4月の日記(下旬)
白く真っ直ぐに伸びる飛行機雲は、夕立を予感させる。
私は一人、駅のホームに立っていた。
長野発、上野行「あさま」
少しだけ暖かくなった陽気が、私の心を騒がせた。
上京。
田舎育ちの私には、とても魅力的な言葉だった。
子供の頃は、田舎を離れる気なんて無かった。
この街で育ち、この街で恋をし、この街で朽ちて行く・・・
何の疑いも無かった。
父親は強かった。
今時大学なんて出てなくて・・・
このセリフをよく聞いた。
何でも良かった。
自分が打ち込める事さえあれば。
それを探しに東京に来たのかもしれない。
しかし、見つからなかった。
田舎から出て来て、何年か過ぎた頃。
ある人達に出会った。
彼らは日常という矛盾した生活に疲れ、ある目的のために死力を尽くしていた。
目的のためなら手段を選ばず、縄で縛り、相手を置去りにし、そして高らかに六甲おろしを歌う。
チバーズ。
複雑な思いは、単純に目に見える場所にあった。
ゲット。
そして私は彼らの一員となり、喜びを共有しあった。
あれからもうじき一年が過ぎようとする。
私の生活も大きく変わり、みんなと居る時間が長くなり、そして一緒に居ると時間が短くなった。
私はある思いのために、テレコミ活動を中止している。
そして思った。
恋
目に見える場所に結論は有る。
1999/04/23(金)
まだ明けきらない早朝の空。
薄く白い靄がかかっている校庭。
私は学生時代にサッカーをやっていた。
朝練。
田舎の朝は夏でも肌寒く、空気が澄んでいる。
サッカー場の横にはテニスコートが有った。
彼女はそこで練習していた。
僕の好きな子。
学生時代は恋愛なんて考えてなかった。
サッカーやったり、ファミコンやったり、仲間とゲーセンの売店で今川焼きとソフトクリームを食べるのが楽しかった。
それでも好きな女の子はいた。
夏の大会が近づいた頃、放課後の校庭はにぎやかになる。
練習での掛け声、後輩の声出し、スパイクがアスファルトを削る音、ボールがゴールに飛び込む時の喚声。
いつもにも増した練習と汗。
僕はレギュラーに選ばれた。
そして彼女もテニス部のレギュラーに選ばれ、真っ黒くなりながら練習していた。
「KOUもレギュラーに選ばれたの〜すごいじゃん!」
「当たりまえさ!だって練習一生懸命やったもん。お前もレギュラーなんだろ?」
「えへへ〜当然!だってキャプテンになったんだもん」
「え!まじ〜じゃあうちのテニス部の実力も、たかが知れてるな〜」
「なにを〜サッカーだって一回戦で負けるなよ!」
「大丈夫!俺がいるもん」
「だからだよ〜お笑いがレギュラーだから心配なのよ〜」
「なに〜」
同じクラスだった僕たちは、仲が良かった。
でもお互い、付き合っている訳ではなかった。
夏季大会直前。
全校生徒の前で壮行会が開かれる。
レギュラー組は全員ユニフォームを来て、壇上に立ち、全校生徒からエールを送られる。
壇上に整列していると、彼女が僕の横に立っていた。
応援団のエールも終わり、お決まりの万歳をしている時、彼女を見て思った。
ワキ毛剃れよ!
1999/04/21(水)
今日は仕事が遅かった・・・
今帰りました〜
はぁ〜飲んで騒ぎたいっす!
今日のトピックス!
深夜の電車は酔った男性の性欲むき出し状態と自衛本能の強い女性の一騎打ちを良く見ます。
今日も帰りの電車で、酔っ払いオヤジ(推定年齢40代)の乱行状態を見ました!
