魔導書一覧


クトゥルフ神話に関係する魔導書一覧

・アザトースその他の恐怖(AZATHOTH AND OTHERS)
エドワード・ダービイ著,1919年
 アーカム生まれの詩人が18歳のときに出版した詩集。
 黒い表紙の薄い本で、1400部がボストンで印刷され、出版された。
 内容は宇宙的恐怖の叙情を称えたものであり、読むものを戦慄させる。
 ダービイ自身、「ネクロノミコン」や「無名祭祀書」「エイボンの書」の読者であった。
(ラヴクラフト「戸口にあらわれたもの」)          

・エイボンの書
 ハイパーボレアの魔導師、エイボンの著書。記されたのは太古の昔。
 暗黒の神話や呪文に関する集大成である。
 「ネクロノミコン」に記載されていないような内容すらあるという。
 主にツァトゥグァ、ヨグ=ソトースについて記述されている。
 エイボン自身はツァトゥグァの信奉者であり、原典はハイパーボレア語である。
 現在、3つの版が確認されている。
・エイボンの書(ラテン語,LIBER IVONIS)
カイアス・フィリパス・フェイパー訳,9世紀
 ラテン語で書かれた、現存する最古の「エイボンの書」。
 印刷されたものでなく、綴じられた写本の状態である。
 6部だけが図書館に存在する。
・エイボンの書(フランス語,LIVRE D’IVON)
ガスパール・ド・ノール訳,13世紀
 装丁された手書きの状態。
 部分的なものと完全なもの、合わせて13部が現存する。
・エイボンの書(英語,BOOK OF EIBON)
翻訳者不明,15世紀
 欠陥のある不備な翻訳。
 手書きのものが18部存在している。
*他にもガルパル・ドゥ・ノルドによるラテン語版なども挙げられる。
(スミス「ウボ=サスラ」,ラヴクラフト「戸口にあらわれたもの」,ブロック「無貌の神」)          

・エメラルド陶片
作者不明,200年頃
 原典はアラム語、あるいは古典ギリシャ語だが、様々な言語に訳されている。
 中世ヨーロッパの錬金術の中心的な書物。
 短く簡素だが、謎に満ちたほのめかしばかりである。
(???)          

・エルトダウン・シャーズ(ELTDOWN SHARDS)
アーサー・ブルック・ウィンターズ=ホール牧師著,1912年
 イギリス南部で発見された粘土板の破片に書かれた謎の象形文字の翻訳。
 「偉大なる種族」や「イェーキュブ人」に関する記述がある。
 著者が自費出版で350部を印刷。
(ラヴクラフト「超時間の影」他)          

・黄衣のキング(THE KING IN YELLOW)
著者、翻訳者不明,1985年頃
 オリジナルはフランス語だが、出版後即座にフランス政府によって没収処分される。
 英語版は黒い八つ折判、フランス語版は毒々しい黄色い表紙。
 現在確認されているのは英語版で、表紙には大きな「黄色の印」が浮き立たせてある。
 本の内容は意味の曖昧な夢のような芝居であり、読むものを狂気へと誘い入れる。
 特に第二部に目を通した者には、恐るべき運命が待ち受けていると言われている。
 ハスターやヒヤデス星団の謎についても記述があるらしい。
(チェンバース「黄の印」)          

・怪物とその眷族(MONSTRES AND THEIR KYNDE)
著者不明,16世紀頃
 皮で装丁された手書きの本。
 世界に一冊と考えられるが、1898年に大英博物館から盗難される。
 他に、個人が所蔵しているという噂もある。
(???)          

