藤本美貴「美マンティック 淫らモード」
■第二部■
会場内が明るくなり、「休憩時間は15分です」というアナウンスがあった。
会場内は、藤本美貴ちゃんのオールヌードを、いや、それ以上のものを見ることができた喜びで興奮に沸き立ち、異様な雰囲気になっていた。
休憩開始と同時に、素早く何人かがデジカメやビデオカメラをもって、トイレに立った。
今、写したばかりの美貴ちゃんのモロ画像を見ながら、オナニーをするのかもしれない。
トイレに行かない連中も、自分の席で画像や動画を再生して食い入るように見ている。
なかには周りをまったく気にせずに、画面を見ながらズボンから肉棒を取り出してしごいている強者もいた。
だが、僕はとてもそんな気分にはならなかった。
僕の目の前数メートルの距離で、さっきまで躍動していた美貴ちゃんの裸体の残像が、まだ目に焼き付いていたからだ。
十七歳のアイドル、藤本美貴ちゃんのかわいい笑顔。
いかにも北海道出身であると思わせる白い肌。
小さめの、かわいいバスト。
はち切れそうなヒップ。
ムッチリとした太股から伸びる、綺麗な脚のライン。
そして……自ら拡げた股間の鮮烈なピンク色。
僕の網膜に焼き付いたそれらのショットが、絶え間なく脳裏にフラッシュバックする。
過激だったシークレットライブ・第一部の内容に、僕は呆然としていた。しかもまだ前半でしかない。この後の第二部はどうなるのだろうか。
僕は不安に胸を痛め、期待に股間を膨らませながら、第二部の開演を待っていた。
■■■
十五分と言っていたがトイレから戻ってこない観客が多かった為、第二部開演を告げるブザーが鳴ったのは、それから二十分後だった。
「お待たせ致しました。藤本美貴・シークレットライブ、第二部を開演いたします!」
アナウンスとともに場内の照明が落とされ、スポットライトが誰もいない舞台を右に左に照らし出す。
と、舞台の袖から、藤本美貴ちゃんが再び現れた。
「ウワアアアアアアア!」
沸き上がる場内。
今度の美貴ちゃんの服装は、デビュー曲のプロモーションビデオで着ていた、アイビー調の女子校生スタイルだ。
上はピンクのボタンダウンのブラウスに白のニットのベスト。
下はチェックのミニスカートに紺色のハイソックスとスニーカーだ。
第一部と同じように、ワイヤレスマイクを左耳に装着している。
「みなさーん、第二部も、がんばって脱いじゃいますから、応援して下さいねーっ」
顔の横で両手でピースサインを作る、いつものポーズでミキティスマイルが炸裂だ。
「ウオオオオオオオオオ!」
場内は、一気にヒートアップだ。
ユーロビートの激しい曲がかかり、美貴ちゃんのコスプレ・ストリップが始まった。
今度は歌を歌いながらではなく、また歌詞に合わせた振り付けでもない、オーソドックスなストリップダンスだ。
激しいビートの曲に乗りながら、女子校生スタイルの美貴ちゃんは、腰を左右に振って踊る。ステップを踏みながら舞台上をクルクルと回った。ミニスカートが、遠心力と風圧でふわっと舞い、パンティーが見えた。
「わあああああああああっ!」
今度はピンク色のパンティーだ。さっきの純白パンティーよりもビキニ度は高い。
曲のサビの部分に入ると、美貴ちゃんは両足を広げて舞台中央に立った。
「皆さーん、美貴のパンティー、見てくださぁーい!」
チェックのミニスカートの裾を摘むと徐々に持ち上げていく。
リンボーダンスの様に背中を後ろに反らす。
ああっ、美貴ちゃんの美脚が、あっ、パンティーのデルタゾーンが、見えた。
「ワアアアアアアアアアア!」
歓声の中、美貴ちゃんは、完全にスカートを捲り上げた。
「はぁーい、今度はお尻でぇーす!」
そう言ってクルッと後ろを振り向くと、パンティーの食い込んだお尻をクイッと僕たちに突き出す。
左右にミキティの形のいいお尻が揺れた。
美貴ちゃんはニコニコと微笑みながら、スカートを元に戻すと正面に向き直る。
ベストの胸元やミニスカートの股間の前に、手を伸ばす。
胸を揉んだり、手のひらで股間をこね回す。
「どう……、ですかっ? 美貴って、こんなに……エッチなんですよぉ」
目をトロンとさせ、唇を半開きにしたセクシーな表情で僕たちを挑発する。
曲のサビの部分に入ると、手の動きを止めた美貴ちゃんはニコッと笑いながら、客席に向かって脚を蹴り上げた。スカートの中身が丸見えのパンチラ・キックだ。
