死体付きシリーズ
キャスト
海外旅行死体付きの統一タイトルで
いよいよシリーズが多様化してきた。本当は従来から人気のあったシリーズをコツコツと書きついでいって欲しいという気持ちもあり、読者としては複雑だ。ともあれ海外が苦手(但し、温泉と鉄道があれば別)とおっしゃる辻さんの大英断だったのではないでしょうか。 タイトルの付け方には相変わらず統一性が持たされていて、今までの中では一番わかりやすい。というかファンでなくても容易に「ふんふん」と思えるような、大衆的で興味を引くような感覚、という方がいいかな。 結婚すると所帯じみてくる
さて、年中ふられっぱなしの克郎もいよいよ結婚。もちろんお相手はこのシリーズで出逢い、事件を解決しながら愛をはぐくんできた智佐子であります。そして、結婚すれば当然所帯を持つわけで、お話もそういう方向に進んできます。
さすがに、旅行会社やらツアコンやらが登場するので、まるでツアーのネーミングみたい。違うのは必ず死体がついてくる、ということですね。
智佐子も添乗員としてのキャリアを増すごとに、日程の長いツアーを任されるようになるのかと思っていると、上海では伸び続けて日程が短くなっています。ううむ。まあパッケージツアーですから非常識に長い旅程にはならないでしょうけれど、ひょっとしたらそのうち、クイーンエリザベス号88泊89日とか登場するのではないかと、密かに期待していたのですが。
そういえば、辻先生はこの春、超豪華客船による1カ月ほどのクルージングを楽しんだばかりのはず。文章教室の講師という役所だったはずなので、純粋の客ではなかったのでしょうけれど、客であろうが講師であろうが、楽しんでいたことにはおそらく間違いないでしょう。
中身はれっきとした本格ミステリーですけれど、どうも日本の住宅問題に真剣に取り組んでおられるようで(笑)。
そして国内のツアーが最後に登場するのですが、趣向としてはまだまだ続けられそうですので、しばらく途切れているものの、思い出したように新作が登場するのを楽しみにしています。豪華客船クルーズだといいですね。
(勝手なことを書いて申し訳ない次第ですが、辻先生もこっそりとご自分の関連ページをインターネット上で見ておられるという噂もあるので、ここでリクエストしておきます。でも、このページはおいそれと見つけられないだろうなあ。なにせ、検索エンジンで「辻真先」を探すと、手塚先生関連ページが山のように出てきますから)
このシリーズのもうひとつの見所は、編集者との掛け合いです。楽屋落ちと言ってしまえばそれまでですが、「編集者から出される鬼のような注文」がこの先を読み進める読者にとっては楽しみになりますし、本の中では、「いい加減な構想や構成」を編集者が非難するような形になっていたりしますが、もちろんそれらも計算の上で、かわいそうな編集者はいわば狂言回し。楽屋落ちのようなことが嫌いな方は読み飛ばしても差し支えないとは思いますが、とらおは好きなものですから、こんな所だけ読み返してしまいます。
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