京都駅でかずぞうと二人になり、今度は師匠とLiquidRedさんを尋ねる時間。実は予定を30分オーバーしていたためにかずぞうやたら気にする。「まき。は美人やで」にすでに興奮気味な私、隣で時計を気にするかずぞう。待ち合わせの駅に到着後、出口を間違えてちょっと遠回りして外に出ると、いたいた、師匠の車発見。「遅くなってごめんな」と助手席のドアを開け入り込むかずぞうに遅れて後部座席のドアを開ける。「えっちゃんやろ?」...ガクーン、ボローン(顎が外れる音と、目の玉が飛び出る音)振り向いたロングへアのお人は噂の師匠。う、美しい...。「ま、ま、まりさーーーーーーーん!」思わず心ではそう叫んでいた。「ま、まりさん、こ、これが私らの師匠だよ!(まりさんは一番弟子で私は二番弟子と勝手に決め付けている)」あぁ、なんでまりさんの写真を持ってこなかったんだろう(持ってないのに)あぁぁ、私のバカバカ!はやや、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏...もうわけわからなくなっていた私はひたすら興奮して後部座席で二人の会話に耳を傾ける。
車で10分程(もっとある?)行った所で師匠の家に到着。「ちょっとだけ、あがってく?」にはーい!とさっさと靴を脱ぐ。階段を上ると頭上では師匠の愛犬「コロ」ちゃんが「フィ〜ン、フィ〜ン(お帰り〜!何処行ってたの〜?!)」っと腰が外れて飛んでいきそうなくらいの勢いでじたばたさせて待っていた。「はい、これ」と前日他のみんなにも渡したという噂の師匠手作りクッキーを頂く!(「ま、まりさぁ〜ん!師匠手作りクッキーもらっちゃったよぉ〜!!」っとまたもや心で叫ぶ私)
「さて、いこか」というわけで、LiquidRedさんのお宅目指し出発。師匠の家とほんとに近いのだ〜!立派なマンションにお住まいで、師匠がドアの番号を押し、何やらごにょごにょ(まじないを言っていたのではないことくらい、私にも判る)言うと自動ドアがすっと開く。し、知ってるもん!今のマンションはたいていこういう作りって事くらい!...と思いつつも最後に入った私はつい自動ドアが閉じるのを確認してしまう。「えーと、たしかね、...」と師匠がキョロキョロしているとまたもやドアが自動的にすっと開く!「うへっ!部屋の入り口まで自動で開くんかい?!」っと心の中でまたも驚いていると「こんにちは〜」っと髪の長い女性がニッコリと微笑みながら顔を覗かせた。LiquidRedさん!!おっとりした、というと怒られちゃうかなぁ?ほんわかした雰囲気のやさしーーい目をしたお姉さん、という印象。と、とても二人の男の子たちのお母さんとは信じられない(姉を見ているせいか)お人である。そしてまるでショールームになってるんか?と勘違いしそうなほどに整頓された部屋部屋に更に驚く。レイアウトも素敵。しかも彼が描いたという美しい絵が白い壁にかけられており、一同感激。同年代の甥っ子を持つ私は、やんちゃ盛りの男の子の家がどんなもんか、というのを姉の家で「まぁこんなもんじゃろう」と決め付けていたのかもしれない。「やろうと思えば出来るんだなぁ...。」ここにきて、初めて姉のズボラさを知った瞬間でもあった(ま、我が家の事情などここではどーでもよいのだが)。