・ガールン断章(G’HARNE FRAGMENTS)
サー・アメリー・ウェンディ=スミス著,1919(1931)年
 探検家ウィンドロップが北アフリカから持ち帰った粘土板の浮き彫りの学術的研究と翻訳。
 原本は大英博物館所蔵。
 マヤ文字に似た点の集合からなる象形文字で、ガールンという地底都市について記述されている。
 他に、消滅した惑星サイオフや、ユゴス、ヒヤデス、世界各地の遺跡などについても言及してある。
 人類以前の文明「古のもの」の歴史書の断片という考え方が通論。
 個人出版された1000部程度が存在する。
*1934年説もあり(こちらの方が有力だが、ゲームだとこうなってる?何故?)。
(ラムレイ「狂気の地底回廊」)          

・金枝篇(THE GOLDEN BOUGH)
ジェームズ・ジョージ・フレイザー著,1890〜1915年
 古代人の宗教や呪術の起源および進化について述べられている。
 著者はイギリスの人類学者であり、未開部族の宗教や風習の研究を行っていた。
 全12巻からなる大著であり、比較人類学の著書としては古典的な地位を占めている。
(ラヴクラフト「クトゥルフの呼び声」)          

・クタート・アクアディンゲン(CTHAAT AQUADINGEN)
著者、翻訳者不明,14世紀頃
 最初のものは初期ラテン語、現存するものは英語である。
 原本は失われている。
 大英博物館に装丁された写本が存在するが、閲覧は許可されていない。
 人間の皮で装丁された他の版も存在し、その版は常に表面が汗をかいている。
 世界で三冊存在が確認されている。
 水中に棲む存在を召喚するための儀式と呪文が、完全な形で記載されている。
 「旧き印」の作成法や、ツァトゥグァの儀式についても記述がある。
(ラムレイ「縛り首の木」)          

・グラーキの黙示録(REVELATIONS OF GLAAKI)
著者多数,19世紀初頭
 ブリチェスター一帯で特に悪名高い、異界に関わる事どもを記した本。
 様々な版が存在するが、完全なものは少ない。
 実証されているのは、1865年にイギリスで出版されたフォリオ判の9巻からなる版のみである。
 個人所蔵書としては、この限りではない。
 内容的には「ネクロノミコン」と重複するものが多い。
 グラーキ、イゴーロナク、ミ=ゴに関する記述がある。
 異次元生物と接触するための装置の設計図も記載されている。
(キャンベル「暗黒星の陥穽」「異次元通信機」)          

・光輝の書
モーゼス・デ・レオン著,1280年
 スペインのカタロニア地方で発見された、古代アラム語で書かれた手稿。
 当初は紀元2世紀の律法学者シモン・ベン・ヨハイの書と考えられていた。
 様々な異なった版があり、様々な言語に翻訳されている。
 内容は、瞑想と啓示を通して神に近づく努力を示す神秘主義的な伝承。
 大変な大冊であり、中身も濃く、難解。
(???)          

・ザンツゥー陶片(ZANTHU TABLETS)
ハロルド・ハドリー・コープランド教授著,1916年
 中央アジア調査隊のただ一人の生き残りである著者が、ツァン高原の墳墓で発見したもの。
 原典は10枚の黒い翡翠の板で、小さな字がびっしりと書き込まれている。
 古代ムー大陸で使われていた言語で書かれていたが、「憶測的な翻訳」として英語訳された。
 あまりに荒唐無稽な内容であるため、発売禁止となっている。
 ザンツゥーは古代ムー大陸から逃れた僧侶であり、コープランドは「ポナペ経典」からその墓を探し出した。
 太平洋海域の古代文明についての記述がある。
(カーター「墳墓の主」)          

・サンの七秘聖典(SEVEN CRYPTICAL BOOKS OF HSAN)
サン・ザ・グレーター著,2世紀頃
 西洋で長い間話題に上っている書物。
 七巻の別々の巻き物になっており、巻毎に違うテーマを扱っている。
 「異形の神々」においては「地の七秘聖典」と呼ばれる書物も登場するが、関連は不明。
 賢人バルザイはこの書に精通していたといわれ、現在ではドリームランドの僧侶が管理している。
 内容は中国語で記されているという事以外は不明。
 古代の神々に関する秘典らしい。
(ラヴクラフト「蕃神」,ラヴクラフト&ダーレス「破風の窓」)          

・屍食教典儀 (CULTES DES GOULES)
フランソワ=オノール・バルフォア(ダレット伯爵)著,1702年頃
 オーガスト・ダーレスの祖先が記したとされる異端の書物。
 フランスでクォート判で出版されたが、直ちに教会から弾劾された。
 世界に、ミスカトニック大学に所蔵されているものを含めて14部が現存する。
 内容は不明だが、最後に人の目に触れたのは1906年である。
(ラヴクラフト「闇をさまようもの」)          