ピンクのパンティーを見せつけながら、曲のリズムに合わせ、右、左、右、左と高々と交互に脚を上げる。
「ヘイッ! ヘイッ! ヘイッ! ヘイッ……!」
僕たちも、美貴ちゃんのキックの動きに合わせ、かけ声をかける。
いつものイベントのような明るいノリだ。
一曲目が終わると、照明がピンク色に美貴ちゃんを照らし出した。
いよいよこれから「脱ぎ」の時間だ。
曲名は判らないが、男性歌手のボーカルが入ったスローバラードの洋楽がかかる。
「ヒューヒュー!」
観客が、掛け声や口笛を飛ばし、美貴ちゃんを煽る。
美貴ちゃんは、僕たちを恨めしそうに睨みつけてから、白いベストをゆっくりと脱ぎ始めた。
「オオオオオオオオオオオオ!」
後ろを向いて、スカートをはいたまま腰をくねらせ、パンティーを脱いだ。
「ワアアアアアアアアアアア!」
「はぁーい! 美貴からのプレゼントでーす!」
美貴ちゃんは脱いだパンティーを、一番前に座っていた観客の頭に被せた。脱ぎたてほやほやのパンティーのプレゼントだ。お宝もののパンティーだ。
さらに曲に合わせて身体を揺らしながら、美貴ちゃんはブラウスのボタンを外す。胸元がはだけ、白い肌が顔を覗かせている。
「さ、さあっ、み、美貴の……、美貴のオッパイ、見て、下さいねっ」
美貴ちゃんは、ブラウスに手をかけ、左右に開いた!
第一部とは違い、今度ははじめからノーブラだ!
美貴ちゃんのかわいいオッパイが、小さく震えながら顔を出す。
「ウオオオオオオオオオオオオオ!」
美貴ちゃんは下唇を噛み、顎を引いて上目遣いに歓声をあげる僕たちを見つめながら、ブラウスを脱ぎ捨てると、スカートのファスナーを下ろした。ホックに手をかけながら再び後ろを向く。
「美貴の、お、お尻も、見てぇえっ!」
スカートが、床に落ちた。
「ワアアアアアアアアアアアアッ!」
客席は総立ちだ。もちろんぼくらの股間も総立ちだ。
アイドル・藤本美貴ちゃんが再び全裸になった。
いや、まだハイソックスと靴を履いたままだったが、その姿がかえってエッチだった。
きれいな背中のラインと、プリン!と上がったお尻がかわいい。
僕の股間も素直に反応して、既にカチンカチンになっている。
美貴ちゃんは両手で股間を隠したまま、スローテンポの曲に合わせて身体をくねらせながらゆっくりと正面を向いた。
「ああっ、は、恥ずかしいっ!」
僕たちと顔を合わせると、美貴ちゃんは顔を赤らめて俯いた。
「で、でも、皆さんは、美貴の、ア、アソコを見たいんですよねっ」
「ウォオオオオオオオオオオオオオオオ!」
「ミキティ! ミキティ! ミキティ! ミキティ……!」
僕たちは、夢中で手拍子をしてミキティコールだ。
「わ、わかりました。今からお見せしますからっ。いっぱい見て下さいねっ。美貴の『オマンコ』をっ!」
再びアイドルが口にすべきではない禁断の四文字を、美貴ちゃんが再び発した。
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
美貴ちゃんのストレートな宣言に、会場のミキティ・コールが再び大歓声に変わった。
その歓声の中、美貴ちゃんはステージの一番前まで進んだ。ちょうど中央部、前に伸びている通路の手前だ。
美貴ちゃんは片手でアソコを隠しながら、その場所に体育座りの格好でゆっくりと腰を下ろした。太股をピッタリと閉じ、両手を背中の後ろに回して身体を支えている。
同時に会場は再び静まり返り、BGMのボリュームが上がっていく。美貴ちゃんはタイミングを計るかのように音楽に合わせて軽く頷いていたが、曲のクライマックスに合わせて、叫んだ。
「ハ、ハイッ!」
美貴ちゃんは、そう叫ぶと同時にスニーカーとハイソックスを履いた脚を、左右に大きく広げた。お尻を支点に、Vの字に大きく脚を開く。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
声にならないどよめきが、場内を満たす。
大きく開かれた美貴ちゃんの綺麗な脚。
館内の空調の起こす風に、柔らかそうな股間のヘアがそよそよと揺れる。
そして、僕たちに向かって突き出されているミキティのオマンコは、スポットライトの光を受けてキラキラと輝いていた。
(ああっ、美貴ちゃん、ミキティ、綺麗だっ!)
