映っており、まさに吾郎と完次そのものでした。

再び久世光彦とこの二人が組むドラマがあっても、二度と「キツイ奴ら」(本編)以上のものはできないというのが今の感想です。おそらく様々な偶然が重なってこのドラマが作られていったのでしょう。二度と手に入らない偶然が・・・。

でも、またつくってね久世さん(ハート)。10年後の二人でつくってくれてもいいんじゃないでしょうか。

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