・西欧における魔女信仰(WITCH−CULT IN WESTERN EUROPE)
マーガレット・マレー博士著,1921年
 近代的なイギリスの8つ折判で、いろいろな版や印刷のものがある。
 図書館や本屋で普通にみかける本。
 中世の魔女集会はキリスト教以前の古代宗教の名残であるという仮説が述べられている。
(ラヴクラフト「クトゥルフの呼び声」「レッド・フックの恐怖」)          

・石碑の人々(PEOPLE OF THE MONOLITH)
ジャスティン・ジェフリー著,1926年(1922年説が有力)
 くすんだ赤色の表紙の詩集。
 黒の詩人と呼ばれる著者は、少年時代に体験した超自然現象から悪夢の世界に魅せられるようになった。
 この詩集は彼が17才の時、精神病院に監禁される直前に印刷されたもので、1200部が出版された。
 ハンガリー旅行中に見た、シュトレゴイカパールの「黒い石」に触発されて記したらしい。
 その後、彼は病院で悲鳴を上げて死亡した。
(ハワード「黒い石」他)          

・セラエノ断章(CELAENO FRAGMENTS)
レーバン・シュリュズベリイ博士著,1915(1938)年
 書物や写本ではなく、壊れた石版の形で残されたという禁断の書。
 シュリュズベリイ博士はセラエノの大図書館に滞在中にその秘密に触れ、一部を英語に翻訳した。
 その写本は1部だけが存在し、密封した書類入れに入れられてミスカトニック大学に保管されている。
 博士はその後、謎の失踪をとげている。
 「旧神」や「旧支配者」の秘密について言及されているという。
(ダーレス「永劫の探究」他)          

・ソロモンの鍵
ソロモン王(?)著,紀元前???
 オリジナルはラテン語だが、様々な言語に翻訳されている。
 実際には14世紀頃に書かれたものらしい。
 2巻からなり、1巻は霊の取り扱い、2巻は魔術の技術について記述されている。
 述べられている魔術儀式は複雑で、失敗の理由が事細かに記述されている。
(???)          

・ドジアンの書(BOOK OF DZYAN)
著者不明,???年
 19世紀の神智学者、ヘレナ・ペトロヴィナ・プラヴァツキー夫人が存在を主張する魔導書。
 著書「シークレット・ドクトリン」によれば、「忘れられたセンザール語」で記された、人類最古の写本。
 特殊処理の施されたヤシの葉にまとめられているという。
 内容は、人類以前のレムリアやハイパーボレアの歴史書である。
 古代サンスクリット文書で実在するといわれているが、未確認。
 コリン・ウィルソンは、同書を「ネクロノミコン」の原典と見ている。
 プロヴィデンスのフェデラル・ヒルにある荒廃した教会に存在すると言われるが・・・
(ラヴクラフト「闇をさまようもの」他)          

・ナコト写本(PNAKOTIC MANUSCRIPTS)
著者、訳者不明,15世紀頃(英語訳が出されたのが)
 人類の誕生するおよそ5000年前に地球を支配していた種族の残したもの。
 氷河期以前に北極圏に存在したロマールの民が人間の言語に翻訳した。
 そのロマールの民がノフ=ケー族に滅ぼされたとき、最後の一冊がドリームランドに持ち込まれ、
 現在ではウルタールの僧侶アタルが保管している。
 「偉大なる種族」やツァトゥグァ、カダスに関する言及がある。
 ヨーロッパとアメリカの主要な図書館に装丁された英語の写本が5部保管されているが、
 いずれも不完全版であると考えられる。
(ラヴクラフト「蕃神」他)          

・ニュー・イングランド新天地の魔術的驚異
(THAUMATURGICAL PRODIGIES IN THE NEW−ENGLAND CANAAN)
フォード・フィリップス牧師著,1788年頃
 2つの版に分けて出版され、第2版はボストンで1801年に出された。
 内容は全く同じだが、第2版の方が一般に知られている。
 著者はアーカム第二教会の牧師である。
 ニュー・イングランド地方で発生した様々な奇現象や悪魔崇拝について記述されている。
 後に著者は何故かこの本を回収して破棄しようとした。
(ダーレス「暗黒の儀式」他)          