僕のその想いに同意するかのように、客席のあちこちから、唾を呑み込む音やため息が洩れる。
もちろん、僕を含めた五十人の視線は、美貴ちゃんの股間、その一点に集中している。
「ああっ、はぁっ、ああっ、皆さん、見てるんですねっ。ああっ、恥ずかしいっ。皆さんの視線が、美貴のオ、オマンコに集まってるのがわかるのっ」
美貴ちゃんは頬を赤らめ目を伏せて顔を俯かせた。
ミキティの肩が震え始めた。
泣いてる!
いままでずっと太陽のような明るさで、僕たちに微笑みかけてくれたミキティが、泣いてる!
無理もない。まだ十七歳の女の子がその穢れのない裸身を、五十人のスケベな男の好奇の目に曝しているのだ。
(励まさなきゃ、ここで、ミキティを励まさなきゃ! ファンじゃない!)
僕は、大きな声で叫んでいた。
「ミキティー!がんばれー!」
僕の声が、場内に響く。それに呼応して、他のファンもミキティーに声援を送り始めた。
「綺麗だよ、ミキティー!」
「がんばれ、美貴ちゃーん!」
足踏みが起こり、再びミキティ・コールが起こった。
「ありがとう、皆さんっ。ありがとう!」
涙で濡れた顔を上げると、美貴ちゃんは座ったまま踊り始めた。
脚を動かし、手を閃かせながら、優雅に舞う美貴ちゃん。
ぎこちない踊りだったが、その美しい裸身は天女のようだった。
2曲目が終わった。場内が暗転した。
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「ミキティ、よかったよー!」
「美貴ちゃーん!」
僕たちはカメラやビデオを椅子に置いて大拍手だ。
■■■
スポットライトが、再び点灯された。
美貴ちゃんは、オッパイは丸出しのまま、そして股間は両手で隠した姿でステージの中央に直立していた。
美貴ちゃんが目を開けた。
スポットライトを浴びてちょっと眩しそうな表情だ。
口元に伸びたマイクを軽く指先で叩いて、音が出ることを確認すると、美貴ちゃんはMCを始めた。
「い、いかがでしたか?み、美貴のオマンコ、よく見えましたか?」
だが、会場は沈黙したままだ。少し戸惑っている反応だ。確かに見せてはもらったが、第一部に比べれば、ほんの僅かな時間でしかなかったからだ。
「そ、そうですよね。あんな短い時間じゃ、皆さん、満足しませんよね」
会場の雰囲気を察してミキティはあわてて取り繕うかのように話し続ける。
「あ、あのっ、これから……、これから美貴が皆さんにオナニーをお見せしますからっ、それで許してくださいっ」
「わああああああああああああああああああああああ!」
な、なんてことだろう!
トップアイドルの美貴ちゃんのオナニーが、生でみられるなんて!
僕の動揺をよそに、3曲目のBGMのイントロが始まった。今度も洋楽のスローバラードだ。セクシーな女性ボーカルの声が流れ始める。
僕たち観客は、再びカメラを構えて美貴ちゃんを撮り始めた。
スポットライトの色がピンク色に変わると、美貴ちゃんはステージの中央から伸びる通路を僕たちのいる客席に向かって歩きはじめた。
ああっ、美貴ちゃんが歩みを進める度に、かわいいオッパイがプルプルと揺れている!