そのオヤジは電車に入ってくるなり、吊革に掴まり「ふぅ〜うぃ〜ふぅ〜うぃ〜」と繰り返しています。
それだけでも周囲には、アルコール臭い異臭が漂っています。
電車がゆれるたびに、おぼつかない足がまるでタップを踏んでいるようにタッタッタッ!タッタッタッ!とけたたましくふんばっています。
そして、いきなり荒業を見せました!
なんと右足の爪先を軸に、バレリーナのようにクルクルと回り始めたのです!
手はしっかり吊革に掴まっているので、とても奇麗に回っています!
そしてある程度回ったら、吊革から手が滑ってガクッと倒れるのです。
私は、それを何回か繰り返しているオヤジを見ていると、それだったら全国大会も優勝だ!と応援してあげたくなりました。
ですが、その倒れる方向を見て私は有る事に気が付いたのです!
そうです!必ず女性に向かって倒れるのです!
椅子に座っている女性や、入り口の近くに立っている女性に向かっておもむろに・・・
その後必ず「しゅんましぇん!」と謝っていました。
新手の痴漢ですね!
しかし酔って回った上に、女性に向かって倒れるなんて・・・相当練習したんだろう!
やっぱり全国大会はあのオヤジのもんだな!
でも全国大会って何だろう?
1999/04/20(火)
最近、一番気になる姫と電話で話した。
楽しかった。
でも・・・口説けなかった。
愛ってそんなものかもしれない。
本気なら本気になるほど・・・
メール明日出します・・・姫!
1999/04/19(月)
あ〜楽しくない!
なんか最近仕事ばっかりしているぅ〜
しかも夜も遅いのよぅ
毎日の日課はオナニーくらいになりそうだ!
これでは腐ってしまうぞ〜〜〜〜〜〜〜〜!
はぁはぁはぁ
叫びすぎた。
こんな愚痴の日記は誰も読みたくないと思うので、今日のトピックス!
ある会社の受付嬢と仲良くなりました。
って言うか、テレコミではなくふつ〜に話してたら、仲良くなってた。
う〜ん、これが私の特技なのだろうか・・・
外見は小柄で、細身。
ネコ目で色っぽい。
彼女はとっても奇麗なのですが、私の一番苦手なタイプです。
色っぽい笑顔の裏はカナリ計算高そう!
まぁ〜受付嬢という仕事柄、愛想は良いのですが・・・
そんな彼女には彼氏がいるそうです。
しかも!私の会社に!
2人で飲みに行ったわけではないので、そんなに深くは話さなかったのですが、内情調査されました。
「彼氏はいつも忙しいって言ってるけど本当ですか〜?」
とか
「土日も仕事有るんですか〜?」
とか
「オフィスって携帯の電波悪いですよね〜」
とか。
これって最後だと思いません?
相手の女性が好きならば、二人で逢う時間を作るのが普通ですが、相手の事がそんなに・・・なら仕事を作ります!
本当に仕事かどうかは分かりませんが・・・
こんな時の女性ってねらい目なんでしょうね!
自粛期間中の私には、行動は起こせませんでしたが・・・
今度はその彼氏に逢ってみるつもりです。
どんな奴だろう?
最近ネットがムカツキマス!
そろそろ潮時かも・・・
げへげへ
1999/04/17(土)
「君の香り」
香水 トワレ パヒューム コロン シャンプー リンス 石鹸・・・
ほのかな香りは 目に見えない魔法
君と逢う時 君の香りに逢える
君と一緒にいる時 君の香りに僕も包まれる
君と離れた時 君の香りがいつまでも忘れられない
僕の好きな香りは無い
君を好きになった時 君の香りは僕の一番のお気に入になる
君と別れた瞬間 君の香りは消えてしまう
色も 形も無いものが 消えてしまう
初めから見えないものだったのに・・・
消えてしまう
街の中 歩道の上 電車の中 ほのかに匂う君の香り
僕は探してみる
しかし君はいない
人混みの中 君の香りがそこにいたような気がした
二度と逢えないその香りが そこに確かにいたような気がした
香りのDejavu
また逢える そんな気がした
感想を送ってください