女性が集まるとどうなるか、というのは皆さんだいたいお分かりであろうが、そうです。ここでも同じなのねん。しかしみんなと初対面とは思えんかった。話も弾むが何よりも居心地がよろしい。思わず口も手も軽くなり、喋るわ食うわ、いやぁ〜、楽しい一時でおじゃった。ついにはLiquidRedさんの彼がBackstreetBoysのメンバーにいてもおかしくないわよ!「写真みせて、みせて〜!!!」っというまき。師匠のおねだりが始まり、初めて写真を見る。うわっつ!!!た、確かにハンサムすぎるくらいハンサムで「若いじゃないか〜!!!」っと持っていた写真を握りつぶしそうになっていると、「あ、それ彼の弟。」ズコッ、と気を取り直しもう一枚を手にとる。あやややや、こちらは歳を数年加えただけの、しかし色気が加わった更に男前である。師匠が絶賛するのもよくわかる。眩しそうに見つめるその眼差しに「うちのと交換せえへん?」と師匠。こ、こらこら何を言い出すのじゃい。しかし天はニブツ(←漢字忘れ)を与えずとはぱたのうちでは通用せんですぞ、みなさん。集っていた女性陣にしろ、このLiquidRedさんの彼ったら見目麗しいどころか絵までお上手なんだからぁん。
「かずぞうは(ジョンぞうの写真)もってへんねん(←この大阪弁、あってる?)」とかずぞうが口をとがらせる横で今度は師匠のご主人の写真をみる。立派な髭を蓄え、凛々しく優しく微笑んでいた。「かっこいい!ジョンぞうと同じ髭や!」と髭に興奮するかずぞう。こんなに立派な体格だからスーツなんかばっちり似合うんやろうなぁ〜!っとみんなで羨むと、「実は持ってへんねん。普段必要とせえへんからな」に一同驚く。と、またそこで買うの買わないのしょっちゅう着るもんじゃないからもったいないだの「主婦」の会話へと展開するので部外者は食いにまわる。
が、やはりここでも最後は国際結婚やその関係の情報交換で幕を閉じる。LiquidRedさんの場合は急な変更があったりとなかなか落ち着ける様子がなかったりなんかで大変そうだった。でも、語る彼女の目がキラキラと輝いていたのが忘れられない。明るい未来のために全てが順調に行きますように。そして彼と家族といつまでも幸せでありますように。そして(今のところ)未婚者同士、他のみんなに追いつけるよう頑張ろうな!と一人でぶつぶつ言うえっちゃんなのである。
かずぞうに次の予定が入っていたため(えっちゃんも付いて行くことにする)、6時前にLiquidRedさん宅を出る。マンションを出る際に、人を察知する機械が設置してあったのか、自動ドアに近づくとまたもやウィ〜ンと自動的に開く。さすがにここまでは予期していなかったので、「ひぃっ!!」っとかなりオーバーに驚いてしまったえっちゃんなり。
師匠運転で駅まで。が、ここがまさか師匠とのお別れの場所とは気付いておらずさっさと車を降りた私。きょとんとしている師匠に「いや、あっさりしてんな〜と思ってしまったわ」と寂しい思いをさせてしまったが、実は何も考えてなかっただけであり、突然のお別れにえっちゃんはかなり動揺してしまった。「えっちゃん、今度はアメリカで会おうな!」ふえ〜ん、師匠、えっちゃん必ず遊びに行くからね、ご馳走作って待っててねぇ〜!「かずはハグとかせえへんねん」というかずぞうを尻目に二人はガシッと固いハグをして誓い合うのだった。「まき。も大変やなぁ〜、あんな田舎に住むなんて。いつぞやの井戸端ではとうとう最後にはかわいそうになったわ」うんうん、大変だよねぇ〜...で、はっ!ここでえっちゃんの脳裏には美しい妻を持つ夫の密かなたくらみがあるのでは?という推測が生じた。あんなやり手な女性を日本食レストランはてはチャイニーズレストランすらないような田舎の奥地に引きとどめるたぁ、「こいつは俺のもんでぃ。野蛮な男共の餌食にさせてたまるけぇい!(勢いをつけたかっただけで、江戸弁は本来無関係)」っとかいういわば雄の本能というか...切実な夫の想いが「ドがつく田舎に引き篭もる」という形で表現されているのではなかろうか、ふむむ。と、かなり勝手かつ強引な想像をする。(許して、師匠)しかしそれも愛の産物なり。