美貴ちゃんは「盆」のところで床に座ると、ゆっくりと両足を開く。
僕の目の前に、美貴ちゃんのオマンコが広がった。
「オオオオッ!」
会場内に小さなどよめきが起こる。
「そ、それじゃあ、オナニー……しますねっ!」
美貴ちゃんは、股間を自分のイニシャルと同じM字型に開いたまま、仰向けになった。
両手をオッパイにあてがい、ゆっくりと揉み始める。
形のいいお椀形のオッパイが、美貴ちゃん自身の手でこね回され、絞り上げられていく。
しばらくは、BGMにあわせてぎこちなくオッパイをいじっていた美貴ちゃんだったが、数秒もたたないうちに、身体が震え、声が上がり始めた。
「ああっ……、はあっ……、ああんっ……」
荒い吐息とともに、洩れだした美貴ちゃんの声をマイクが拾った。
BGMのスローバラードも美貴ちゃんの声を僕たちに聞かせるために、必要最小限のボリュームに音量が絞られた。
自分の声がクローズアップされた美貴ちゃんは、会場に響く自分自身の声に興奮を煽られたようだ。左手でオッパイを揉んだまま、右手を股間に滑らせていく。
「んああああっ! はあんっ!」
指が花びらに触れただけで美貴ちゃんは声をあげ、開かれた両足がガクガクと震えさせている。
その指が、割れ目に沿って上下に動き始める。
「ああっ、あーっ! み、皆さんが、見てるから、いつもより感じちゃうっ! ううっ、ああん!」
(い、いつもよりって……、そんなに頻繁にオナニーしてるのか、美貴ちゃん!)
僕はビデオカメラのファインダー越しに、美貴ちゃんの指の動きと、その指先にあるものに目をこらしていた。
切れ上がったピンク色の薄めの陰唇が、美貴ちゃんの細い指先で嬲られていく。
次第に右手の動きが早くなった。
オッパイを揉む左手の指の隙間から見える乳首も、硬く膨らんでいた。
「ああっ、私、もう……ああっ、あんっ」
手の動きが早くなり、喘ぎ声が大きくなっていく。
「ああっ、皆さん、み、美貴は、……美貴はいけない子です。ああっ、ハロプロのコンサートとか、こ、こういう握手会みたいなイベントの前の日は、緊張して、眠れないから……、ああうっ、こ、こうやって、オナニーしてるんです。美貴は、オナニーした手で、皆さんと……あ、握手をしてたのっ。ああんっ、ご、ごめんなさいっ」
潤んだ目で観客を見ながら、美貴ちゃんからの衝撃的なひとりエッチの告白だ。
「スゲエ! ミキティ!」
「大丈夫だ、俺達だってやってるんだ!」
「いいんだよ、美貴ちゃん」
観客からは、美貴ちゃんを励ます声が飛ぶ。
「ほ、ほんとに、あうっ、い、いいんですか? だって、美貴は、こんなコトもしちゃってるんだよ」
美貴ちゃんの指の動きが、大胆になっていく。
左手もオッパイから放し、下腹部に伸ばされた。
その伸ばした手で、割れ目を目一杯開く。
美貴ちゃんのピンク色の身体の中が、奥まで見えた!
空いた右指は割れ目の上の方、クリトリスのあたりを突き立てた指の先でこね回し始めている。
「はあんっ、ああっ!」
美貴ちゃんの細くて白い指がクリトリスを激しくいじっている。
「ああんっ、み、美貴は、お家で、みんなに内緒で、こんな、こんないけないこと、しちゃってるんだよっ。はあっ、ああっ……」
敬語を使っていた美貴ちゃんが、タメ口になっている。それだけ興奮しているのだろう。
本職のストリッパーなら、演技で感じているような表情をみせるのだが、ストリップはズブの素人の美貴ちゃんは、本気でオナニーをして感じているのだ。その生々しさが、迫力となって僕たち観客の煩悩を揺り動かしていく。
美貴ちゃんの背中がのけぞる。
「んはぁあああっ。ああーっ、み、見えますか? 美貴のオナニーしてるところ。ねえっ、見えてるっ?」
ウィィィン!
