声の主が店主らしい。
「いらっしゃいませ。どうぞおすわり下さい」

 フランス料理店時代のものなのか、窓際には、テーブルと椅子があった。
「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」

 確か本屋に入ったはずだが、店のサービスなのか? 見れば、店主はギャルソンエプロンをつけている。 これもフランス料理店時代の残り物か。
「お茶にしましょうか?いい葉っぱが入ったんですよ」
 店主はいそいそと準備をして、ティーポットを運んできた。

 なぜか、カップは2つ。
「それで、お客様はどんな本を読まれるんですか?」
 こころなしか店主の声がウキウキしている。
 どうやら、話し好きの店主のようだ。

店主の話につきあってやる   もう・・・帰る