・ネクロノミコン
 全部で5つの版が存在する。
 ここで紹介するもの以外にも、様々な版が存在する可能性もある。
 「ゲーティア」との関連性もよく取りざたにされるようだ。
・アル・アジフ(アラビア語,AL AZIF)
アブドゥル・アル=アズラッド著,730年
 狂えるアラブ人として知られている著者は、アラビア南部の大砂漠で一人きりで10年を過ごし、
 名もない都市の廃墟の地下で、人類以前の古い種族の書いた年代記を発見した。
 晩年、ダマスカスで自分の知った秘密をまとめて
 この「キタブ・アル=アジフ(野獣の咆哮の書)」を記した。
 オリジナルの形は知られていないが、中世の学者の間で写本の形で出回っていた。
 しかし、12世紀頃にはこの版は失われてしまったようだ。
・ネクロノミコン(ギリシャ語,NECRONOMICON)
テオドラス・フィレタス訳,950年
 コンスタンティノープルに住む訳者が、「ネクロノミコン」の題を付けた。
 初期の手書き版は総主教ミカエルによって焚書になり、見つかっていない。
 1501年にフォリオ判で大量印刷されたが、宗教弾圧の対象となり、
 1692年にセイレムで最後の一冊が焚書処分にされた。
・ネクロノミコン(ラテン語,NECRONOMICON)
オラウス・ウォルミウス訳,1228年
 出版後、直ちに教皇グレゴリウス九世によって、出版禁止となる。
 しかし、15世紀の終わり頃、ドイツでゴシック体のフォリオ判として印刷されている。
 また、17世紀初頭にはスペインで出版された。
 ドイツ語版が1冊、スペイン語版が4冊存在が確認されている。
・ネクロノミコン(英語,NECRONOMICON)
ジョン・ディー博士訳,1586年(17世紀初頭説あり)
 ギリシャ語版からの正確な翻訳だが、削除部分がある。
 出版されたことは一度もなく、閉じた写本の形で出回っている。
 ほとんど完全な形のものが3部、存在が確認されている。
 「ロガエスの書」、「エノクの書」との関連が取りざたされている。
・サセックス草稿(英語,THE SUSSEX MANUSCRIPT)
フレデリック男爵訳,1597年
 ラテン語版から不完全な形で英訳されたもの。
 イギリスのサセックス州で8つ折判で印刷された。
 正式な題名は「悪の祭祀(Cultus Maleficarum)」。
(ラヴクラフト「ダニッチの怪」他)          

・ネクロノミコンにおけるクトゥルフ(CTHULHU IN THE NECRONOMICON)
レーバン・シュリュズベリィ博士著,1915(1938)年
 手書きの原稿だが、本にする意図があるらしい。
 1915年に博士が謎の失踪を遂げる少し前に、ミスカトニック図書館に保管された。
 クトゥルフ神話を扱った学術論文であり、「ネクロノミコン」「ルルイエ異本」からの引用がある。
(ダーレス「永劫の探求」)          

・ノストラダムスの大予言
ミッシェル・ド・ノストラダムス著,1555〜1557年
 約千編の四行詩からなり、AD3749年までに起こる様々な出来事への予言であると言われる。
 実際の文句ははっきりと特定した予言ではなく、色々な意味に取れるものになっている。
(???)          

・ポナペ教典(PONAPE SCRIPTURE)
アブナー・エゼキエル・ホーク著,1734年
 著者がポナペ島で発見した原典を、ポリネシアとアジアの混血の従者に訳させたもの。
 原典はヤシの葉の繊維で作られた紙に書かれており、先史時代の木の板で装丁されている。
 現在で回っているものは著者の死後に印刷されたものだが、オリジナルの写本には劣るという。
 オリジナルの写本はまだ存在していると言われているが、所在は明らかではない。
 南太平洋に大昔から伝わる宗教の教義について記されている。
(カーター「墳墓の主」)          

・魔術の真理(TRUE MAGICK)
テオフィラス・ヴェン著,17世紀頃
 噂によってしか知られていない謎の多い書物。
 装丁された写本であるというが、定かではない。
(???)          