軽いモーター音とともに、美貴ちゃんの座っていた「盆」の部分が、上にせり上がる。
三十センチほどせりあがると、ちょうど美貴ちゃんのオマンコが、モロに席に座った僕たちの目線に見える高さだ。
ビィィン!
「盆」はオナニーを続ける美貴ちゃんをのせたまま、時計回りにゆっくりと周り始める。
こうやってお客さん全員にアソコがよく見えるようにするシステムなのだ。
ミキティの股間は、客席の向かって左側の観客の方を向いた。
「ああっ、見てっ、見て! 美貴の恥ずかしいところ、いっぱい見てっ」
美貴ちゃんは、サービスとばかりに、オナニー中の股間を突き出す。
「ああっ、すっげー、超、綺麗だよ、ミキティのアソコ!」
「ミキティ〜! もっとオマンコ見せてくれ〜!」
観客からは、普段のイベント会場では考えられない、えげつない内容の声援だ。
「は、はいっ。あのっ、これで……いかがですか?」
オナニーをしている手を止め、両手で左右から、土手の肉を引っ張る。
くちゅっ!
トロトロになった愛液の糸を引きながら、ミキティの割れ目がパックリと口を開け、ピンク色の花びらが顔を出した。
(濡れてる! 美貴ちゃんのオマンコ、濡れてるんだ!)
さっきから膨らみっぱなしの僕の股間が、ビクンと震えた。
「すげぇ! 見えるよ、美貴ちゃん!」
「綺麗だよー! 最ッ高ッ!」
「ミキティ、ビラビラをこすって〜!」
「は、はい、こ、こうですかっ。アアッ!」
観客からねだられるまま、素直な美貴ちゃんは再び左の指でVサインを作ると、割れ目をこじ開けた。右手をその中に突っ込み、ピンク色の花びらを上下にこする。
ピチャ、ピチャッ……。
子猫が皿のミルクを飲むときのような音が聞こえる。
「ああっ、あっ、恥ずかしいっ、私、濡れちゃってる! ああんっ、なんか、変になっちゃうよぉっ」
ピチャピチャピチャピチャ!
濡れた指が立てる音が、激しくなる。
「あはああああああん! はあっ、、アアッ、アッ、アアン!」
美貴ちゃんは、徐々に登りつめていく。
「盆」がさらに回転し、美貴ちゃんのおっぴろげられた股間は、最後までおあずけを食っていた舞台右側の観客の目にさらされた。
「スッゲー! ミキティ、グショ濡れだぁ」
「濡れて、ミキティのマンコがキラキラ光ってる〜」
「♪〜すんげえ、すんげえ、すんげえ、マンコ!」
をいをい、それはあややの曲だろー。
観客の思考回路も、もうぐしゃぐしゃだ。
「ああっ、もっと、もっと感じたい! 感じてくると、いつも美貴、こうして、この格好でオナニーするのっ!」
美給Mちゃんは、身体を起こした。仰向けの体勢からうつぶせになり、膝を床に立てた。四つん這いでお尻を高く上げた恥ずかしい格好だ。
「オオオオオオオオオッ!」
大胆な美貴ちゃんのポーズに、観客席がどよめく。
「ああっ、こんな格好で、皆さんに見られながら、オナニーするのって、ああっ、でも、でも感じるぅ!」
ヒップを左右に振りながら美貴ちゃんは股の間に右手を伸ばし、また指を激しく使い始める。割れ目から顔を出している花びらや、クリトリスをいじり回す。勢い余った指が、時折花びらの間に埋まって、
「はうううっ! アアアアッ」
と、大きな声が洩れた。
ショートカットの頭がのけぞり髪が振り乱れ、汗で頬に張り付いている。
「ああっ、ハァッ、アアッ、ハッ、ハッ、み、美貴、イキそうっ、もういきそうなのっ! みっ、皆さん、美貴、イッちゃっても、いい、ですかっ?」
白い頬を紅く染めながら、美貴ちゃんが叫ぶ。
「いいぞー!」
「イケイケ、ミキティ!」
「思い切りイッちゃえー、美貴〜!」
僕たち観客は、もう充分満足していた。
あとは、美貴ちゃんがイクのを静かに見守るだけだ。
「盆」の回転が止まり、美貴ちゃんはまた仰向けになった。
ハイソックスを履いた脚を開いたまま宙に浮かせた。赤ちゃんのオムツ替えのときの格好だ。
