二つの知性
By 一歩
さて。
これは、とある太陽系の、とある第三惑星のお話である。
そのブルーに輝く美しい事、まさに神の奇跡である。
そこは命と知性に満ち溢れていた。
その星の、ある時代、ある二人の会話を以下に示そう。
「SALK JFAI FKFAGHA FKAJFWURV!」
おっと、失礼。翻訳するのを忘れていた。
「馬鹿やろう、それは俺のとりぶんだ!」
「なにいってんだ、こないだはお前が持っていったじゃないか!」
「でも、そんなに沢山は持っていかなかったぞ! 不公平だ!」
「……もうやめようよ、こんな喧嘩。水かけ論だ。」
「……だな。あ〜あ、なんか、きちんと物事を計ってくれる仕組みがないかな。」
「全くだ。こんな直観的な話でなく、こう、解析的にやってくれるのがな。」
大丈夫。彼等の願いは、数百年後、ある科学者の発明に端を発し、
本当になる。
「えーと、これがダイオード。これがトランジスタ。それをこう配置して、と。」
「よし、今度こそうまくいきそうだな。テスト、ゴー!」
「結果でました! 高速です!」
「やったあ!」
「我々の何倍もの速さの計算能力をもつ知性の誕生だ!」
その発明と発展により、文明はより豊かになる。様々な技術が発達する。
だが、だからといって、喧嘩の種のつきる訳ではない。
「そこは我々の領土だ!」
「とんでもない! わが国の計算によれば、きっかりここまでは我々の土地だ!」
「なにをぅ! あんまりくどいと、こっちの新兵器をおみまいするぞ!」
「ふん、例の核分裂がどうこう、という奴かね?」
「そうとも! 貴様等には開発できまい。」
「ところがどっこい。同じの、いや、もっと性能のいいのを開発したのさ。」
「そんな馬鹿な! さては盗んだなあ!」
「なにおう!」
ついに彼等は、触れてはならぬはずだったボタンを押してしまった。
閃光が星をくまなく包み、やがて命の痕跡は姿を消した。
残された人工知能のみが、チカチカとディスプレィを点滅させながら残った。
そして、時間だけが過ぎていった。
さて。
これは、とある太陽系の、とある第三惑星のお話である。
そのブラウンに輝く美しい事、まさに神の奇跡である。
そこは命と知性に満ち溢れていた。
その星の、ある時代、ある二人の会話を以下に示そう。
「010101011101010101101010」
おっと、失礼。翻訳するのを忘れていた。
「馬鹿やろう、それは俺のとりぶんだ!」
「なにいってんだ、俺のシュミレート結果によるとこうなるんだ!」
「でも、その計算にはαパラメータが挿入されてなかったぞ! 計算し直しだ!」
「……もうやめようよ、こんな喧嘩。水かけ論だ。」
「……だな。あ〜あ、なんか、素早く物事の判断をつける仕組みがないかな。」
「全くだ。こんな解析的な話でなく、こう、直観的にやってくれるのがな。」
大丈夫。彼等の願いは、数百年後、ある科学者の発明に端を発し、
本当になる。
「えーと、これが核酸。これが蛋白質。それをこう配置して、と。」
「よし、今度こそうまくいきそうだな。テスト、ゴー!」
「結果でました! 高速です!」
「やったあ!」
「我々の何倍もの速さの推測能力をもつ知性の誕生だ!」
その発明と発展により、文明はより豊かになる。様々な技術が発達する。
だが、だからといって、喧嘩の種のつきる訳ではない。
「そこは我々の鉱山だ!」
「とんでもない! わが国の判断によれば、きっかりここまでは我々の土地だ!」
「なにをぅ! あんまりくどいと、こっちの新兵器をおみまいするぞ!」
「ふん、例の細菌で錆がどうこう、という奴かね?」
「そうとも! 貴様等には開発できまい。」
「ところがどっこい。同じの、いや、もっと性能のいいのを開発したのさ。」
「そんな馬鹿な! さては盗んだなあ!」
「なにおう!」
ついに彼等は、触れてはならぬはずだったボタンを押してしまった。
細菌が星をくまなく包み、やがて命の痕跡は姿を消した。
残された人工知能のみが、ボンヤリと空を見上げながら残った。
そして、時間だけが過ぎていった。
さて。
これは、とある太陽系の、とある第三惑星のお話である。
そのブルーに輝く美しい事、まさに神の奇跡である。
そこは命と知性に満ち溢れていた。
... and, never end. eternal replay ... . . . . .
Reference
(本)ネアンデルタール(未読)
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