「スター・ウォーズ2」が撮影終了

 「スター・ウォーズ:エピソード2」(以下、「SW2」)の撮影が終了した。「スター・ウォーズ」の公式サイトで22日、発表されたもので、撮影はオーストラリアのシドニーから始まり、イタリア、スペイン、チュニジア、最後はロンドンと、3大陸5ヵ国で合計61日間の撮影が行なわれた。予定より1日半早く終了したという。今後は北カリフォルニアにあるジョージ・ルーカス監督=写真=のILM(Industrial Light Magic)スタッフが編集や視覚効果などを手掛け、映画の仕上げにかかる。2001年春には追加場面の撮影があり、公開は2002年夏の予定。


各国のロケ地で「スター・ウォーズ」のファンが熱烈な歓迎


 「SW2」の公式サイトの「エピソード2」ニュースでは各地のファンの大歓迎ぶりなどが紹介されている。


 スペイン南西部のセビーリャでは9月13日、3000人のファンがスターと撮影クルーを迎えるため、プラザ・ディ・エスパニャに集まった。クルーがプラザに入ると、ファンは「スター・ウォーズ」のテーマ・ソングを歌い始め、「ようこそ」という手塗りのサインを掲げて見せた。 


 チュニジアの砂漠のロケ地から出てきた時は、まるでロック・コンサートの会場に足を踏み入れたように感じたという。ルーカス監督、プロデューサーのリック・マカラム氏、女優ナタリー・ポートマン、俳優ヘイドン・クリステンセン、アフメド・ベスト(ジャー・ジャー・ビンクス)はファンと握手やサインをし、集まったファンの熱心さと情熱に心が動かされた。


ルーカス監督がデジタル映画の見解語る


 ルーカス監督は9月6日、イタリアのカゼルタにあるロイヤル・パレス(王宮)で記者会見を開き、「SW2」についての質問に答えた。同パレスは「SW1」でクイーン・アミダラの惑星ナブーとして使われた。


 ルーカス監督は「SW2」はすべてデジタルカメラで撮影を行うことを明らかにしているため、その点についても質問が飛んだ。


―「SW2」に出演する俳優は?


 「『SW1』とほぼ同じだが、リーアム・ニーソン(ジェダイ・マスターのクワイ=ゴン・ジン)がいなくなり、ヘイドン・クリステンセン(アナキン・スカイウォーカー役)が加わる」


―この映画はデジタルカメラで撮影されるが、このような映画は実際に動く俳優が消えていなくなり、コンピューターで作られたデジタル俳優にとって代わられると思うか?


 「デジタル映画の進歩は映画の世界で起こっている自然な移り変わりです。ちょうど無声映画から有声映画に、そして白黒からカラーになっていったのと同じです。フレスコ画(漆喰を塗って乾ききらないうちに、水彩絵具で描いた壁画)から油絵への移行と同じで、フレスコ画は非常に難しく、多くの人がかかわり、色の混ぜ方、乾いた時の色などの知識に関して多くの技術を要します。芸術家にとって難しい工程です」


 「油絵は芸術家が外で仕事ができるように発明された。翌日も仕事に戻っていくことができ、もし、気持ちが変わったのなら、一度描いた上からまた描ける。これは芸術家が自己表現できる別の技術領域に進歩したということを意味します」


 「この新しい撮影方式における俳優の役割は、過去の白黒映画、無声映画、フィルムを用いた映画とまったく同じです」


 「デジタル俳優を使うことで時々持ち上がる問題は、人々が演技は芸術の表現形式であるということを忘れてしまうことです。人間に似たものを連れてきて演じさせることはできません。やはり俳優が必要です。(せりふの)声も動画の製作もキャラクターを創造するのも俳優が必要です。私は、デジタル技術は俳優の仕事を奪うというよりは、俳優にとっても利益があり、より多くの俳優により多くの仕事を与えるものとみています」


「スター・ウォーズ」公式サイトでは出演者、ロケ地、製作の進行状態など常時、発表


 なお、「スター・ウォーズ」の公式サイト(http://www.starwars.com/)では常時、「SW: エピソード2」製作についての最新ニュースを流している。また、人気のあるファンサイト(http://www.theforce.net/)ではファンから寄せられた情報などを盛り込んで最新情報を伝えている。


(関連記事は2000年9月7日付の「『スター・ウォーズ2』の脚本が盗まれた?」)

(09/27/00、ロサンゼルス=ZAKZAK特電)







「スター・ウォーズ2」の脚本が盗まれた?