「みんな、見ていてねっ。美貴がイッちゃうとこ、見ていてっ、ねっ! アアッ、アハッ、アアーアーアーッ!」
会場いっぱいに、泣き声混じりの美貴ちゃんの喘ぎ声が響く。
ミキティの両手が、割れ目を、花びらを、クリトリスを、激しくこする。
ミキティの愛液が、「盆」の床を濡らす。
ミキティのお尻が、太股が、オッパイが、ビリビリと震える、
BGMも美貴ちゃんの声に負けじと再び音量をあげて、ムードを盛り上げる。その曲が、ちょうどクライマックスに達した時だった。
美貴ちゃんの身体が反り返り、見事な弧を描いた。
「アアアッ、アー、アー、アー、アアアアンッ! イクッ、アーーーッ、イ、イクウウウウウウッ!」
スピーカーが壊れるくらいの大音量で美貴ちゃんが叫ぶ。
その残響とともに、照明がゆっくりと消えていった……。
■■■
場内の照明が点いた。
美貴ちゃんは、起きあがると恥ずかしそうに微笑んだ。
「ああっ、いっぱいおツユがでちゃいました……。こんなに感じちゃったの、美貴、初めてですっ」
「ワアアアア!」
「最高! ミキティ!」
「俺、もう死んでもいい!」
場内は大興奮だ。
アイドル・藤本美貴のオナニーショーが拝めたのだ。
僕も、大満足だった。
(これで、終了かな……)
と、僕がビデオを止めようとしたときだった。
男性アナウンスが、またまた信じられない事を告げた。
「それでは、引き続き、『藤本美貴・タッチショー』を行います」
タ、タッチショー!
ミキティのアソコに触ることができるのか!
アナウンスが続く。
「……皆様お手持ちの招待状の番号順にこちらに、お並び下さい。おひとり十五秒間ずつ、藤本美貴の身体に触れることができます」
「オオオオオオーッ!」
会場内に、今日何度目かのどよめきが起こった。
僕たちはミキティの局部全開、そしてツユだくオナニーが見られただけで充分満足していた。
でもさらに、オッパイに、オマンコに、触れることができるだなんて!
舞台の中央に、肘掛けつきの一人掛けのソファーが持ち出された。黒い革張りのそれは、テレビショッピングでよく見かけるマッサージ器つきの椅子に似ていた。
スタッフに抱えられるようにして、美貴ちゃんがそのソファーに座った。男性スタッフが、ソファーのリクライニングを少しだけ倒し、美貴ちゃんの右脚、そして左脚を、肘掛けに乗せた。膝の裏側を肘掛けに乗せたM字開脚のポーズで、美貴ちゃんが椅子に固定された。すかさず女性スタッフが濡れタオルで、股間に残ったオナニーの名残を拭き取る。
その様子を見ながら、僕たちもアナウンスに従い、招待状の番号順に舞台の下の階段を先頭に五十人の行列を作った。もちろん五十番目の僕は、最後尾だ。
普通、ストリップのタッチショーというのは、踊り子さんがお客さんの間を回って順に触らせるのだが、今回は五十人全員に触らせるために、握手会のような形式にしたのだろう。
「いいですか、くれぐれもお願いします。美貴ちゃんには、上からやさしく触るだけにして下さい。写真やビデオ撮影はOKですが、オッパイをきつく揉んだり、指をオマンコに突っ込んだりといった過激な行為が見られた場合はその場で即退場。罰金として百万円を頂きます」
男性スタッフの注意事項のアナウンスをみんな黙ったまま、真剣に聞いていた。百万円を払ってでも指を入れるかどうか、悩んでいるのかもしれない。
「それでは、一番の方から、どうぞ」
場内に美貴ちゃんのCDがBGMとして流れ始めた。呼ばれた一番目の観客が、用意されたおしぼりで手を拭き、スタッフのチェックを受けると美貴ちゃんの前に立った。
「あ、あのっ、握手……」
「はいっ、ありがとうございます」
差し出された右手を、美貴ちゃんはいつもの握手会の時と同じように、両手でしっかりと握り微笑んだ。
「あ、あの、ミキティ、オ、オマンコ、触っていいかなっ」
「はいっ、どーぞ!」
美貴ちゃんは、大胆にも握った右手を自ら股間に導いた。
「うわあ、柔らけー!」
ブブーッ!
