シスコ 、これは会社の名前である。シリコンバレーの急成長を支える一番大きな 会社だろう。従業員約2万6千人のネットワーク設備を製造販売する会社だ。 特にインターネットを利用している環境なら必ずこの会社の設備を使用 していると言われている。この会社の株価はうなぎのぼりで、1990年に上場し、当時 100ドル(約1万円)の投資が現在10万ドル(約1千万円)になっている。 この会社の経営ポリシーとして従業員が会社の成長に寄与していることを認識 してもらうために従業員にもこの恩恵を与えている。
現在いる約2万人の非管理職クラスの人でも半年いれば35万ドル(3千5百万円)の ストックオプションがあるという。(いずれ株を売買すればこの程度の臨時ボーナスに なってしまうのだ)また、8人に1人は億万長者がいるのだ。 日本の企業に10年以上勤めている自分が馬鹿らしくなる。今度CISCOに 転職してしまおう。
もちろん消えていく会社もある。知り合いのいる半導体開発会社(A社)は 年商約40億円の小さい会社だが、魅力ある製品を開発、販売している。 ところが巨大なライバル会社(B社)がA社が自社の特許を侵害をしていると 訴えを起こした。またA社の製品の販売差し止めも要求した。 このような訴えは日常茶飯事ではあるが、その内情を聞くと愕然とする。
結局この裁判A社の言い分が全面認められ、B社が敗訴に終わったものの、 A社は自社の弁護のために5億円もの裁判費用を捻出する必要があり、また訴え直後から B社の訴え内容が公になりA社の販売は大きな痛手を受けてしまった。 裁判費用の5億円は彼らの売上の約12%であり、まだ赤字経営の会社でもある。 そこへ売上減少が重なり泣きっ面に鉢状態だ。 A社はこの裁判に勝っても得るものはなく、B社を損害賠償で訴え返さないといけない。 しかし、訴えの準備から判決まで一年近くかかるらしく、A社の経営状態では無理がある。 結局A社に残された道は身売りか、撤退かどちらかになるのだろう。 B社がA社を買うという話もあり得るシリコンバレー。食うか食われるかの世界だ。
02/25/00誤記修正
今回のアメリカ文化の御値段、半年で3千5百万円(の権利)!か職なしか!