 トップシークレットである「スター・ウォーズ エピソード2」(以下、「SW2」)の脚本を盗んだという何者かが、スター・ウォーズのファンのサイト(http://www.theforce.net/)に脚本を10万ドル(約1060万円)で売り込んだ。しかし、同ファンサイトは「SW2はまだ製作中で、2002年の公開までまだ長い時間があり、早過ぎる」として断った。もちろん、同ファンサイトの内部ではこの脚本が本物であるかどうかをめぐって議論された。ルーカス内部に潜むスパイか、それとも悪い冗談なのか、真相はまだ分かっていない。

「スター・ウォーズ」の人気ファンサイトに脚本を10万ドルで売り込んできた謎の人物


 「スター・ウォーズ」のファンサイトは多くあるが、その中でも TheForce.net はファンの間で非常に人気のあるサイトで、ロケ地からの撮影の情報や新しいキャラクターの情報などを毎日更新している。


 「SW2」の撮影も始まり、活気を帯びている同ファンサイトに、「SW2」の脚本を10万ドルで売りたいという者が接触してきた。


 しかし、TheForce.net は「SW2はまだ製作中で、2002年5月の公開までまだ長い時間があり、『エピソード2』のストーリーを微細な点まで検討するにはまだ早すぎる」として断ったという。


ファンサイト側はルーカスフィルム社に脚本のリークの可能性を警告


 これを最初に報じたのはReel.com(http://www.reel.com/)のコラムニスト、ジェフリー・ウェルズ氏だったという。ジョージ・ルーカスは何週間か前に脚本を書き終えたそうだ。


 そして、ファンサイトの TheForce.net はルーカスフィルム社に「SW2」の脚本が外部に漏れている可能性があることを警告した。


ルーカスフィルム社は脚本を売り込んだ者の名前を明らかにするよう要求


 ところが、ルーカスフィルム社は TheForce.net に対し、脚本を売り込もうとした者の名前を明らかにするよう要求した。同ファンサイトはルーカスフィルム社の弁護士からの強い要求にもかかわらず、名前は明かさないことに決めた。


 同ファンサイトのスタッフはReel.comのウェルズ氏に「あなたと同じように、私たち(のサイト)も自分たちの情報源で成り立っている」と語ったという。


 同社は「私たちの著作権で保護された脚本の無断または違法使用、あるいはその所有に関連する調査の可能性についてのコメントはお断りいたします」という声明文を発表した。


 しかし、脚本が公に漏れることに関しては、「ルーカスフィルム社は大勢の『スター・ウォーズ』のファンに献身しており、いかなることがあっても所有権のある題材の無断または違法配給、あるいは出版から守ります」と強い態度で構えている。


 ルーカス陣営にスパイがいるのか、それともこの脚本はまったくの偽物で、誰かが金儲けのため、または悪いj冗談でやっているのか、いまのところ、何も分かっていない。


「エピソード2」は現在、イタリアで撮影中


 ところで、「SW2」は現在、イタリアのカゼルタにあるロイヤル・パレスで撮影を行っている。


 舞台は「エピソード1 ファントム・メナス」のおよそ10年後で、10代のアナキン・スカイウォーカー(ヘイドン・クリステンソン)はオビ=ワン・ケノービ(ユワン・マグレガー)のもとで騎士の訓練を受けている。そしてアナキンはまもなくクイーン・アミダラ(ナタリー・ポートマン)に恋をする。そしてクイーン・アミダラは将来、ルークとレイア姫の母親となる。


(関連記事は2000年5月10日付の「アナキン役に19歳の無名俳優を抜擢」)
http://www.zakzak.co.jp/midnight/hollywood/backnumber/S/000511-S.html


(09/06/00、ロサンゼルス=ZAKZAK特電)