ヘルペス後神経痛の鍼治療
ヘルペス(帯状疱疹)は、地域や部位により袈裟ヨウと呼ばれる事がある。この疾患は、疱疹の治癒後にも残存する神経痛(或いは神経の感覚障害)が時に問題となる。
私は、鍼灸治療の臨床に携わる中で、何例かの治療経験を持つことが出来た。
鍼灸治療では、主に鍼通電療法を用いて治療してきた。最近の感触では帯状疱疹がまだある状態の時期でも、積極的に治療する方がよいと思っている。
治療方法は、比較的簡単である。鍼の刺入による得意な感覚(得気)や時に刺痛が若干あるが、それさえ克服できれば治療時の患者の苦痛は皆無といってよい。また、治療に要する機器類も、通電に耐える鍼と電気治療器があればよい。
写真は、左肋間のヘルペス後神経痛の治療風景。
治癒過程にある瘢痕の周囲を囲むように鍼を横刺し通電を
行っている。患者は夜も眠れないような疼痛を感じていたが、
苦痛は初回の治療後に軽快した。粗密刺激(3〜50Hz) で約20
分間刺激する。
家庭用電気治療器の応用
家庭用の電気治療器も有用な除痛、和痛手段になる。上の
図のように、疼痛部を囲むように貼りつけて疼痛を感じたら
自分で装置のスウィッチや強さを調節して用いる。刺激の
強さの目安は、電気刺激で疼痛がマスクされる強さか、
刺激痛のない最強の強さがよいと思う。
※ 東洋医学では、局所の疼痛などにのみ目を奪われずに、全体をみることも忘れてはならない。肩の凝りや、項頸部の張りや、背腰部の凝りや痛みにも注意する。ストレス性の潰瘍等も、疼痛を助長するようである。内科、外科医等と相談して診る場合もある。
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