・魔女の槌(MALLEUS MALEFICARUM)
ヤコブ・スプレンガー&ハインリッヒ・クラメルトランス共著,1486年
 原典はラテン語だが、その後無数の翻訳本が出版された。
 悪魔や魔女、妖術師の脅威を説いた神学文書。
 中世の宗教裁判官に対する、異端者の見分け方と拷問の方法のガイドブック。
 この本の影響により、推定で900万人が命を落としている。
 1906年のドイツ語版のタイトルは、「DER HEXENHAMMER」。
(ダーレス「ピーバティ家の遺産」)          

・ミサ・ジ・レクイエム・ペル・シュジャイ(Messa di Requiem per Shuggay)
ベンベント・チエティ・ボルディゲラ著,1768年
 オペラの曲と台本。
 出版されたことは一度もなく、上演されたことは一度しかない。
 見識ある音楽家の言では、とても上演できない部分が存在するという。
 大英博物館とフランス国立図書館にコピーが存在する。
 ヴァチカンのZ−コレクションにもあると考えられているが、定かではない。
(???)          

・無名祭祀書
 三つの版が存在する。
 フォン=ユンツトが収集した世界各地の奇怪な伝承の集大成。
 太古の石碑や秘密宗派の儀式書から写し取った古代文字なども収録されている。
・無名祭祀書(ドイツ語,UNAUSPRECHLICHEN KULTEN)
フリードリヒ・ウィルヘルム・フォン・ユンツト著,1839年
 ドイツで印刷されたクォート判サイズの本。
 長い間、「黒の書」の名で知られる。
 ヨーロッパとアメリカの主要な図書館に、全部で6部現存。
 著者は出版の翌年、鍵のかかった部屋の中で絞殺されているのを発見された。
・無名祭祀書(英語,イギリス版,NAMELESS CULTS)
翻訳者不明,1845年
 イギリスのブライドヴェル出版社から出された8つ折り判だが、公認されていない。
 完訳だが、翻訳には色々と不備な点が含まれている。
 公的、或いは私的なコレクションに少なくとも20部が現存している。
・無名祭祀書(英語,アメリカ版,NAMELESS CULTS)
翻訳者不明,1909年
 ニューヨークのゴールデン・ゴブリン・プレス社から出た削除版。
 間違いも多数存在するという。
 廉価な8つ折り判であり、大量に現存すると考えられる。
(ハワード「破風の上のもの」)          

・妖蛆の秘密(DE VERMIIS MYSTERIIS)
ルードヴィッヒ・プリン著,1542年
 ドイツのケルン(コローニュ説あり)にて出版され、教会の出版禁止処分に会い、現在15部が現存。
 著者はフランダースの魔術師で、本人の弁によれば、天文学的な高齢であり、
 第九回十字軍遠征のただ一人の生き残りで、捕虜として拘留されたシリアで魔術を学んだという。
 異端審問にかけられて処刑される直前の獄中でこの著書を執筆し、看守の目を盗んで持ち出された。
 多くの呪文や魔術について記されており、バイアティスや「目に見えぬ伴侶」についての記述もある。
(ブロック「星から来た妖魔」他)          

・ルルイエ異本(R’LYEH TEXT)
著者不明,紀元前300年頃
 原本は人類以前の言語で書かれていたということ以外詳細は不明。
 粘土板に書かれたオリジナルがあるという説もあったが、現在では退けられている。
 正確に翻訳されたものが古代の巻物の中に見つかったと噂されている。
 中国語訳、英語訳、ドイツ語訳の他、15世紀の魔術師フランソワ・プリラーティが一部をイタリア語訳し、
 それをナポレオンが所持していたという説がある。
 人間の皮で装丁された写本が存在するともいわれている。
 シュリュズベリイ博士による「ルルイエ異本を基にした後期原始人の神話の型の研究」は、
 この書物を参考にして執筆されたらしい。
(ダーレス「ハスターの帰還」)          


とりあえず「クトゥルフの呼び声」で紹介されているのは以上です。
今後、ゲームには出ていないクトゥルフ神話の魔導書も追加する予定です。
(予定として・・・「モーセ第七の書」「ダゴンへの祈り」他)