治療姿勢


 治療を受ける姿勢は、適切な治療や観察、を行う上で重要です。無理な体勢で治療すると、換えって苦痛が増すことがあります。
 場合によっては、治療者と相談して下さい。

仰臥位:
 図では、若干怪しげな感じがありますが、実際は断じてこのような事はありません。

 円背の方では、背中から頸部、頭部にかけてさらに高くすることで、治療時間中の背中を伸ばすことによる苦痛を緩和できます。
 毛布や枕の利用や組み合わせで適宜、その方の身体に合わせた高さ、勾配が作れます。また、膝の下に小さな柔らかい枕(バスタオルで可)を入れることで、膝関節の曲がってる方や腰への負担を軽減する必要のある方に対応できます。これも、高さを変えることで、患者さんの状況に応じた対応が簡単に出来ます。
 脳血管障害の後遺症の方や、筋力の衰えている方の中には、肩関節が重力で引かれるための苦痛を訴える場合があります。そのような場合は、普通のタオルを方の下に適当な高さで入れると、苦痛が緩和される場合があります。





腹臥位:

 この姿勢では、腰痛や肩凝り等の治療に頻用される姿勢です(当然ですが)。腹臥位と逆で、腰の曲がった方の場合には、腹臥位は曲がった腰を無理に延ばす姿勢になる事があります。やはり、そのような状態では満足な気分で治療を受けることは出来ませんから、腹部の下、時には胸の下に柔らかいものを入れると楽な事があります。
 腹臥位では、案外腰や背中が曲がっていない方でも、つらい場合があります。胸の下に柔らかい枕などを入れ、抱えるつもりでうつ向きになって頂くと楽なこともあります。その際、女性は口紅などを気にされますから、専用のきれいなタオルなどを顔が当たる所に敷くといいのではないでしょうか。




側臥位:
 
この様な姿勢で、治療することは多くはありませんが、手術後の方や苦痛のひどい方は身体を丸められるような姿勢が落ち着く場合もありますので、横向きで治療する事も実際あります。また、坐骨神経痛や、股関節周辺の苦痛の場合は、治療終了後に側臥位になって頂いて、苦痛のあった側の下肢の内側(下側?)を術者が支え、半分自力で足を動かせて頂いて苦痛の変化を確かめる事もあります。実際に動かせてみて、苦痛個所の変化や移動が分かりますから、この確認は大切だと思っています。



 側臥位は、図でも分かるように、片方の肩関節に負担が案外かかります。下側になる腕の位置等は患者さんに確かめながら苦痛の少ない位置を取ると良いと思います。


 また、上側になる腕で胸の前に置いた柔らかい適当な大きさのタオルケット、毛布等を抱えるようにすると姿勢が安定し且つ胸側の冷え感を和らげることが出来ます(背中側から治療したと仮定して)。

座位:
 
症状によっては、椅子に座るのがやっとと言う方もいます。そのような場合は図のように、座って治療を行います。通常、治療用のベットは頭を伏せるには低すぎますから、適当なものを入れて、頭の位置を極端に低くしないようにすると、患者さんは楽かも知れません。




That all.
何かあれば追加します。

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