時間切れのブザーが鳴った。
「はいっ、次の方」
「お、俺、この前の、イベントで握手してもらったから、オッパイ触らせてもらっていいかな」
「ウフッ、わかりました。はい、どーぞっ」
美貴ちゃんは男の差し出した手を取り、自分の胸にあてがう。
「くうう、すんげー!」
「下の方はいいんですか」
「あ、ああ、触らせて……」
ブブーッ!
ミキティの下腹部に触れたかどうかのうちに、時間が来たようだ。
たしかに僅か一人十五秒ずつでは、美貴ちゃんと言葉を交わしながら、タッチできるのは二ヶ所がいいところだ。
必然的に、みんな、美貴ちゃんのオッパイとオマンコへのタッチが多くなっていく。
最初の十人はまだ良かったが、二十人、三十人とタッチをさせているうちに、美貴ちゃんの顔が火照り、お股がまたツユだくになってきたようだ。
「ああんっ、美貴、感じてきちゃった。ご、ごめんなさいっ、ちょっと……」
途中で小休止を入れて、女性スタッフが濡れタオルで美貴ちゃんの股間を拭く。だが、美貴ちゃんの股間の洪水はおさまりそうになかった。
こうなると、順番の遅い者ほど有利だった。
「うわあ、すっげー! 俺、一生この手を洗わないぞー」
「ああっ、すげえ、ちょっと触っただけなのに、もうベトベト!」
「んぐっ、ハアハア、ウマー!」
たった今、股間に触れたばかりの手を舐めて、興奮する輩も出てきた。
さらに、
「あ、あのー、記念にこのハンカチに美貴ちゃんのお汁、つけていいですかぁ」
などと言い出す者も出る始末だ。いったんはスタッフに断られたものの、美貴ちゃんのOKが出て、ハンカチの件は認められたようだ。
そうこうするうちに、いよいよ五十人目、僕の番がやってきた。
「はい、最後の方、どうぞ」
「あ、はい」
僕は、全裸でソファーに座って、股を広げたままの美貴ちゃんの前に立った。
緊張に脚が震えていた。しかし、僕の目は美貴ちゃんの裸身をしっかりと見ていた。四十九人の男達に身体中を触られ、かなり疲れている様子だった。
それでも健気に、美貴ちゃんは笑顔で僕を見上げ、話しかけてくれた。
「こんにちは。今日はどうもありがとうございます。あっ、さっき第一部で一番最初に拍手してくれた方ですよね。さあ、どーぞっ」
美貴ちゃんは。僕のために身体の位置をずらし、脚をより大きく広げてくれた。
「み、美貴ちゃんっ! あ、あのっ……」
僕は絶句したまま、美貴ちゃんの身体に手を出せずにいた。
「フフッ。どーしたんですか? さあっ、触って下さい……」
美貴ちゃんは屈託なく微笑みながら、僕の手を取って股間へと導いてくれる。
(だっ、だめだ、だめだよ、美貴ちゃんっ)
だが、僕は、唇を噛んだまま、手を伸ばさずに美貴ちゃんの誘いを拒んでいた。
(これ以上、美貴ちゃんの綺麗な身体を汚しちゃいけない!)
僕に与えられた二十秒が次第に失われていく。異常な舞台上の状況に、観客たちがざわめいているのがわかった。
「何だ、あいつ?」
「もったいねーな」
だが、なんと言われようと僕は、美貴ちゃんの裸身に触れる気にはなれなかった。
ブブーッ!
ブザーが鳴り、僕の二十秒が終わった。
結局、僕は美貴ちゃんの身体に触れる事なく舞台を降りた。
僕の方を不思議そうに見ながら、美貴ちゃんがソファーから立ち上がった。
「……皆さん、どうもありがとうございましたー」
握手会の終了の時と同じように、美貴ちゃんは頭を下げた。
「ワアアアア!」
「ミキティ! ありがとー!」
「俺、死ぬまでこの手を洗わないぞー!」
拍手と感謝の声が、観客から飛んだ。長々と続く拍手は、なかなか鳴りやまなかった。
それがようやく収まり、会場内が静かになるのを待って、再び美貴ちゃんの口が開いた。
「あ、あのっ、ここで私から、もう一つ、み、皆さんにプレゼントが、あ、ありますっ」
こころなしか、美貴ちゃんの声が震えている。
何だろう。
もうすでに、僕たちは美貴ちゃんから充分すぎるくらいのプレゼントを受け取っていた。
特出しオープンのストリップ。
オナニー全開のベットショー。
僕は触れなかったが、観客一人一人にサービスしてくれたタッチショー。
これ以上、何があると言うのだろう。
いや、ストリップでまだ美貴ちゃんが演じていない演目が、ひとつだけ残っていた。
(だ、だけど、まさか、美貴ちゃんがそんなこと……)
僕は、自分の想像を必死にうち消そうとした。
「あ、あのっ、そ、それは……」
僕は、いや、観客全員は固唾をのんで美貴ちゃんの次の言葉を待っていた。
「それは、私、藤本美貴の、ナ、ナマ板本番ショーですっ!」
一瞬、美貴ちゃんが何を言ったのかがわからず、観客席は水を打ったように静かなままだった。その静けさを破って、美貴ちゃんの口からとどめの一撃が放たれた。
「あ、あのっ、美貴の……美貴のバージンを、皆さんの中からおひとりの方に差し上げますっ!」
「ウワアアアアアアアアアア!」
会場内は大パニックだ。
僕の悪い想像が、また当たってしまった。
ストリップの究極の演目、それはナマ板本番ショーだ。
舞台上に観客を入れ、ストリッパーが観客と本番セックスをするという過激な内容だ。
それをアイドルの藤本美貴ちゃんが演じようというのだ。しかも自分の処女を、僕たちのうちの誰かに捧げるというのだ。ああっ、何てことだ!
美貴ちゃんのストリップには先頭を切って賛成した僕も、これだけはあってはならないと思っていた。だが、場内の興奮した観客たちには、もう何を言っても通じないだろう。僕が反対したところで、袋だたきにあうのがオチだ。
舞台の上に、よく歳末大売出しの福引きの時に使われる回転式の抽選器が引き出された。
抽選器とともに現れた男性スタッフが、マイクで観客に説明を始める。
「いいですか、今からこの中に一番から五十番の番号のつけられたボールを入れます。藤本美貴ちゃん自身が、これを回します。出てきたボールの番号の招待状を持っている方が、藤本美貴ちゃんのバージンをゲットする事ができます。いいですね!」
観客は静まり返り、説明を聞きながら抽選の準備が進められていくのを見守った。
滞りなく準備が終わった。
「お待たせしました。それでは幸運な方、おひとりを選ぶ抽選に入ります」
男性スタッフのアナウンスとともに、場内にドラムロールが流れた。
美貴ちゃんが、抽選器のレバーを握った。
ジャラッ、ジャラッ、ジャラッ……。
抽選器に入れられた、小さなパチンコ玉大のプラスチックボールが音を立てている。
「いきまーず!」
美貴ちゃんが大きな声を上げて、抽選器を一回転させた。
コトッ!
白いボールが、受け皿に落ちた。
ドラムロールが止まった。
美貴ちゃんが震える手で、ボールを指先でつまみ上げた。
「え、えっと、発表しまーす……当選者の方は……」
僕以外の観客全員は、両手を組んで普段崇拝などしていないだろうはずの神仏に祈っていた。
「……おめでとうございます、当選者は、五十番の方です!」
美貴ちゃんのかわいい声が、僕の招待状に書かれた番号を高らかにコールしていた……。
(つづく)